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自由を求めて闘った女性たち「流麻溝十五号」

明日31(土)~公開する「流麻溝十五号」は、1953年の台湾の白色テロの時代を背景にしています。「幻の光」の講座でも少しお話しますが、1945年に日本の占領から解放された中国では、毛沢東の共産党と蒋介石の国民党の内戦状態が続き、敗れた蒋介石たちは台湾に逃げます。彼らは外省人と呼ばれ、戒厳令を敷いて独裁政権を作り、元々台湾にいた内省人を白色テロによって弾圧していきます。大量虐殺があった2・28事件は、その後何十年もタブーとされましたが、侯考賢監督が「非情城市」で、事件とこの時代に翻弄された人々や家族を大河ドラマとして描き出し、アジア映画初のヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞したのです。


 「流麻溝十五号」は、この時代に自由を求めて闘った女性たちの物語です。<自由な思想>を持っただけで政治犯として、台湾の孤島にある刑務所に送られます。そこで、彼女たちは、重労働を課せられますが、次々と迫る不条理に対しても、必死に抵抗をしていきます。これまでもジェンダー平等の視点から作品を作り続けてきた周美玲監督は、実際にこの時代を生きた彼女たちにリスペクトし、生き延びた人々から取材し、映画化を実現しました。このような自由を求めて闘ったことが、80年代以降の民主主義台湾を生み出していく少なくない力になったことは間違いないでしょう。じっくりとご覧ください。

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