【ザンリーグ観戦記】手牌構想が見事にハマる強者たち【企業リーグ2023グループB#16】
文:億尾ほうこ
グループBも後半戦に突入
前半終わって上記のスコア
ボーダーの上下でくっきり分かれている状況です
残り15戦ではありますが、各チームに許された対局は残り9回
以外と回数は少ないです
とはいえ、一戦で20枚は平気で動くこのルール
ここからではどのチームがどの順位に落ち着くか全くわかりません
ポイントの上積みを狙いたい上位陣
健康麻雀にまめからはマスター選手
門前派の麻雀でどっしりとした攻め手が特徴
入場もゆったりと落ち着いています
カジノ部からはヨーテル選手
ヨーテル選手は副露も積極的な速度重視の攻め手
入場も流れるようです
そして、現状の4位からなるべく早く脱却したいALTAIR JAPANからは平澤元気選手
後半の開幕戦、西家に座ります
守備の光る平澤選手ですが、タイプの異なる二つの攻撃を往なすことができるでしょうか
それでは闘牌の開始です
三者激突
東一局、先制したのはヨーテル選手
ここまでは手なりで簡単に聴牌しましたが、ここの待ち取りは難しいところです
🀙切っての🀚🀝ノベタンはドラ赤🀝でアガれるようになるため打点の魅力が大きいです
ただ、🀚🀝待ちは🀚がドラ表で見えていることもあり枚数が最大5枚でなかなか打たれることのない待ちです
そして🀝切っての🀙🀜は最大6枚でアガリ率こそ🀚🀝に勝りますが、赤🀝を切らなければなりません
ヨーテル選手は赤🀝切り立直を選択
打点よりも和了を優先していくのがカジノ部スタイル
赤🀝を切ったとて表ドラ🀛と赤🀔と花牌で既に満貫は確保されています
満貫確定で和了率に大差ありとみればこちらの選択の方が優位ですね
この立直に対して、平澤選手が動きます
親番マスター選手がちょい押しした🀂を鳴いてのポンテン
🀔は両無筋の牌でこそありますが、自身の待ちが🀚🀝の両面待ちとあらば勝機十分
赤は切るものの表2花1で打点も満貫保証です
ヨーテル選手と平澤選手のめくりあいが始まります
これには親番マスター選手もたまらず平澤選手の切った🀔に合わせうちしてベタオリ
と思いきや、ちゃんと見るとこの手は聴牌していますね
筒子が123+455667+79で嵌🀠待ちになっています
リーチせずにダマテンとしました
一通があるのでダマでもアガることができますし、待ちは1枚切られており残り最大3枚待ちでいいとは言えません
ダマテンであればまず間違いなく平澤選手が切ってくれそうな🀠ですが、親との二軒立直に挟まれるとオリられてしまうことも考えられます
拾えそうな跳満を逃さない構えです
とはいえ、立直しても副露した平澤選手が切ってくれることもありそう
リーチもありに見えますが、これをダマにしたいはっきりとした理由がまだあります
それが以下の手替わり
🀜を引いて🀜🀟🀓待ちでリーチ
枚数が見た目6枚と倍増しています
それだけではなく、ヨーテル選手に対して危険な🀜を切ることなく手元で使っての聴牌です
またこの聴牌形からなら🀜🀟はアガリなので切り出していくことはありません
実際にこの🀜はヨーテル選手のあたり牌
しっかり止めて立直で反撃です
そもそもマスター選手が聴牌した時の手は以下
🀙🀚🀛🀜🀝🀝🀞🀞🀟🀟🀡🀓🀓
🀙🀜🀟,🀛🀞,🀓で好形変化します
このうち🀙🀜🀟🀛🀞の5種全てがヨーテル選手に対する危険牌でした
筒子の危険牌を吸収しての好形変化をしっかり待っていたことが伝わります
マスター選手のこの手順のリーチが見事に成就
リーチ一盃口表1赤2花1裏2で倍満2枚のロンアガリ
親倍満で大きな加点とリードを手にします
打点寄せと場況寄せ
先ほどは放銃に回ったヨーテル選手
失点を取り返したいところです
しかし4巡目にして手牌は真っ黒
赤ドラがないだけではなく花もありません
浮いている表ドラ🀁は残してここから打🀒とします
🀒からの好形ロスは痛手にこそなりますが、この手はよく見ると筒子で一応4ブロック作ることができています
🀒からの好形変化も追いたいところですが、それよりもドラ🀁を重ねての打点上昇の方がこの打点皆無の手牌ではかなり重要です
また、筒子が急に重なれば清一色にまで行くことができます
この構想が見事でした
🀞を引いて一旦ドラの🀁を手放し
🀙を重ねて索子を払って一気に清一色へ寄せていきます
このヨーテル選手の手順を見逃さなかったのが西家の平澤選手
ヨーテル選手の🀒🀁の切り順から、手牌を守備的に構えます
🀏と🀄の守備駒ふたつを残して打🀡として筒子を逃がします
🀟のロスは痛いですが、ヨーテル選手もマスター選手も索子を切っていることから、🀒🀖と索子の嵌張2種を埋めての索子3面子も現実的であるという判断でしょう
場況と間合を受けての選択です
これの🀡切りがどう出るか
ヨーテル選手が🀡に食いつき、清一色の一向聴
三麻とは思えぬほどドラが皆無の手牌ですが、清一色ならば満貫になります
しかし、ヨーテル選手の清一色に先んじたのは守備的に手狭に構えていた筈の平澤選手でした
狙い通りの嵌🀖を引き入れて嵌🀒待ち
平澤選手はこれを立直としました
タンヤオで役はありますが、この手はリーチしないとタンヤオ赤2で4000点止まり
ザンルールには符計算がないので5200にはなりません
アガリやすさよりも4000から満貫への打点上昇をより重く見ました
自分の目から🀓3枚見えているので、押してくる東家が使いにくく切ってくれることも考えられますし、🀖🀕落としで筒子の清一色に移行してそうな南家も結構押してくれそうな🀒です
リーチしてもアガれそうですね
この嵌🀒をしっかりとツモアガリ
なんと裏ドラも乗せてリーチツモ断么赤2裏1で跳満1枚のツモアガリです
守備的に構えた5巡目の段階から狙いすましていた索子の嵌張を見事引き切りました
実質ダブルバック
裏2に放銃し、裏1をツモられたヨーテル選手
不幸を一身に背負っていますが、嘆いてばかりもいられません
どうしても連荘して点を回復したいヨーテル選手でしたが、7巡目まで進んでもまだまだ手牌は二向聴
このままではまずいと、🀠ポンから仕掛け出します
この🀠ポンによって二度受け🀟の愚形を解消しつつ一向聴に取ります
🀄という役牌バックであると同時に、索子が伸びれば断么にも移行できます
チーができないため四麻ほど鳴き手順が強くないとはいえ、🀄ポン前提の3対子形かつ二度受け辺張という愚形を解消できるならば、この鳴きによる速度アップは相当なものでしょう
そして、ヨーテル選手が解消したこの🀟受け
実は平澤選手に暗刻になっていましたので、ここの🀟受けを一つ減らしておいたのは結果的に大正解です
なんなら
平澤選手は4枚目の🀟を持ってきて暗槓
1人で表ドラをがめていきます
この暗槓を見たヨーテル選手
引いてきた🀞をキープして打🀗とします
ここで索子を切るとタンヤオルートがかなりなくなります
ただ、🀟がなくなったことで🀝🀞の辺🀟を固定するのにも抵抗がありますね
平澤選手は🀠切ってからの🀟暗槓なので🀞を持っていないことが濃厚です
(🀞🀟🀟🀟🀠から🀠切るのは🀝🀞🀟🀟🀟の形くらい。更に🀟持ってきて暗槓するとなると🀜🀝🀞🀟🀟🀟。聴牌なら🀠切りも妥当ですが聴牌ではないとすると🀞は持っていなさそう)
ドラ表で残り最大1枚しかない🀞受けを増やすというより、🀛をポンした時の雀頭を確保するための🀞残しといったところでしょう
さて、ドラ🀟を暗槓している平澤選手
🀕と🀜のくっつきというとても広い一向聴でした
無事くっつき聴牌
ただ、形はかなりよろしくありません
🀕切っての🀓🀜双碰か🀐切っての嵌🀔か
どちらも決して良い待ちとはいえません
リーチするのか、取りダマにするのか、外すのか
聴牌に取るならどの待ちにするのか
平澤選手の選択は
🀐切っての嵌🀔リーチ
全く他家手牌に関する強力な情報が取れていないからこそ、和了した時の打点が高い方を選びました
これが見事に正解
嵌🀔をツモりあげます
リーチツモ赤1表4花1で倍満のツモアガリです
嵌張を信用する
攻め手を緩めない平澤選手の親番、東三局
平澤選手の手牌は嵌張だらけになっています
🀞引いて一つ埋まりましたが、まだ穴ぼこだらけ
ここから何を考え何をきるべきでしょうか
まずは自分の手牌の形から整理しましょう
ざっくり分解すると
🀐🀑🀒+🀓🀕🀗🀗+🀙🀙🀛🀝+🀝🀞🀟
つまり索子の4688と筒子の1135から1枚はずしていくことになります
それぞれが両嵌+対子の複合形になっていますね
🀗を切ると索子の🀔🀖両嵌+🀙雀頭+嵌🀜
🀙を切ると筒子の🀚🀜両嵌+🀗雀頭+嵌🀔
🀓を切ると索子の🀕🀗🀗嵌張対子+🀙対子+嵌🀜
🀝を切ると筒子の🀙🀙🀛嵌張対子+🀗対子+嵌🀔
つまり、切らなかった方の色の嵌張が固定されることになります
では、次に河に目を向けてみましょう
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