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【ザンリーグ観戦記】対子の処理が命運を分ける。警察逮捕の瞬間【企業リーグ2023セミファイナル#1】

文:億尾ほうこ

企業リーグもレギュラーシーズンが終わりセミファイナルが開幕

全10チームから生き残ったのは以下の6チーム

レギュラーシーズンのポイントを半分持ち越してのセミファイナルです

1位と6位の差がチップ10枚と着順一つで入れ替わってしまうくらいの大接戦


東家:新川綾乃(Suneight)
南家:coco(予想屋マスター)
西家:麻雀警察ひろー(健康麻雀にまめ)


自身で雀荘を経営しており麻雀を生業としているひろー選手に対して、本業大学生の新川選手と本業占い師のcoco選手

解説の高田まさひろ会長曰く「麻雀警察が一つ抜けてるかな」とのこと
実際、レギュラーシーズンでは新川選手もcoco選手も不安な打牌が目立っていました

しかし、これはセミファイナルでレギュラーシーズンの収録から4か月ほど経過しています

三日合わざれば刮目して見よとも言われます
況や四月をば

一体どんな対局になるのでしょうか





開局、強者の余裕を見せるのは麻雀警察ひろー選手

🀖を引いて手が進んでの選択

好形指向のプレイヤーであれば辺張を外すこともあるでしょう
索子を🀕🀖🀗+🀔🀕🀖🀗と見ると、索子の4連形であることがわかります
南家の🀘切りから索子のくっつきに期待ができますし、🀀が刻子になった際に索子が連続形だと雀頭が作りやすいです

ひろー選手はシンプルに打🀗で🀙🀚辺張と🀝🀟🀡両嵌の一向聴に取ります

もっとも自然に手を進めます


この狙い通り

🀠を引いて先制聴牌

しかし、ここで🀝を切って立直とは行かずに打🀚として聴牌を外します

🀝のくっつきとして聴牌を組みなおす構え

🀝を残すことで🀜🀝🀞引きでのより強力な聴牌にできますし、裏目🀛すら赤🀝を使えるということで許容できます

この聴牌外しが緩手にならなければ良いのですが、そこはさすがのひろー選手

見事ドラ🀞を引き入れての両面立直
先制聴牌では捉えられなかった🀝🀞を使って、ドラ2枚分お得な好形立直と最高形に仕上げます

これに飛び込むのが親番新川選手

ひろー選手のツモ切りした🀚をポンして聴牌に取るのですが、この🀜が捕まります

リーチ表1赤2花1で満貫のロンアガリ

親も蹴って満貫のアガリでセミファイナルの滑り出しは上々

放銃した新川選手、くやしそう


悔しがっているばかりではいられない新川選手

東二局では先制リーチ
🀕🀘待ちの両面です

しかし、これを潰しにかかるのがひろー選手

両面よりも強力な🀑🀔🀗待ちの三面張で追っかけ立直


二局続けて新川選手とひろー選手がバチバチにぶつかります

宣言牌の打牌もバチバチ言ってます

このめくりあいの勝者は

新川選手でした
リーチ赤1表1花1で満貫のロンアガリ

リーチ棒のオマケつきで取り返します

放銃したひろー選手、これまたくやしそう



放銃したひろー選手に追い打ちをかけるように、新川選手が先制聴牌

🀠切っての嵌🀓待ち

索子の4連形で🀑🀕🀖🀘による好形変化があるのでダマにする手もありますが、手替わり4種程度ならと先制リーチ
また、白が場に2切れで白ぽっちがまだ見えていません
白ぽっちが山にいることが濃厚なのであれば、リーチとダマとの境界線上のようなこの手は、一気に立直に傾きます

白ぽっちがあることを知っているのはリーチを受けたひろー選手も同じ

嵌🀚の愚形待ちですが積極的に追っかけ立直

めくりあいが続く中、強く盲牌して持ってきた牌は

自身のアガリの🀚

力強いツモアガリ

これだけに留まらず

裏ドラ表示は🀘と🀓
これにより裏ドラがなんと4枚も乗りました

リーチツモ赤3裏4で倍満4枚のツモアガリ
花牌もない満貫のリーチが、倍満4枚まで大昇格

裏4乗せたらこの表情


やはり強い
警察の名は伊達じゃありません


次局一本場も

リーチツモ赤4表4で倍満のツモアガリ

2連続の倍満で点数でもチップでも大きく突き抜けます


二本場はcoco選手が仕掛けてのロンアガリ

レギュラーシーズンでは打牌にいちいち怯えていたcoco選手ですが、セミファイナルではポンの動作もスムーズで堂々と打てています

続く南一局でも先制立直

ラス目の親番、新川選手を追い詰めにかかります

なんとか跳ね返したい新川選手

ここから打🀒

🀑🀔のドラ引いた場合は勝負にいこうという打牌と見られますが、🀚🀒の受入れが減る分、🀙切りに勝る点がいまひとつ見当たりません

この一打が致命傷になりかねない場面でしたが

🀔引いて両面待ちの追っかけ立直で反撃

🀝を一発ツモして挙句に裏ドラを2枚乗せました

リーチ一発ツモ赤2花2裏2で倍満3枚のツモアガリ
親倍満で一気に浮上し、ここから怒涛の大連荘

一気にトップ目まで浮上します


大きく点数を削られてしまったひろー選手

反撃できそうな良い手が入ります

索子がとても良い形で、筒子の🀚を切るか🀡を切るかの選択

ひろー選手は打🀚として嵌🀠の受けを残します

受入れ枚数は変わらないのですが、🀒🀕🀓🀖引きによって索子で雀頭が出来た聴牌では、🀛待ちか🀠待ちかで大きな差になります
3より8待ちの方が良いですね
いい嵌張選択でした

しかし、麻雀というものはいい選択をしても報われないことがあるもの

裏目の🀛を引いてきてしまいます

しかし、裏目に動揺せずここでは冷静に打🀡

フリテン残りでこそありますが、🀚🀝🀠引きなら問題ありませんし、🀛🀜🀞🀟引きでも筒子で雀頭ができて索子両面でリーチが打てるので、筒子どれを引いても索子の好形立直が打てます
また、索子を引いてしまったとしてもノベタン立直による振聴回避をする術も残ります

冷静に最善手を打ち続けます

そして🀗を引き入れて

🀟切っての🀛🀞待ちで先制リーチ

ただ、この時ひろー選手に隠れたミスが生まれていました

対局室のマイクが「フリテンってオープンですよね」という質問の声を拾っていました
これは他家にとって大きなヒントになってしまいます

この情報を活用したのが親番新川選手

🀛を一発で掴んでしまっていたのですが、ここは打🀂

親番で一向聴ということで🀛くらい押したい場面でもありますが、打点が無いことここで放銃すると一発がつくことから、押し引きは微妙なラインか

この難しい場面で先ほどのひろー選手の発言を踏まえると、ここはオリになるでしょう
フリテン受けが残っている手牌からの打🀟立直となると、34567の258待ちを捨てて7切って36待ちはかなり本命に見えてきます

素晴らしいビタ止めとなりました

この間隙を縫って

coco選手が立直ツモ平和赤3表1花1で倍満のツモアガリを決めていきます

ダブドラの赤🀝を真っすぐ押しての気持ちの良い立直

三人が激しく衝突して非常に見応えのある対局


ここから逆転を狙うcoco選手でしたが、南二局はひろー選手が満貫のツモアガリ

勝負はオーラスへ

東家ひろー選手 59000
南家新川選手 59000
西家coco選手 32000

2人が同点でアガリ競争

南家新川選手が2巡目にしてこの手牌

ここから何を切るか

選択肢としては🀚🀜🀟🀘あたりでしょう

🀚か🀜を切るのが自然な5ブロックに受ける一打ですね

新川選手の選択は打🀚
打🀜と比較した打🀚のメリットは

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