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キウイブラザーズはすごい。

いま担当している仕事の一環で、キャラクターづくりについて調査などをしている。見た人に覚えてもらうためにはどうしたら良いのか、なんなら真似して誰でも描けるようなデザインにしたい、シルエットでわかるように、色は何色まで使うか、などなど考えることが非常に多く、世の中のキャラクターたちがいかに考えて生み出されたものなのかを痛感している。

なかでも、私がすごいと思うのはゼスプリのキャラクターだ。

多くの人が見たことあるであろうこのキウイのキャラクター「キウイブラザーズ」。緑の方を「グリーン」、黄色の方を「イエロー」という。

一見単純にも見えるこのキャラクターだが、単純かつ伝わりやすいことがどれほど難しいことか、キャラクターを考える立場になった今ではわかる。

ゼスプリのマーケティング部長、猪股可奈子さんのインタビューも面白かった。芸能人を起用したCMをやめて、キウイそのものの魅力をもっと伝えていくという目的のもと生まれたのが、キウイブラザーズだった。

400以上のキャラクターをチームで研究し、キウイを主役にするならどういう見せ方が最適か考えた。「大人にも子供にも愛される」「中身が見える」など、調査結果からポイントを定めた。キャラの候補はいくつかあったが、「キウイブラザーズ」がチーム内では満場一致で選ばれる。

アゲリシャスなキウイブラザーズを生んだのは2児の母だった

「中味が見える」というポイントから、この口をデザインしたところが天才的だ。実際、CMも話題になって多くの市民権を得ていると思う。大成功だろう。

あまり知られていないと思うが、ゼスプリのCMソングは音楽ストリーミングサービスでも配信されている。宣伝用のキャラクターの域を優に越えているんじゃないだろうか。

目が良い

そして、そんな私もキウイブラザーズに魅了されたひとり。グリーンをお出迎えするために、おそるおそる10個パックのキウイを買ったのは良い思い出だ。たぶんもう結構前のことだ。

一気にキウイを買うことなんてなかったから、「こんなにあって飽きちゃわないかしら」と不安に思っていたのだが、数日でぺろり。

それ以降、給食で食べるものだったキウイは、家庭の定番デザートになった。消費者のモデルのようだが、実話なのでしょうがない。ゼスプリのキウイに付いているシールを集めると、キウイブラザーズグッズが当たるキャンペーンに応募することができる。8月31日が応募締切だったので、夏は特にせっせと食べた。

生活に入り込んで、所有欲を生み出すキャラクターってすごいよなぁ。キャラクターについてまだまだ勉強中だけれども、キウイブラザーズは心の先生だ。