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絹:未来を繋ぐ10万種類の魔法のタンパク質


絹って何?

地球上には10万種類以上の生物が絹を作る能力を持っていると言われています。自然界において、様々な生物は身を守り、子孫を残すために絹の成分を生成し分泌しています。
**絹を一言で表すなら、「未来を繋ぐ10万種類の魔法のタンパク質」**です。
絹といっても、用途や目的は様々です。例えば、蜘蛛の糸は捕食網として使われるイメージが強いですが、土蜘蛛と呼ばれるクモの仲間は巣穴の中で休息したり産卵したりするために巣を作ります。そのため、巣は外敵から身を守るための重要な役割を果たします。他にも、蜂の巣、カマキリの巣、貝が岩などに付着する紐、牡蠣などの岩着成分等々も絹の一種です。

私達の知っている絹のルーツ

絹のルーツは中国と考えられています。約1万年前、揚子江河口地域でミャオ族などの少数民族が捕食していた野生のクワコを家畜化し、その繭から紬糸が作られ始めました。その後、約5千年後に漢族が繭から生糸を抽出する方法を発見し、今日の絹織物の原型が完成したと考えられています。

技術のコラボレーションで生まれた今日の絹

黄河流域の黄河文明の殷の構成国「黄」の王は、繭生産が盛んだった長江文明の西陵氏の王女「縲祖(ルイソ)」を皇后に迎え、生糸が発見されました。これが漢族が黄河文明を発展させる基盤となりました。

紬糸と生糸の違い

何度も出ている(つむぎいと=紬糸)と(きいと=生糸)について解説します。

生糸:繭を煮て柔らかくしてから、糸口を見つけ、連続的に引き出した糸です。1つの繭が1本の糸でできているため繊維の長さ=繊維長が1500M近くあると言われています。
綿は繊維長が3cm前後。超長繊維でも5.5c前後と言われているので脅威の長さですね。
蚕蛾の生糸の太さは髪の毛より細いとされています。

生糸の写真

紬糸:繭を煮てから、真綿と呼ばれる状態にして、手で引き伸ばして糸にする。綿なども同じ方法で糸にしています。
紬糸は太く、節があり、温かみのある風合いの糸ができます。

紬糸の写真

その他の絹

地中海では古くから貝紐から貝絹を作ってきました。近年では、大腸菌が作った蜘蛛の糸や蜂の巣のゲル等も利用され始めています。その他にも、世界各地に生息する多種多様な繭で作る野趣に富んだ絹が野蚕絹として各地で利用されています。

まとめ

絹について理解していただけましたでしょうか?しかし現段階では、学術的には絹がどのようにできたかは記されていません。名もなき人たちが時間をかけて作り上げたのが絹なのです。

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