ズートピアを観た方がいい話。

何書こうかな~~と思いつつ過ごしていたらすっかりnoteを更新していなかった。めんどくさいとかそういう気持ちもなく、シンプルに時間が過ぎていった感じ。その間にも世の中は色々と変わっていって、様々な話題があがっては別の話題にすり替わっていっていた。

少し前に話題となった「 #BLACKLIVESMATTER 」。5月25日に黒人男性が白人の警察官に押さえつけられて死亡した事件から一気に加速した、黒人差別反対のデモのことであるが、これも1ヶ月以上経った今では、少なくとも日本ではあまり聞かれなくなった気がする。そんなもんだよな、というのが正直な感想ではある。焦点が「黒人差別」にあてられているので、我々日本人にはあまり馴染みがない。海外の話だし。奴隷問題の根の深さもほぼ知らんし。しかしそれは「黒人差別」といい規模が大きい話であるからぼやけているだけで、私達は無責任に差別に対してあれこれ言える立場にないと考えている。

「ズートピア」というディズニーのアニメ映画をご存知だろうか。(私の中では)ディズニー最高傑作である。間違いなく、これは全人類が観るべき映画だと思う。

・あらすじ

肉食獣と草食獣が暮らす世界が舞台。小さな田舎町に暮らすウサギのジュディは小さな頃から正義感に溢れ、いつか大都市ズートピアで警察官になりたいと夢見ていた。「警察官は肉食獣がなるもの」「草食動物のウサギは大人しく人参農家になるのがいい」という両親の反対を押し切って、ジュディは「誰でも何にでもなれる街」であるズートピアの警察学校を草食動物初の首席で卒業し警察官となるが、任されるのは雑用ばかり。理由は「”か弱いウサギ”だから」。そんな中詐欺師のキツネ、ニックと出会って大きな事件に巻き込まれていく

というのが大まかなあらすじではあるが、この物語の大きな軸は「人種差別・偏見」である。あらゆる人種を動物に例えているのが特徴で、夢を叶えることへの難しさ、挫折なども分かりやすくギャグなども交えて描かれている。(ちなみに私は役所の職員がナマケモノっていう皮肉の効いたやつが好きです)
「正義感に溢れた」とジュディのことを紹介しているが、実はこのジュディも物語の中で自分の中にある小さいながらも根付いていた差別と偏見によって他者を傷つけてしまうシーンがある。
「自分は他の動物に対して差別なんてしない」と思いながらも、無意識に傷つけてしまってジュディが泣くじゃくるシーンで私は衝撃を受けた。この物語はただ単に大きな人種差別をテーマにした話でも、夢に向かって挫折しながら成長する女の子の話でもない。絶対に私達も持っている小さな差別と偏見に気付かせるための映画なのだ。

正直に言って、「人種差別主義者の考え」を私はよく理解していない。なぜなら、肌の色関係なく善人も悪人もいるだろうし、国籍や血筋が違ったって友達になったりする。多国籍の人を罵倒する人を見ると「何の恨みがあって人種全体を批判できるんだよ」とイライラしてしまう。ましてや私は被差別者(国籍等で差別を受けた経験のある人)でもないため、これらの差別に関しては「NO」という姿勢はあれどあまり言うべきじゃないかな…と思っている。たまに飲み会の席などでちょっとレイシストっぽいのがかっこいいと思って発言しちゃったりもするけど、そのへんは私の未熟さなので改善していかなければならない。この前もちょっと言って場を最悪の空気にしました。本当に心にもないことを言ってすみませんでした。


しかし、人種や国籍などの大きな差別ではなく、小さな差別や偏見だったら、私達の生活に溢れているのではないか。別にマイナスなことでなくても。
例えば、身近でいえばLGBTQ。そのような立場の友人を持つ人なら別の友人に一度は言われたことがあるであろう「え~!面白そう!紹介してよ!!」

絶対するかボケ。

仮に友人がゲイだとすると「ゲイ=ゲイバーの陽気なオカマ」というような、なんだろう、マツコ・デラックスみたいな、なんでもズバズバ言ってくるサバサバしてるのを想像されてしまうのだ。
同性愛者だろうが異性愛者だろうが、様々なタイプの人間がいて生活スタイルがある。それが「同性愛」となった途端にあーだこーだ面白おかしく言われると私は心底腹が立ってしまうし、だからといってやたら擁護したり称賛をするのも違うと思っている。そんな色眼鏡で見てくるような奴には絶対に紹介しない。もちろん悪気がないのは重々承知ではあるが、「(同性愛者を友人に迎えたいから)紹介してよ!!」みたいなニュアンスでこられると心の距離は一気に50000㎞離れる。それはもう猛スピードで。ハリウッド映画のカーチェイスばりの猛スピード。マッドマックス怒りのデスロード。見たことはありません。ていうかこの問題に関してはテレビなどのメディアがコミカルに描きすぎてる部分もおおいにあると思う。どうだろうか。

まぁこれじゃなくても日常に潜む偏見はたくさんある。
「携帯の液晶が割れてる女は尻軽」だとか
「セブンスターを吸う男は前戯をしない」だとか
「マイメロディを好む女はメンヘラ」だとか
「足立区民はメリケンサックを持ち歩いている」などなど
挙げ始めたらキリがないくらいある。偏見とするか傾向とするかはまぁ微妙なところではあるが、本当に無限にこういうのはあると思う。「あ~そっち系の人ね?」みたいな。なんだ「系」って。電車か。

これらの偏見や小さな差別をなくすのは非常に難しい。というよりも、絶対に無理だと私は思っている。
だからこそ、自分の中に潜む小さな差別や偏見を理解し、向き合っていかなければ大きい問題だって解決には向かない。私もその一人ではあるけれど、差別に対してあまりにも疎い人間が多いのではないか。疎いから、平気で差別や偏見をどこかで繰り返している。

私は「すべての正義は疑ってかかるべき」であると思っている。自分の中の正義を信仰するあまりに他者を攻撃してしまうようなことは絶対避けたい。一度何を発信するにもまずは自分自身に「それが最適か?」というのを問うべきだと思っている。まぁそんなことは常に意識してないとできないことだけど、それほどまでに人間の行動と発言は自身から手を離す(他者の受け取り方で変わる)という点において非常に繊細なものなのだ。きっと。
それを私に気付かせてくれたズートピアはやはり超大作である。初めて観たときは26?27?そのあたりの歳だった記憶だが、その歳になるまで自分の中の差別と偏見に向き合おうとしなかったのが本当に恥ずかしくなったのを覚えている。
ぜひみなさんも観てみてください。あとニックが超~~~~かっこいい!!!!なにあのキツネ!!!!観たら惚れる。でもニックに惚れる女って沼にハマりやすいタイプだと思う。あ、やばい。すでにこれも偏見だ。ほら。こういうところで出てくる。すぐ出る。すぐ言う~~~っっ!!!!

こんな稚拙な文章をここまで読んでくれた人、本当にありがとう。最後にひとつだけ。

家のハンドソープがAesoapの男は100%Tinderをやってる。

ここまで読んでくれてありがとうございました。さようなら。


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