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【ザンリーグ観戦記】理不尽に立ち向かう姿勢こそ高評価【企業リーグ2023グループB#14】

文:億尾ほうこ


麻雀は理不尽だ
そして、その理不尽を楽しむゲームである

そんな理不尽を更に煮詰めたような全赤三麻のチーム戦も折り返し間近

意外と接戦です


前半戦終了までに3位ボーダーに近づきたいALTAIR JAPANからはSUSURU選手

真剣な表情で入場
YouTuber枠かと侮る事勿れ
所作を見るだけで麻雀の打ち込み度合が伝わってきます


気合十分のSUSURU選手ではありますが、ここに立ちはだかる選手は強大です

南家には健康麻雀にまめよりマスター選手

穏やかな笑顔ですが、麻雀は攻撃的


西家にはライフデザインパートナーより堀内正人選手

こちらもにっこり笑顔ですが、その攻めっぷりは説明不要なのではないでしょうか
立直率、副露率、そして何より和了率も1位です


いったいどんな闘牌になるのでしょうか




理不尽Part1


東一局、親番SUSURU選手の手順

6ブロックあるところから打🀘で辺張落とし
🀖の二度受け辺張を解消していきます

筒子の2334の中ぶくれ形をそのまま残しておくことで、くっついた際に索子の223356という🀓の三度受けのような形を崩していく選択肢が生まれます

この辺張落としで🀘から切っているのが良いですね

次巡持ってきた🀁はしっかりとツモ切り

ペンチャン落としをする際にさっさと二枚並べてしまいたくなることもありますが、今手牌に残っている🀗には利用価値があります

🀓🀖を引いた際に🀗を対子フォローとして使えるようになるため、ぱっとみ不要そうですが、かなり切ってはいけない類の数牌です

丁寧な辺張処理です

そして7巡目に再び搭子選択

SUSURU選手の選択は打🀙
この搭子を落としておくことで、断么の打点が生まれるようになります

安全度で🀛から切る人もいそうですが、🀛を残しておくことのメリットは🀜引きで一盃口か赤かの確定断么両面が作れるようになります
現状のように🀙も🀛も安全度に大差がない状態では自分都合でしっかり外側から切っていきます

外側から切るというのは当たり前のようでいてなかなかできません
細かい部分が丁寧です

この手順で🀖引いて先制聴牌

🀛切って🀞🀡待ちのリーチです


この親立直を受けた西家の堀内選手

現物の🀗を一度打って一向聴はキープします

しかし、現物はこの🀗のみ
次巡には安牌がなくなります

堀内選手は、ここから打🀖
手牌全てが危険牌なので、自分の手が進む牌を切っていきました

🀐と🀖の比較を怠ってはいけませんね
一般的には1と7では1の方が安全ですが、今回はそれが入れ替わっているケースで🀖の方が実はわずかにマシです
SUSURU選手の切り順は🀘🀁🀗と切ってから筒子を打っているので、🀖が当たる場合には嵌張も辺張も考えられず、両面にしか当たりません
それに対して🀐は両面に加えて双碰待ちもあり得ます
放銃パターンに僅かに差がある分🀖の方が良いですね
この選択を迷わずできる点が堀内選手の強さです

この手がすぐさま聴牌して追っかけ立直

🀠と🀃の双碰待ちです
例え親相手だろうが打点十分で押す価値あり

この堀内選手のリーチに対して、先制リーチをかけていたSUSURU選手が一発目で掴んだのは

堀内選手のロン牌🀠でした


リーチ一発赤1表2花2裏3で倍満の4枚です

一発裏3でチップ4枚というのが非常に大きいです
1枚5000点相当なので実質的に役満級の和了です


放銃したSUSURU選手
厳しい表情


理不尽Part2


東二局の親番はマスター選手
順調に手牌が育っていく中、既に暗刻になっている🀂の4枚目を持ってきます

この🀂をどうするか数牌はどれも役割があり、数牌に手を付けるわけにはいきません
では、🀂を一旦暗槓してツモ番を増やすというのはどうでしょう

この手は現状雀頭がない手牌ですので、ここで🀂を暗槓してしまうと🀂を切って雀頭にするという選択肢が取れなくなります
特にこの手の最高形は🀖を引いて🀂を雀頭にしての平和一通ですので、それを見切るのは損です

この🀂を敢えて手出しします
手出しすることで他家から🀚の手牌関連度が下がって見えるのがどう出るか

次巡、マスター選手が持ってきたのは🀡

二度受け辺張が二つもあるかなり嫌な形です

どちらかの辺張を払っていくことになりますね
見た目枚数で言えば🀖が1枚切れているので索子に手をかけそうにもなりますが、ここは打🀡

これは🀖と🀟の場況に大差があることから索子残しにかなり傾きますね
まず南家の堀内選手は🀗🀘と内側からの辺張落としです
🀖が欲しいパターンはありますが、🀖を持っているパターンはかなり少ないです
また、西家のSUSURU選手も初の数牌が🀖ですのでまだ🀖を持っている可能性は他の数牌よりも低め
それに対して筒子の上の方は🀡すら全く切られておらず🀟の取り合いになっていてもおかしくありません
🀖の方が持ってこれそうですし待ちになってしまったとしても戦えます

ついでに一通もあります


さて、マスター選手の進行に追いつきそうなのが西家SUSURU選手

ドラの🀅を持ってきました
この🀅はちょうど今南家の堀内選手が切ったところです
マスター選手は反応せずでしたので、このドラの🀅はかなりの確率で山に2枚残っています
SUSURU選手はここで浮き牌を🀒から🀅へ入れ替え

また、マスター選手が🀑を切っており🀒の親への危険度も高くなっているタイミング

場の変化に対応した良いプレーです

索子が裏目になってこそしまいましたが、この🀅を大事にしながら進めます

SUSURU選手はここから打🀙

🀙🀠🀅からのくっつき牌選択になります
🀙くっつきの内🀚は受け入れられるので、ロスは🀛だけ
その🀛の受入れも2切れの嵌🀚になるだけなのでいりません

次巡、🀟引いて聴牌

SUSURU選手はここから打🀅としてダマテンにします

これは明らかなミスプレイです
自分から🀠が3枚見えており、親も🀡を切っています
見た目6枚の役なし両面をリーチしないなんてことはありません
ただ、こういったうっかりは人間なのでよくあることです

強いプレイヤーであるかどうかは、たとえミスをしてしまったとしてもそれをきちんとリカバリできるかどうかです


次巡、この🀠をツモ切りリーチ

このツモ切りリーチができるのがSUSURU選手の強い点です
前巡のことは気にせず、今できることをしっかりとやっていきます

また、ここでのツモ切りリーチは実はかなり効果的になっています
もしかすると、このツモ切り立直は意図的なものであった可能性すらあります

どう効果的なのか

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