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DRL(デイライト)の普及を願う件

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DRL= Daytime Running Light、
自動車走行時に於ける前照灯の常時点灯です。
デイライトと表記されることもあります。
昼夜に関わらず、エンジンが稼働している状況下で常にヘッドライトが点灯していて、夕暮れや暗いトンネル内でも対向車から視認されやすいメリットがあります。省電力で高輝度のLEDの普及により、装着車が増えています。

最近では、Audi・BMW・Volkswagenといったドイツ車を始め、VOLVO・Jaguar・Peugeot等の欧州車全般でよく見掛けるようになってきました。
国産車でも LEXUSを含む TOYOTAや HONDAが先鞭を付け、高級車から順に設定車種が増えてきたようで、軽自動車の一部車種でも見るようになってきました。

BMWDRL例(PLUG concept)

DRLは欧州(EU)にて2011年に義務化されました。
日本では、バイク(自動二輪車)で 1998年にヘッドライトの常時点灯が義務化され、またタクシー等の業務用車両でも自主的に『昼間ライトオン』運動を励行してきましたが、四輪自動車の常時点灯については 2016年に『認可』という形となりました。
つまり、『DRLにしたいならしてもええよ』という立場です。

その後、2020年4月以降の新型車から保安基準の改正により『オートライト』が義務化されました(継続生産車種では2021年10月から)。
オートライトは、周りが暗くなったらヘッドライトのロービームが自動的に点灯する仕組みです。今後は、車両の買い替えが進むごとに街中を走る車両の『オートライト』設定比率が高まっていきます(尤も、景気低迷を受けて車両買替えレンジは年々伸びていますので、比率はなかなか上がらないと思われますが…)。

ただ、『オートライト』の問題は、運転手の好みによりスイッチ1つで『オート』機能を OFFにできる事です。多くの車種では、レバーの先っぽを少し回すだけでオートライトを OFFにできます。そして一度 OFFにしてしまえば、積極的に思い出さない限りはトンネルに入っても OFFのまま走り続けることになります。
DRLの場合、大抵はデフォルトで ON設定されていますので、OBD(On Board Diagnostics)等を通してプログラムを書き換えてやらないと、簡単にOFFにはなりません。

さて、そのDRLの日本への導入は欧州から5年遅れて2016年に解禁されたわけですが、実は欧州から2011年以降に輸入された新車については、DRL機能がデフォルトで搭載されています。2016年の解禁前には、日本の輸入代理店がその機能を OFFに書き換えて輸入認可を取っていました。非常に下衆な表現で恐縮ですが、手術によって生来の機能を失わせる“去勢”にも似た改造作業です。
それが2016年に合法化されると、輸入代理店ではそうした“去勢”作業なしに照度や照射角の調整だけで輸入販売できるようになりました。

では、それまでに販売された2011年以降の輸入車はどうしたらよいか?
これはメーカー(の日本法人)によって対応が分かれるわけですが…
●Audi・Volkswagenについては、標準装備化以前に販売した車両のDRL化には一切対応しない。個人によるプログラムの書換え等は、保証の対象外となる。
●BMWは、該当車両について有償でDRLの有効化に応じる。ただし一度有効化した車両は無効には戻せない。
といった状況のようです(私が確認した限りの情報で、メルセデスその他の輸入車については情報を持ち合わせていません…)。

私の愛車である VW Tiguanはといえば、2017年製ですがDRL機能が無効のモデルでした。個人的にどうしてもDRL仕様にしたくて、サードパーティーから市販されている OBDタイプのプログラム書き換えツールを購入し、自己責任でDRL車としています。
念の為、正規ディーラー入庫時にはDRL機能を OFFにしていますが、現時点では『保証対象外』とか『入庫お断り』と言われたことはありません。

PLUG concept

そもそも、トンネル内や夕暮れ時にヘッドライトも点けずに高速で走行するドライバーを、私は軽蔑しています。
昔に比べて無灯火運転が増えている理由の1つは、最近のトンネル内は明るく、また都心の幹線なら夜でさえ明るく照らされていること。もう1つは、メーターパネルの照明が鮮明になって速度計等が光っているので無灯火に気付きにくいことかと思います。自発光式メーターは、1989年の初代セルシオに搭載されたオプティトロンメーターがその第一号かと記憶しています。
トンネル内を無灯火で黒系ボディの車両が走っていると、凶器にしか見えません。

1990年頃、初代セルシオのオプティトロンメーター


昨今、既に輸入車についてはDRLは車両デザインの一部であり、モデルの個性を出す為に点灯時の顔つきを計算し尽くして設計されています。即ち、常時DRLが点灯することで全体のデザインが完成します(Audi社広報)。
今後、DRLの義務化と言わないまでも、DRLかオートライトの普及が進み、暗闇を無灯火で走り抜ける車両が撲滅されることを熱望しています。

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