見出し画像

オールドスクールEDH紹介 ver2.0

 昨年3月にオールドスクールEDHとオールドスクール・ブロールを紹介する記事を書き、ありがたいことに多数の方々に閲覧して頂いております。
 しかし国内で実際にプレイされている状況と紹介したルールに乖離があり、混乱を招いていたこともありましたので今回新たに書き直して再度の紹介をしたいと思います。

1.オールドスクールEDHとは?

 オールドスクールEDH(Old School EDH)、あるいはOld School Commanderとはオールドスクール(Old School Magic)のカードプールでEDH(統率者戦)をプレイしよう、というものです。

 オールドスクールとはM:tG初期のエキスパンション収録カードのみを使用して構築するルールで、その代表的なレギュレーション「Old School 93/94」については以下で確認することができます。

 統率者戦は伝説のクリーチャー1枚を統率者として選び、その色に対応したカードでシングルトンのデッキを構築してプレイするフォーマットです。基本的には多人数戦を想定しています。統率者のレギュレーションについては以下を参照してください。

 この二つを組み合わせたオールドスクールEDHのルールはBeast of the Bay内「Old School EDH Deck Construction Rules」で確認できます。


2.使用可能なカードセット

 オールドスクールEDHで使用可能なカードセットは下記になります。

・Alpha
・Beta
・Unlimited
・Revised
・Arabian Night
・Antiquities
・Legends
・The Dark
・Fallen Empire
・Collector’s Edition
・International Edition

同じイラストで旧枠の再版カードも全て使用可能です。

※再録カードの扱いに関して補足
 Beast of the Bayにおけるルールは上記のとおりですが、国内においては参入を少しでも容易にするために「foilやプロモを含む、これらのセットからの再録カードを使用可能」としているコミュニティばかりです。これは前述したChannelfireballのOld School 93/94ルールに準拠するものです。


3.デッキ構築

・デッキは統率者を含む100枚のカードで構築されていなければなりません。
・統率者は伝説のクリーチャーでなければなりません。
・残り99枚のカードは基本土地を除いて統率者の色指標と一致し、それぞれ1枚だけでなければなりません。

 以下のカードはオールドスクールEDHにおいて伝説のクリーチャーであるとして扱い、統率者として使用することができます。

・Abu Ja’far
・Ali Baba
・Ali from Cairo
・Aladdin
・King Suleiman
・Niall Silvain
・Sindbad
・Uncle Istvan

※統率者に関する例外規定に関して補足
・El-Hajjâj
・Pixie Queen
上記に追加してこの2枚も他のプレイヤーと相談の上、伝説のクリーチャーとして扱い、統率者として使用可能としても良いでしょう。これはThe Sentinelで公開されているOld School Brawlのルールに準拠します。

4.禁止カード

 以下のカードはオールドスクールEDHでは禁止されています。

・Ancestral Recall
・Balance
・Black Lotus
・Divine Intervention
・Karakas
・Library of Alexandria
・Mox Emerald
・Mox Jet
・Mox Pearl
・Mox Ruby
・Mox Sapphire
・Shahrazad
・Time Walk
・全てのアンティに関するカード

《Ring of Ma’ruf》は使用可能で、あなたは上記の構築ルールに沿ってあなたのデッキにまだそれと同じものが含まれていないカードを得るためにのみそれを使用できます。


5.ルーリング/エラッタ

 いくつかの例外を除き、最新のルール/オラクルに従います。

・マナ・バーン
 各ステップやフェイズの終了時、各プレイヤーのマナ・プールに残っている使用されなかったマナは失われる。この方法で失われたマナ1点につきそのプレイヤーは1点のライフを失う。これをマナ・バーンと呼ぶ。マナ・バーンはライフの損失であり、ダメージではないので軽減することはできない。これはゲームの行動でありスタックを用いない。


・《Chaos Orb》
  2
  Artifact
  (1),(T): 戦場にあるトークンでないパーマネント1つを選ぶ。《Chaos Orb》が戦場にあるなら少なくとも1フィート(約30cm)の高さから《Chaos Orb》をはじく。《Chaos Orb》が空中で少なくとも360度以上回転し、選ばれたパーマネントに触れたならばそのパーマネントを破壊する。その後《Chaos Orb》を破壊する。


・《Falling Star》
  2R
  Sorcery
  戦場の重なっていない任意の数のクリーチャーを選ぶ。少なくとも1フィートの高さから《Falling Star》をはじく。《Falling Star》が空中で少なくとも360度以上回転していたなら、《Falling Star》は選ばれたクリーチャーのうちこれが上に乗ったそれぞれに3点のダメージを与える。《Falling Star》によりダメージを与えられ破壊されていないクリーチャーをタップする。

 これらのエラッタはEternal Central内のOld School 93-94 Rulesページで確認できます。

※《Ring of Ma’ruf》のエラッタに関して
 上記Eternal Centralのエラッタには《Ring of Ma’ruf》も含まれていますが、Beast of the Bayのルールと異なり追放領域からもカードを手札に加えられるようになっています。もしこのエラッタを適用する場合には事前に他のプレイヤーの同意を得る必要があるでしょう。


6.オプショナル・ルール/ヴァリアント

 私たちのプレイグループでは「アップキープ・ステップに3点のライフを支払っても良い。そうしたならドロー・ステップ最初のドローの代わりにライブラリから基本土地1枚を探して手札に加える。その後ライブラリをシャッフルする」を1ゲーム1回だけ使えるオプショナル・ルールを採用しています。
 これは優秀なキャントリップやライブラリ操作がほとんど無いオールドスクールEDHでは土地事故/色事故を起こしやすいため、それにより何も出来ないまま負けてしまうことを防止することを目的としています。何らかの同様のオプショナル・ルールを採用されることをお勧めします。


 海外のオールドスクールEDHプレイグループによっては禁止/制限カードをOld School 93/94ルール準拠とし、P9込みでプレイしている方々もいるようです。

画像1

(上記サイトより引用)


 シカゴのオールドスクールプレイグループ「Lord of the Pit」では1995年に発売されたIce Age、Homelandsのカードも使用可能にした「Old School 95 EDH」レギュレーションでプレイされているようです。

 彼らはまた独自に伝説の楔3色エルダー・ドラゴン5体を創造し、それらを統率者として使用できるようにもしています。

画像2

(上記サイトより引用)


 私たちは「4人戦の場合は初期ライフは30点」というオプショナル・ルールを採用してプレイしたこともあります。オールドスクールEDHは個々のカードパワーが低く、長期戦になりがちで、それは特に4人戦で顕著です。このオプショナル・ルールはゲームの決着を早めるので複数回のゲームを楽しみたいときに有効です。


 またある日、同じプレイグループのromaさんがこんなツイートを

画像3

《トバイアス・アンドリオン/Tobias Andrion》《シヴィトリ・スカーザム/Sivitri Scarzam》《Lady Orca》《The Lady of the Mountain》《ジャスミン・ボリアル/Jasmine Boreal》といったバニラ(能力無し)の伝説のクリーチャー全てに「共闘」能力を持たせ、組み合わせて使用可能にするオプショナル・ルールです。これにより4色にアクセス可能になりますが、統率者はバニラ2体となるデメリットを抱えます。こちらはまだ実際には試せていませんが中々面白いのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?