【ザンリーグ観戦記】地獄の牌にて君を待つ【企業リーグ2023グループA#8】
文:億尾ほうこ
社長に直談判をして企業リーグに乗り込んできたドラゴン細井の松本選手
きっと自分の力に相当自信があるのでしょうが、前の試合では社長二人に挟まれてのトビラス
実力を感じる打牌こそ随所にあるものの結果が伴っていません
登板はこれで3戦目
この半荘の結果によってはその立場も危うくなるのでは?
なんとしてもトップを持って帰りたいところ
しかし、今回の松本選手の相手はかなり厳しい面子となっています
令和の虎よりめがねくん選手
入場時の虎ポーズからもやる気十分
攻守の切り替えがはっきりしており、安定感があります
西家は予想屋マスターよりピンフちゃん選手
現在2戦2勝と連勝しており絶好調です
この勢いは止められないか?
実戦派の3人があつまりました
闘牌の開始です
地獄の牌
東一局、チャンス手を貰ったのは南家のめがねくん選手
2巡目にしてこの一向聴
🀆が暗刻で、索子で2面子1対子
🀄を重ねることができれば混一の聴牌になります
しかし、めがねくん選手は打🀄として混一には受けませんでした
混一にせずともこの手は白と赤で最低限の打点は確保されており、🀜は赤🀝、🀠はドラ🀟を受け入れられるため筒子を使っても満貫はだいたい確保できます
打点が十分ならば、🀄を引いての双碰待ちルートよりも🀛🀝🀟引いての両面ルートの方が和了率で考えても優秀ですね
うまくバランスを取っていきます
この選択が成功し、4巡目に先制リーチ
🀜に🀝がくっついて🀛🀞の両面待ちです
この立直を受けた親番松本選手
生牌の🀂を掴みますが、これをツモ切りとして押していきます
浮いている🀗は現物なので🀗を切る選択もありますが、花牌の無い子のリーチはこの手格好からは無視でいいでしょう
🀗を残しておくことで無筋の🀘を手の内で使っての迂回も可能になりますし、どうせ切っていく🀂なのですから花牌を抜かれる前に切ってしまった方が放銃になった時の傷も浅くて済みます
ワンチャンスの🀐、字牌の🀀とちょい押ししたところで索子の両面が埋まっての一向聴
🀟が現物ですが、ここでも安易に現物を切るのではなく打🀚として目いっぱいに構えます
🀚は🀝の筋で比較的切りやすいだけでなく、🀟を残しておくことで危険牌の🀞を使い切っての聴牌が可能です
めがねくん選手がなかなかアガれない中、3段目の終わりに差し掛かったところ
松本選手は🀙を引いて聴牌
現物の🀝を切ると🀞待ち、現物🀟を切ると🀝🀡待ち、🀡を切ると🀠待ちです
見た目枚数は🀝1枚、🀞3枚、🀠1枚、🀡1枚です
松本選手の選択は
打🀡として見た目枚数が最も少ない残り1枚の🀠待ちにとりました
河に三枚切られている、所謂「地獄待ち」です
これは素晴らしい待ち取りです
自分の目から🀟4枚🀠3枚🀡3枚見えているので、誰も🀠🀡を使うことができません
そして、オリているピンフちゃん選手は現物である🀠を切っていません
ピンフちゃん選手視点では🀡は無筋なので🀡を止めていることは大いに考えられますが、手牌に使えない現物の🀠を手に持ったままであることは考えにくいです
つまり、この🀠は確実に山に1枚生きていると言えます
当然山にいたこの🀠
めがねくん選手が一発で掴みます
リーチ一発赤3表1花1裏1で倍満2枚のアガリとなりました
一発裏のチップは、この正確な待ち取りのご褒美と言えるでしょう
そして、めがねくん選手にとっては文字通り地獄の牌となりました
么九対子×3
連荘の松本選手、手牌が6ブロックになっています
🀁🀃🀘と3対子形で、🀃は役牌なので鳴いていけるものの🀁と🀘は役なしリスクがあり鳴きにくい牌
🀠🀡の辺張搭子も残っています
🀜を浮き牌として🀘切って混一も睨んだ一旦5ブロックに構えるか、🀙切って6ブロック維持か
松本選手の選択は打🀙
索子の両面を外すことはないので、形に素直に6ブロックを維持します
6ブロックのメリットは場や手の進行を見てからどの愚形を払うか決められることです
場が動き出したのは、めがねくん選手のポンでした
三麻をやっていれば親倍放銃なんてよくある話
🀄をしっかり仕掛けて混一の二向聴
反撃を狙います
ここに松本選手も🀃をポン
辺張を払って一向聴
先ほどはリーチでぶつかった二人が役牌ポンでぶつかっていく恰好です
軍配は松本選手にあがります
北赤1の2000オール
打点は安いですが、めがねくん選手の混一を潰してさらなる連荘権を手にします
筒子マグマ
仕掛けてつかみ取った二本場
松本選手の配牌がえらいことになっています
筒子の偶数牌がずらり
偶数牌のみの対々和は中国麻将では全双刻といって24点役です
今回は🀆が対子であるので全双刻にはなりません
そもそもザンルールにそんな役はありません
それでも混一対々でかなり強力ですし、小車輪(混一七対子)だって狙えます
この手は対々になるのか七対子になるのか見守っていると
四暗刻の一向聴にまで一気に手牌が成長します
🀆🀞🀃ツモで四暗刻聴牌
また、一応🀚🀜🀠ツモでは4枚使いで小車輪の聴牌となります
どちらにせよとてつもない大物手です
巡目も早いので四暗刻を狙っていくのかとも思いましたが、松本選手は現実的に🀃のポンテン
役満に囚われてのアガり逃しは罪
混一対々ドラ4で最低でも倍満あります十分ですね
これをあっさりツモアガリ
混一対々三暗刻花2表2の倍満です
これにて東場の3局だけで10万点越えの大トップ目に立ちます
不撓不屈のモロヒ
松本選手の勢いは止まりません
4巡目に以下の二向聴
筒子で1面子+両嵌、索子で両面2つ
雀頭には🀆を備えています
赤🀔が浮いている形ですが、索子の上下両側に両面があるため、🀓か🀕のどちらかを引いてきさえすれば使える牌です
浮いている🀀を切って目いっぱいに構えるかと思いきや、松本選手は打🀔とします
打点を捨てて攻撃の手を緩めたように映りそうですが、実はこの🀔切りの方がより攻撃的な一打です
なぜなら
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