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『新宿中村屋』の中華まんが好きな関西人について語る件

曜日ごとのネタ、金曜日はグルメ関連のお喋りを

物心ついた頃から、『新宿中村屋の中華まん』が大好物です。
産まれも育ちも京都市で(洛外の伏見区ですので意地の悪い都人からは京都市に認めてもらえませんが)、10歳頃までは母親に連れられて四条河原町の高島屋に買い物に行くのが特別なイベントで、デパ地下という言葉がまだなかった時代に高島屋の地下食品売場で『新宿中村屋』の冷凍中華まんを買ってもらうのが楽しみでした。

当時から、『センタン』や『グリコ』の中華まんはありましたが、我が家は贅沢にも専ら『新宿中村屋』でした。大人になってコンビニで『ヤマザキ』や『井村屋』も食べるようになりましたが、やはり『三つ子の魂』でもある『新宿中村屋』の味は忘れられず…。
転勤族となり京都を離れてからは、新潟・福岡・長崎では入手できず、広島在勤時に駅前の福屋(FUKUYA)デパートでようやく見つけた時は歓喜したものです。

そんな『新宿中村屋』の中華まんを、名古屋市内のローカルスーパーで見つけてしまいました!
迷わず『肉まん』と『あんまん』を1袋ずつ購入。部屋に持ち帰って気付いたのですが、単身生活で『蒸し器』を持っていません。ところが買ってきた商品をよく見ると、昔と違って個装されていて、袋のままレンチンで温められるんですね。これは助かります!

前置きが随分長くなりました。
新宿中村屋の肉まん』と書きましたが、小さな頃から親に教えられたのは、『これは肉まんではなく豚まんだ!』ということ(笑)
具材は明らかに豚肉ミンチですので、両親は関西人としてこれを『肉まん』と称することは絶対に許しませんでした。有名な『551の蓬莱』は『豚まん』ですし、昭和の頃にTVで流れていた『センタン』のCMでも『♪ほかほか豚まん、センターンの豚まん、あ~んまん』と歌っていました(そのCMは関西限定だったと今知りました)。

そう、多くの関西人にとって『お肉』といえば『牛肉』を指すので、豚ミンチで作ったものを『肉まん』とは認められないわけです。あくまで『豚まん』やと。
関西地方が『牛肉文化』であることは『秘密のケンミンショー』でも何度も採り上げられるくらい有名なネタですが、カレーも肉じゃがも、当たり前のように牛肉で育ってきました。
全国あちこち転勤してきましたので、『関西の家庭は裕福なの?』と馬鹿げた質問も受けましたが、何も日常的に銘柄黒毛和牛を食しているわけではありませんし、スーパーではグラム@300円以下のアメリカンビーフオージービーフが山積みされています。
牛肉自体が贅沢品なのではなく、『黒毛和牛』等が贅沢品という認識です。

因みに関西で牛食が根付いたのは、明治維新~文明開化時代に欧米人の牛食文化(牛鍋等)を富裕層が取り入れたことから。また関東で豚食が根付いたのは、大戦後の食糧難を救う為に雑食性で繁殖力も強く肥育期間の短い豚の養殖が広まったことが要因と言われていますね。

いずれにせよ大好きな『新宿中村屋の肉まん』ですが、その名称だけは許し難い!というわけです。尤も、新宿=関東圏代表でもありますので、クレームつけても仕方ありませんが。


そんな『新宿中村屋』の中華まんですが、『関東文化やなぁ』と感じることがもう一点あります。
肉まん』の相方の『あんまん』の中身が『こし餡』なのです。
先ほどの『西の牛肉、東の豚肉』論でいうと、『西の粒餡、東のこし餡』と言われており、関東圏代表の『新宿中村屋』ではこし餡を使っているわけです。
これは、京都人しては甚だ勝手ではありますが、私個人的に粒餡よりもこし餡が好きなので、非常に助かっています。というか、幼少の頃から『新宿中村屋のあんまん』で育ったので、舌がこし餡党になったのかもしれません(笑)

静岡新聞 '22/1/16

この春で、名古屋暮しもまる6年になります。
愛知県を中心とする東海地方は東西文化の融合点でもあり、ものによって東派と西派と独自文化の3者が混在しているというのが、私の持論です。
アホ』と『バカ』に対する『たわけ』、『出汁』か『醤油』かに対する『味噌』、『うどん』か『蕎麦』かに対する『きしめん』等々。
ここは是非、機会を作ってもう少し掘り下げたい!

あ、肉じゃがが牛肉か豚肉かの境界線、すき焼きは牛脂からか割下からかの境界線、鰻の蒲焼の背開きと腹開きの境界線、マクドとマックの境界線等も、書き始めたらキリがありませんね。
今日はこの辺で…

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