俺達はライブをします。

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ロックバンドDeges Deges(デゲス デゲス。 メンバー:高田風・井上拓己)は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためイベントを自粛する動きが広がる中、当初の予定通り、本日3/6(金)のベースメントバー主催のライブ出演を決めました。

自分達の身勝手ではありますが、芸術家としてのエゴや、コロナウィルスによるイベント自粛要請に伴うライブハウスや自分達を含めたアーティスト達の困窮する状況改善を優先し、今回ライブ出演を決めました。

ライブハウスに観客を呼び、ライブ演奏すると同時に、ウイルスの影響で来れない方々に対して、本日の出演者EVI、BurnQue、sakura、Deges Degesのライブをネット上で動画配信します。
同時に、投げ銭によるカンパを募ります。イベント自粛要請に伴うライブハウスや自分達を含めたアーティスト達の困窮を少しでも助けられたらと、本当に身勝手ながら皆様へのカンパをお願いしたく思います。
集めたカンパは、本日出演するアーティストとライブハウスベースメントバーで平等に分配します。急な我々の提案を了承してくださったベースメントバーとアーティスト各位にここで感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございます。

批判もあるとは思いますが、何度も検討し考えて出した結論です。
また、この提案は各アーティストもライブハウスも快く了承してくれましたが、Deges Degesの提案ですので、もし批判があれば我々にのみお願いします。
以下に配信ページとカンパの送り先を記載します。

自粛が妥当であることは重々承知ではありますが、我々は我々のやり方でこの危機に立ち向かう所存です。
以下にメンバーの高田風と井上拓己のコメントを記載します。長いですが、詳しい経緯や本決断に対する想いを受け取っていただけたら幸いです。
よろしくお願い致します。

Deges Deges

→ライブ配信ページ 【  3/6(金)  19:00  START  】←

■カンパ送り先:

○Paypal
https://www.paypal.me/futakada

○paypay

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○銀行振込
 三菱UFJ銀行
 下北沢支店(店番127)
 普通  0489727
 タカダフウ

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■井上拓己のコメント
もし決行するならば、バンドとしてそれなりの立場を示さねばならないと思いました。論理的に考えれば考えるほど中止を提言するのが妥当なのは明白だったから。この状況でライブを行うことに対して何の説明もなくしれっと出演はナシだな、と。

みなまで語る必要もないと思うけど、不要不急って、お客さんの目線ではそうかもしれないけど、イベント産業の中で生計を立てている人間からしたら全く、”要”だし”急”の用事で、そらやりきれない思いもあれど、だからって感染拡大の一助になることを肯定できるわけでもない。自分たちのいる小さな音楽の世界はこの天災に似た驚異とそれがもたらす世論に対して為すすべもなく、ただ貝のようにじっと耐え忍ぶしかないように見えました。

バンドで一晩中話し合って、当初、俺は無観客ライブを提案しました。無観客ライブをストリーミング配信し、それに対してカンパを募って集まった金をバンドとライブハウスで分配する。
これなら自分たちの小さな世界を守ることも、世界の現状と世の中の流れに対する回答もできると思いました。調べたら実際に同じような動きで成功している他のミュージシャンもいるようだし。ただ、そういった他のミュージシャンはワンマンライブで、かつそれなりの資本を伴ってこの動きを実現していたのに対し、今日のライブは面識のない対バンライブで、割ける資本も無い。他のバンドと、ライブハウスと、楽しみにしているお客さんと、全員を説得して納得させられるか。もしカンパの額が通常通り観客を入れた場合の売上見込みを下回った場合どう落とし前をつけるのか。ライブ直前にこんな段階の話をしていて実現の望みは正直薄すぎました。

それでも一応は無観客を実現するべく動いてみようと言う話に落ち着きましたが、数時間後、高田風からやはり観客を入れたいと連絡がありました。曰く、

「誰か死ぬかもしれないけど、ここでやらなきゃ俺の中の何かが死ぬ感じもある。という身勝手な作家である自分を捨ててはいけないという感覚もある。」

とのことでした。論理はあって無いようなものだし、世間に対する説明としては全く機能しないエゴの押しつけでしかないけど、やるしかない気がしました。

ライブってのは読んで字のごとく、生なんです。生き物でもあります。それはミュージシャンだけで成り立つものではなく、”会場が一体になって〜”なんて良くある枕の通り、観客と演者の双方向のやりとりがもたらす時間芸術です。そら、俺だって客もいないのにライブなんてやりたくない。てか、ライブ中止したくない。やりたい。これが素直な気持ちで、これを正当化するためになんや変な理屈をこねくり回して自分らの世界を守るだの、世の中への回答だの、そんなん言ってただけで、結局はただライブしたいって想いをどうにか悪者にならずに叶えたいと思ってるだけかもしれないなと感じました。
だって俺自身はコロナなんか罹ったとこで別にどうでもいいしと思ってるんだもの。もちろん、そうなったら自宅を一歩も出るつもりはないけれど。死ぬときゃなんだって死ぬし、って。

ということで、今回のライブを通常通り行うことは完全なる自分たちのワガママであり、エゴであり、人命と世界の損失に繋がる可能性があると知りながらそれを行う、全くの悪行ともとれます。ごめんだけど、俺らにも譲れないものがあるんだ、許してくださいとしか言えない。正論をぶつけられたら、そのとおりだけどやりますごめんなさいとしか言えない。
正直、未だに観客を入れることに対して疑問はあるんだけど、なんつーか、いつも通り高田風のへんな熱に動かされちゃってるって感じです。そしてそれは謎に気持ちいいです。この辺がカリスマっぽいんだろうね。古のロックキッズの例えだと、超絶テクがチョーキング一発で黙らされちゃった感じです。

まあでも、実際にライブの現場に関わる人達が自分らも含めて困窮してるのは事実です。大きなイベントは軒並み飛び、決行されたライブも観客は3割ほど減ってるみたいです。家族とか、自分自身の生活とか、みんなヒイヒイ言ってます。
これを読んでる人の中にも音楽やライブに救われた経験がある方は少なからずいると思います。そんな方々は、お願いします、今度は救ってください。カンパしてください。事態が収束したときにまた平常通り楽しく音楽が鳴らせるように。ウイルスが去ったあとに残るのがライブハウスの廃墟にならないように。どうか、よろしくおねがいします。

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■高田風のコメント
自分は高校生の時に初めて組んだバンドでライブすることを体験してから現在までで15年程経ちました。曲を作って、練習して、ライブするということをずっと繰り返してきました。

ライブハウスというのは沢山あるものでして、都内だけでもとても沢山あります。今ざっと数えてみましたが今までに都内だけで30箇所以上はやりました。

その中でも、実際多くのイベントを組んでもらってる下北沢ベースメントバーというライブハウスは自分にとって、特に親しくさせてもらってる場所だと思っています。

○エピソード
以前、下北沢のガーデン(下北で最も大きいライブハウス)でのワンマンに挑戦した時に、手売りチケットを捌いてメンバー皆んなで頑張ってパンパンにしようとしていました。

当日、ベースメントのスタッフが5人も同時にライブに来てくれました。(5人も同時に来てしまったらその時間お店どうするんだ?という)

正規チケットを買ってくれてです。
それには正直やられました。
ライブハウスだって、ビジネスをしているのだから、どのバンドも応援してるようなそぶりだってしなければいけないこともあるだろうなんて思っていましたが(もしかしたらその考えは俺の性格が悪いかもしれないけど。。)
彼らは本当に応援してくれてるんだなと感じました。

それだけ世話になっているベースメントバー。

現在日本は自粛モードで、イベント業界は大変な時期だと思います。イベント業界だけでなく、飲食店も大変らしいです。自分は音楽コミュニティーの中にいるので、音楽関係の情報が多く入ってきますが、きっとそれぞれの業界で大変な思いをしているでしょう。

そしてベースメントバーだけではなくて、多くのライブハウスの世話になった身です。
微々たる力にしかなれないかもしれないけれど、イベント業界がパワーを失わないために、自分らの発信場所が失われないために何か出来ないかと考えています。
まずは身内から助け合えればとの考えで、今回、ライブを実施することや、動画配信による投げ銭を自分達は提案させてもらいました。

実際ウイルスの影響で来たくても来れないお客さんもいるので、その人達にも少しでも楽しんでもらえたらと思います。

集まったお金は本日出演する演者とライブハウスベースメントバーで平等に分配させてもらいますので、共感してくれた方や配信を楽しんでもらえたらカンパして欲しいです。

また、今回お客さんを入れてライブをすることについてですが、来たいと思う人には来て欲しい。その思いです。心配な人は来ない方が良いし、各々で判断するしかない。

正直、俺らのこの行動によって感染拡大の助長になるかもしれないし、間接的に誰かを殺してしまう結果になるかもしれない。
そうだとしても、現段階では自分が守りたい音楽表現と自分たちの居場所を守ることを優先させてもらおうと考えています。それが自分の本分だと考えています。

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