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【ザンリーグ観戦記】その目はまっすぐトップを見据えて【企業リーグ2023グループA#10】

文:億尾ほうこ

グループAは10戦目を迎えようといったところで、既に大きく差が開いています

実力が不安視されていたNEW GENERATION GROUPでしたが、1トップでプラス圏まで復帰できる位置で耐え忍んでいます
対照的に下馬評は高かったSuneightが3位ボーダーから80枚以上離された最下位に

第10回戦は下位2チームがぶつかります


上位集団に戻っていきたいNEW GENERATION GROUPからは桑田龍征選手

啖呵を切っての入場
社長自ら復権を狙います


もう後がないSuneightからわき選手

ここでも負けるようだと最早どん底
真剣な面持ちでの入場です


さて、下位2チームの今後を占うかのようなこの1戦
3人目は予想屋マスターよりcoco選手

試合から今後の展開を占うことはできるのでしょうか


闘牌の開始です




浮き牌を違えようとも


東一局はわき選手の跳満に放銃してしまったcoco選手

回ってきた親番ではチャンス手を貰います
面子が完成する🀒を引いてきて2巡目にして一向聴

ここから打🀗

🀡を残しての進行としましたが、🀡より🀗の方が残しておいた方が得なことが多いです
🀖引きによる両面と🀘引きのドラ辺張とのどちらのくっつきであっても、🀙🀚の辺張と搭子を振り替えることができます
🀙🀚の辺張はあまり強くありませんからね

それでもドラ表示の🀗と端牌の🀡では安全度に差があるため、安全度優先の🀡残しとしました

そんな小さな差をすぐになかったことにする🀝引き聴牌

🀡を切って3巡目にして🀛待ちの先制リーチです


これに立ち向かうのが西家の桑田選手

ドラが暗刻のチャンス手です
一向聴になって🀞プッシュ

現物🀡でオリることはできますが、通っていない牌が多すぎるのでこれくらいはGO

しかし押すと決めた場合、試練は次々と訪れます

持ってきたのは無筋🀓

🀐が通って片筋になったので🀓を押すかと思いきや、ここから打🀖とします

coco選手のリーチが🀗🀡の切り順であり、🀗周辺の愚形の可能性が低くなっています
また、🀘が自分の目から3枚見えなので🀗切っての辺🀖固定の場合も少ないとすると、確かに🀓より🀖の方が安全です

それでも、単純に自分のチャンス手で🀗の受入れがなくなるのは痛手です

この🀗受入れを拒否する理由としては、打🀕をする気がないということが考えられます
🀕を切る気がないのであれば🀗引いても意味がありませんね
この拒否した受入れである🀗が現物なのも良いポイントです
🀕そのものの危険度が高いと考えられると同時に、三暗刻のような形ではないとアガりたくないという気持ちの表れかもしれません

次巡見事に裏目となる🀗を引きます

それでも素知らぬ様子でツモ切り

欲しいのは🀗ではない

欲しいのは

🀕だ!

狙い通り🀕を暗刻にしたことでツモり三暗刻の形となりました

🀡が既に2枚打たれており残りのアガリ牌は🀄の2枚だけと、かなり待ちは弱いのです
そうであっても打点十分
強気に勝負に出ます

二軒立直のめくり合いは

coco選手の勝利
リーチ赤2花1で満貫のロンアガリです

東一局の失点を取り戻しました


リーチに挟まれようとも


続く1本場

わき選手の配牌はややお休み気味

ここから打🀗として字牌を残します

4対子あるので七対子を優先した手組を選びます

大人しいわき選手と対照的に元気なのが桑田選手

点数を取られているばかりではいけません
自風の🀂からポンして手を前に進めていきます

順調に🀅もポン

🀝を切って🀔待ちの聴牌に取ります
NEW GENERATION GROUPというと赤ドラを切らないチームカラーでもあるのですが、さすがに聴牌とあらば切るしかないようです
赤🀝を切ったとしても、待ちの🀔も赤ですので満貫には足りているのも赤切りを後押ししてくれますね

桑田選手の先制聴牌ですが、すぐに追いつかれてしまいます

親番coco選手が更なる加点を狙うリーチ

待ちは🀐🀓でかなり良い両面待ちです

このリーチに対して2副露の桑田選手
一発目に無筋の🀡を引かされます

嵌🀔の愚形待ちでは勝機無しと見たか、ここで🀘切ってオリに回ります

嵌張待ちで親立直にはとても押しにくいので、良いオリ判断だと思います
ただ、安牌がこの🀘しかないのがやや気がかりです
次巡安牌が増えなかった時に手詰まってしまうので、そうであるなら聴牌の形を維持しておいた方が得でしょう
この選択がどう転ぶか

安牌が増えるのか見守っていきたいところだったのですが、桑田選手に新たなる敵が現れます

手牌がばらばらだったはずの南家わき選手が聴牌しました

🀝待ちのリーチを打ってきます


二軒立直に挟まれた桑田選手

完全に手詰まりました
全ての牌が無筋です

🀕は親のcoco選手に現物で、🀗は対面のわき選手に現物です
どうせ無筋なら一旦🀡を切って聴牌に取ってしまうか?

桑田選手の選択は打🀗でした

🀗はcoco選手に対して愚形が考えられず、両面待ちでしか当たりません
両面で当たるとしたならば🀕🀖のダブルツーチャンスです

この手牌の中で最も安全な牌であると言えるでしょう
素晴らしいベタオリチョイスです

この二軒立直の結果は

わき選手がcoco選手からリーチ一発赤3花1表1裏2で倍満3枚のロンアガリ

嵌張待ちでこそありましたが、一発裏裏での3枚が非常に大きなアガリとなりました


耐える展開の続く桑田選手でしたが、東三局はツモり三暗刻を再び聴牌

ロンアガリでしたが、立直赤3花2の跳満をトップ目のわき選手から直撃したことで、2着目に浮上しつつ親番を引き寄せていきます


占いの罠に嵌ろうとも


南一局、ラス目のcocoさんに妙な動きがみられます

上の手牌の形で二向聴
両面対子二つと役牌対子二つで、かなりアガリには近い見た目をしています

この牌姿から🀠をポン

役牌バックの一向聴に構えます

もちろん🀠をポンしたことで両面+3対子の14枚(見た目13枚)受けの一向聴に手が進みます

好形部分と門前が消えてしまうのでスルーするプレイヤーもいそうですが、これにより役牌ダブルバックで両面対子があるのでアガリにぐっと近づきます
役牌ポンからなら🀐🀓の両面待ちにできますし、索子の🀐🀑🀓が先に埋まった場合にも字牌2種の双碰は非常に強力です

速度を最優先にした良いポンですね


そして狙い通りに7巡目に🀄をポン

これによって最速聴牌

🀑を切ると🀐🀓の両面待ち、🀒を切ると🀑🀅の双碰待ちで聴牌です

両面待ちというのは、両面搭子を順子にする待ちなので🀐🀓の2種で最大8枚のアガリ牌があります
双碰待ちというのは、対子を刻子にする待ちなので🀑🀅の2種があっても自分で4枚使っているので最大4枚のアガリ牌があります
両面待ちの方が強いですね

また、🀐は親の桑田選手の現物であり、桑田選手はもう🀐を使うことはないでしょう
🀐でのアガリにかなり期待が持てます

しかし、coco選手は🀒切っての🀑🀅待ち聴牌としました

一体どんな占いを使ったのでしょうか

🀐🀓が見えるより先に、🀅でロン
中發で2000点のアガリです

放銃打点としては安かったものの親を流されてしまった桑田選手からすると痛手となりました


対子選択の理を守り


親がなくなってトップまでおよそ2万点差の桑田選手
残り2局あるので、2回あがることさえできれば逆転がかなり現実的です

4巡目に手牌がブロックオーバーになります

🀒🀓🀔+🀔🀕+🀙🀙+🀚🀛🀜+🀄🀄+🀏🀏
と分解できますので、🀙🀄🀏のどの対子を嫌っていくかの選択になります

桑田社長の選択は打🀏

🀏の対子は双碰待ちになった際には🀙よりも優秀です

それでも、🀏切りにはそれを上回るメリットが二つありますね

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