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あの花咲政之輔率いる太陽肛門スパパーンが出した「円谷幸吉と人間」

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花咲政之輔はやっぱり偉人だった。
「偉人」に語弊があるなら異人でも廃人でもいい。ようは人間である。
熊谷高校時代に社会科学研究会まるごと戦旗派からのオルグを受けた後、中核派から逆オルグ、最終的にはノンセクトとして果敢に闘ったという烈しい体験があり、当時から現在に至るまでその姿勢、思想は、終始一貫「古典的左翼」なんてものがあれば正にそれ。なんといってもレーベル名はレフトサイド・レコードだ。
昨年来、先だって強行された糞オリンピックに反対し、反五輪音楽祭を何度も繰り広げた花咲率いる太陽肛門スパパーン。
今回発売された「円谷幸吉と人間」はその集大成たる2枚組ヴァイナル。

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「やりすぎ」である。
花咲の強固な思想をもってすれば表現媒体は2枚組でなくてもいいだろうし、ヴァイナルである必要もなければ極言すれば「音楽」でなくたって構わなかった。しかし、自身を「大宮のフランク・ザッパ」と言い、その音楽を「歌謡プログレ」と呼ぶその中身はなんと、スイングからフリージャズ、パンクロックの要素までちりばめる煌びやかなごった煮だ。それに絡む本当に「上手」な花咲の歌謡曲ボーカルもさることながら数十人にも及ぶビッグバンドのメンバーそれぞれの力量がすごい。その完璧な演奏は花咲のリーダーシップなくては成立しえないだろう。

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そして表裏4面に渡る小池野豚のアートによるジャケット、ジャケットサイズ二つ折り2枚に渡る「コウキチすごろく」を始めとするオマケ(?)に綴られる円谷幸吉に纏わる創作文を含む批評もすばらしい。いや、やりすぎてもらえてよかった。

反五輪音楽祭には最初はザ・スターリンYで、続いてザ・スターリンXで、昨年の8月の本来の開会式の日には宮沢正一とのデュオ・ユニット「ザ・マミイ」でオレも連続参加させてもらい、その都度完成度が上がっていく演奏を聴かせてもらっていたが、本作のレコーディングを経た後の今年7月の開会式当日に下北沢シャングリラで行われた「オリンピック粉砕総決起大会」ともいえる大イベントでのライブ演奏の迫力はしばらく忘れられないはずだ。

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去る7月23日の東京糞オリンピック開会式当日、下北沢シャングリラでの太陽肛門スパパーンのステージで花咲とともに替え歌「糞リンピックなんていらない」を熱唱する作曲者でもあるパンタさんとオレ

さあ権力に抗おう!

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