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「本屋図鑑 だから書店員はやめられない!」×パート書店員×リアル本屋

読書×○○マガジン作ってから、日が経ちました。ようやく書ける。

今回私が読んだ本はエッセイマンガ「本屋図鑑 だから書店員はやめられない!」です。
書店員さんが描く四コマ漫画で、書店あるあるが詰め込まれています。

私も本屋さんが大好きです。よく行きます。用事がなくても行きます。そして結局買います。

さて、この「本屋図鑑」をおすすめしてくれたのは、知り合いのパート書店員さんでした(以下、この書店員さんを敬意をこめて「ブックさん」とお呼びします)。ブックさんはこの本を読んで「めっちゃわかるぅー!」と思ったそうです。

その中でも、タイトルの謎解きはよくあると言っていました。お客さんがタイトルわからないけど、「こういう本、おいてある?」と聞いてくるそうです。
「新聞の書籍欄に書いてあった」とか「こんな感じのタイトルで」というヒントを元に、本のタイトルを解き明かすのだそうです。ブックさんが体験したものを教えてもらいました。

お客さんからのご依頼があったタイトルは「100回死んだ猫」。ありそうですね。でも、検索してもないんですよ。
なので、ブックさんはお客さんにいろいろお聞きして正解がわかったそうです。それは、「100万回生きたねこ」でした。ニュアンス的にわからなくもない!

一番おもしろかったのは、「あれから40年の人が書いた本」です。何かわかりますか?やはり最初は検索するそうです。そういう本があるかもしれないと思って。でもないわけです。
で、最終的に判明したのは、綾小路きみまろさんでした。
きみまろさんの有名な漫談の中にあるセリフが「あれから40年」。それをお客さんは伝えたかったのだそうです。
これはなかなかレベル高いお題!!そんなことが日常的にあると言っていました。

あとは、付録つきの雑誌をゴムで束ねるのが大変とか、同じ雑誌でも表紙が2パターンの時があるなど、「本屋図鑑」に書いてあったのと同じようなエピソードをブックさんが話してくれました。

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全部読んだ後に、私はリアル本屋さんに行きました。「本屋図鑑」に書いてあった、本の棚の名前や陳列の仕方、レジまわりの様子など、今まで見ているようで見ていなかった、職場としての本屋さん。
本当だ、こんなふうになっていたんだと思いながら。

そこでひとつ気が付いたことがありました。雑誌コーナーの「差し」と言われる陳列方法の場所です。
雑誌はだいたい表紙がわかるように並べられています。で、その下に背表紙が見えるように、他の本と同じように、縦に差してあるのが「差し」です。
あの場所は時間が経った在庫の雑誌があります。あったはずなんですが、私の行った書店では、そこも表紙がわかるように並べられていました。

どういうことか。
雑誌自体が「差し」で置いておくほどないのです。これには衝撃を受けました。今まで全然気が付いてませんでした。いつの間に!?

雑誌が売れないとはよく聞いていました。でも、それは聞いただけの話で、自分の体験になる一次情報ではありませんでした。だって、雑誌たくさんあったから。スカスカになっている棚の前で初めて実感しました。

よく見てみないと、変化ってわからないもんなんですね。業界の現状も少し覗いた気持ちになりました。

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今回、書店員さんのコミックエッセイと、パート書店員ブックさんへのプチインタビュー、そしてリアル本屋さんに行って、書店員の世界に少し近づいてみました。

この本のサブタイトルは「だから書店員はやめられない!」です。著者は本屋の大変さを描きながらも、結局舞い戻っています。
「好きなことを仕事にしていくのも楽じゃなさそうだ」と思いながらも、好きなことを仕事にしたことがない私にとっては羨ましいところもあります。
ザ・ないものねだりです。

どちらがいいとかはなくて、どっちもありです。

この本には、書店員に必要そうな知識もコラム形式で入っています。ライトな研修とかマニュアルくらいの立ち位置でもいけそうな本だと思いました。
全業界、こういうのあったら便利ですよね!
書店員になりたい方、興味がある方はぜひご一読を。

どんな仕事にも大変なことはありますが、今回書店員さんのリアルを読んで、そして聞いて、よかったなと思います。

全国の書店員の皆さん、今日もお疲れ様です。本屋さんを営業していただき、ありがとうございます!!

これからも、本屋さんが地域にあることに感謝しつつ、お金をおとしていきたいと思います。(ここが大事!)
リアル本屋さんへの熱き思いは、ここに書き始めたら止まらなくなるので、また別の機会に。


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