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構成力があるといえば聞こえはいいけれど

最近面白さには粒度があると感じている。先日描きあげた漫画の反省に絡めてその話をしようと思う。

この前やっと描きあげた「不老不死の男たち」をジャンプルーキー!に投稿したところ、編集部から「構成力を評価しています」というバッジをつけてもらえた。プロからの評価に、読者からの感想とはまた少し違った嬉しさと安堵を感じた。

だが出来上がった漫画を読み直して私は「またやってしまった」と思った。

綺麗にまとめ過ぎた。

ストーリーをまとめ過ぎてキャラがストーリーの奴隷になってしまう、というのが私の悪癖としてあるようだ。いや、まとめ過ぎてというよりは、まとめるほどの層もないような気が・・・

誰が何をして、こんな事件が起こって、こう和解して、事件が収まる。というストーリー展開的な大きい粒の面白さがあるとすれば、その展開の間に占める情報の、小さい粒の面白さというものがあると最近思う。キャラがどんな服を着て、どんな気の利いた会話があって、どんな性癖があって、バックグラウンドの関係性があって・・・そこの細かい粒の面白さをもっと込めたいと思うのだ。

なんだろう、ボケずにいられない漫画を描きたい。今はいい格好を保つのに必死で、自分が1番綺麗でいられる真顔をキープしてるような感じだ。もっと変なこと言いたいし、急に踊り出したりしたい。

その訓練として毎日1p漫画を描く、というのが推奨されてるのではとも思った。1pで面白ければ読み切り45p分確実に面白い作品ができる。

そうやって込めてたらきっととても個人的な作品ができる。ヒットするものって作者の個人的なものがいっぱい詰まってる。読者にとって「この個人的な世界が自分以外他人の中にもあることが信じられない」というくらい心に染み込むものができる。

今回の作品のネームに悩む私に友人が言った。

「今の所、ストーリーは綺麗だけど正直、大羊が描かなくてもいいやつだと思う。ストーリーって頭使えばできるものだから、ぶっちゃけなんとかなる。仕事が頭使えば終わるのは当たり前。でも君がやりたいのは芸術で、それなら勝負すべきところは発想でしょう。このキャラ達でやりたいこと、萌えること、思い切り考えないと。そこでサボっちゃダメだよ。

君にしか描けないものを描いてくれよ。」

そう言ってもらってできたネームは個人的なものが微かに光る作品だったのに、作画に至る過程でまた少し削いでしまった。

次こそは、キャラや性癖の暴れ回る、多少読みにくい話が描きたい。


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文中にある私の今回の作品です↓↓

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