【ザンリーグ観戦記】ザン王の通った道をRoyal Roadと呼ぶ【企業リーグ2023グループA#15】
文:億尾ほうこ
企業リーグは全30戦を前後半に分けて15戦ずつの収録です
この15戦目は前半戦の最終戦
つまるところ企業リーグ”初日”の最後の対局です
この初日をこのままでは終われないチームが2つ
1つは最下位のNEW GENERATION GROUP
下馬評は低くそれについて自覚もしているとはいえ、最下位は脱出しておきたいところでしょう
そしてもう一つはSuneight
Suneightはザンリーグの最高タイトルである「ザン王」を擁する優勝候補チーム
しかし、このザン王が現在2連ラス
小さな僅差のラスなので大きな痛手というほどではないにせよ、2ラスは2ラスです
このまま看板倒れになってはいられません
SuneightからYやま選手、西家に座ります
リーチ率も副露率も和了率も非常に高い水準です
着順を取り戻しに行きます
スコアマイナスのNEW GENERATION GROUPからは伊吹選手
伊吹選手はここまで2戦2トップ
打点に大きく寄せた手組をしながらも、押し引きのメリハリがしっかりしており要所でアガリを決めてきています
下位2チームを餌にしたいのが令和の虎
めがねくん選手が東家スタートです
喰らってやるとの虎ポーズ
打撃戦の予感がします
微差の積み上がり
東一局、西家Yやま選手の手が一瞬止まります
🀔を引いたことで6対子
七対子の一向聴です
七対子にするのであればちょうどいま切られた🀁はかなり待ち頃の牌
七対子と面子手の両天秤にするならここで打🀡とする選択もある場面
Yやま選手はここから素直に打🀁とします
七対子にするにしても🀠2枚持ちの外側の端牌🀡も十分に強力ですし、親の第2打🀗から🀖🀗の重なりも狙えます
🀡を切っても直接のロスはありませんが、🀞や🀟引きの際に筒子の対子フォローとして使える牌なので、面子手に進む際に僅かなロスになることもあります
この🀁切りから手牌は面子手へ
🀠を暗刻にして選択
ここからは打🀜として対子手を見切ります
🀜と🀞にも微差があります
南家の伊吹選手の🀙切りから、ほんのわずかに🀜の所持率が上がっています
また、自分が🀠を3枚持ちなので他家は🀞の方が使いにくいです
僅かな重なりやすさと他家の使いにくさのどちらも合わせると、🀞を対子で持っていた方が良いと言えますね
非常に細かいですが、細かい部分も積み重ねると無視できない差になってきます
結果、この🀜は裏目となってしまうのですが、それでも先制リーチに成功
🀂と🀞の双碰待ちです
この🀞を混一に向かった伊吹選手から打ち取り
リーチ赤で2000点のロンアガリです
安い手でこそありますが、まず一つライバルの親を落とします
虎好みの高打点
親を流されためがねくん選手、東二局には逆襲しにかかります
3巡目には🀅のポンテン
🀘を切って🀑🀚の双碰待ちです
發赤表花花で既に満貫
この巡目の🀚🀑は誰も止まりません
そして、この巡目が早い聴牌だからこそ
5巡目にあえて聴牌を崩します
🀔を引いて打🀚として混一の一向聴へ
ポンテンの時点で🀚を切って混一の一向聴に取る手もありましたが敢えてここでの一向聴戻し
🀘残しでの混一の一向聴は、🀚🀑の待ちより良くなるのが🀑🀘の2種くらいのもので打点も満貫から跳満止まり
それに対してこの🀔残しは、好形聴牌が🀒🀓🀕の3種あり打点は倍満確定です
浮き牌🀘は残さないけれども、🀔は残す
めがねくん選手の打点と好形の絶妙なバランスが見えます
この選択が実に的確
次巡にはすぐに🀒を引き入れての聴牌復活
間髪入れずに🀓でロン
發混一赤2表1花2で倍満のロンアガリです
完璧な倍満を見ることができました
七対擬き
東三局、親番が回ってきたYやま選手
🀚単騎の七対子聴牌
🀚は七対子の待ちとしては強い部類でこそありますが、河を見ると筒子が1枚も切れておらず筒子待ちがいいとは言えません
更に、白ぽっちもないため和了があまり見込めません
ここは一旦🀔を切って聴牌には取りつつダマテンとします
次巡、🀑を引いて待ち替え
見た目枚数は🀚の方がもちろん多いのですが、南家の伊吹選手が索子の🀐🀑🀒を河に並べているため、🀑が零れることが目に見えています
ここでリーチを打ってしまうと、出ていた筈の🀑を止められてしまうことが考えられます
対面のめがねくん選手の索子が不明なことを考えるとここでの🀑リーチには踏み込めません
そのため、ここでもダマテンを選択
そして、この🀑単騎から更なる手替わりをします
既に対子になっている🀠を引いてきました
ここで🀑を切ってリーチ
待ちは🀇🀃🀠の変則的な三面張
面子手としてみると🀇🀃の双碰待ちで、七対子としてみると🀠単騎です
🀇と🀃の双碰待ちはどちらも場に0枚で、非常に強力な么九牌の双碰待ちです
リーチしたところで和了率が大して下がらない強力な待ちです
むしろ、リーチした方が和了しやすいまであるかもしれません
実際に、南家のめがねくん選手は以下の手牌で悩みます
現物は🀗だけ
ドラ4の一向聴から完全に中抜きしてオリるのはかなり抵抗があります
それと同時に、真っすぐ押すなら🀜🀝🀡といった筒子を2枚押さなければならずゼンツするのもまた無理というものです
この手格好であれば、一旦🀇の対子落としをして安全に手を組みなおすのが最も良いでしょう
ということで、ここからは当然のように🀇が打たれます
Yやま選手、リーチ一盃口赤2花1で満貫のロンアガリ
トップ目からの直撃でトップが入れ替わります
続く一本場ではYやま選手とめがねくん選手のめくりあい
Yやま選手がめがねくん選手から裏裏を直撃
リーチ平和赤2花2裏2の倍満2枚のロンアガリ
これにて2着3着を横並びにして単独トップに立ちます
なにきるなにまち
東三局二本場はめがねくん選手が副露しての和了で自力で親を持ってきます
南一局の親番では5巡目に聴牌
この手牌、待ち取りの選択肢が非常に広いです
何を切って何待ちになり、どの待ちがどれくらい強力か比較をしていきましょう
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