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わたしたちの家に帰りましょう~「エターナルメモリー」

徒然に 626

「エターナルメモリー」上映が始まりました。
この映画は見ているとドキュメンタリー映画である
ことを忘れてしまいそうです。
長年連れ添ってきたご夫婦の物語に涙することでしょう。

夫は著名なジャーナリストのアウグスト・ゴンゴラ。
妻は国民的女優で、最初の文化大臣となった
パウリナ・ウルティア。

25年間連れ添い愛を育んできたふたりは
自然に囲まれた古い家をリフォームして(緑豊かで
古くなじんだ感じが素敵です)
読書をしたり、散歩をしたり。

本の一節を読みながらの散歩の時間、
二人が長らく続けてきた日常の暮らしが垣間見えるようで
とても大事にしていたことがわかります。
優しさとユーモアが醸し出す
丁寧な日々・・

そんななかアウグストがアルツハイマーを患い、
すこしずつ記憶を失い、
妻との思い出さえも消え始めるのです・・・

困難に直面しながら、それでもいつものように穏やかに
夫との生活を慈しむように支える妻。

妻の仕事場にもアウグストは一緒に行きます。
そして一緒に舞台に居ることも・・周りにいる仲間たちも
優しいまなざしで共に過ごしている。
ここに垣根がないことがすごく観ていて嬉しい。


あちらとこちらの世界を行き来するようになったアウグスト。
「きみは誰?」ということも。

でもふとした瞬間、愛する妻パウリナの存在に気づき、、
その瞬間は二人にとってこのうえなく幸せな時間に。
まるで神様からのプレゼントのように。

映画はそんな二人の愛と癒しに満ちた日々を記録し、
このうえなく美しい真実のラブストーリーとなりました。

簡単には語れないけれども
たとえ記憶が失われても、ふたりの思い出は永遠に生きている― 

書斎にはチリの独裁政権下、アウグストがジャーナリストとして懸命に伝えようとした真実が、
未来へつなげようとした思いがぎっしり詰まっている。

二人はともに生きてきた。
パウリナの低くやさしい声がこころにしずかに落ちてくるようです。

チラシには「ドクトル・ジバゴ」も「カサブランカ」も、
どんな名作ラブストーリーもこの真実の愛には敵わない

とありましたが、
見終わってそのとおりと思いながらも

アウグストの記憶のように
嬉しいことと 悲しくなることを 
押し寄せる波のようにくりかえしゆく体験に

それでも寄添うことはできる‥そんなパウリナの強く、
深い愛を感じました。

アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネートされた
チリの映画です。





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