嫌いな言葉「体験」

私は小さい頃「体験」という言葉が嫌いだった。
理由は明らかである。

「体験教室あるって!行ってみようか!」

ママのこの言葉のせいである。私は人見知りで新しい人とお話しするのが苦手だった。3月生まれ故か周りの人よりもうまく出来ないことに少しばかり劣等感を感じていたのかもしれない。そしてきわめつけは見学にきたパパが家に帰ってからからかうことだ。

私にとっては何よりも「体験」が苦手だったのだ。

今まで色々ことをしてきた。ヴァイオリン、テニス、ボーリング、歌、お菓子作り、手芸などまだまだある。

あんなに嫌だったが、なぜかママにうまいこと連れられて色々やってきた。しかし大人になった今、どうだろう。不思議なことになんでもなんとなくは出来てしまうのだ。やったことがないことに対しても、感覚を掴むまで人より早い気がする。これに気付いたのは中学生の頃だ。ふと思い返した時、幼い頃嫌いだった「体験」が役に立っているのではないかと気付いた。ママが言っていた「何事も経験が大事」というのは将来に繋がるからなのだと気付き今では感謝している。

おそらく私は自分の子どもが生まれた際にはママと同じように体験させることが大好きママになるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?