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【ザンリーグ観戦記】その1枚に足を掬われる【企業リーグ2023グループB#8】

文:億尾ほうこ

三人麻雀は萬子筒子索子字牌の含有比が2:9:9:7
筒子か索子の染め手にした場合には16/27が有効牌と言っても過言ではありません
四人麻雀よりも染め手が作りやすくなっています

染め手以外の手も作りやすいので、多発するというほどでもありませんが大物手には清一色や混一が絡んできます

きっと今日もなんらかの染め手がみられることでしょう


東家に座るのは健康麻雀にまめからマスター選手

昨年度は清一色の最上級である九蓮宝燈をアガっています
染め手を狙っていくタイプではありませんが、門前で手広く受ける打ち方なので自然に染まった場合には必然大物手になります

そのマスター選手の後ろで様子を伺っているのがアルタイルジャパンのシバター選手

闘志十分
前回の対局では門前清一色を和了するなど、高い手を狙えるなら狙っていく打ち手です


この二人に対抗するのが池袋リレイズよりワケベ選手

カメラにぐっと近づいて無邪気に入場


動画のサムネイルはおだやかではありません


シバター選手はワケベ選手をすくうことができるのでしょうか


1枚ですくえるもの


東一局、シバター選手の小さなミスが一つのきっかけになります

ここから🀗ツモ切り

シバター選手の手牌は索子で1面子1対子、筒子で両面2つ、あとはばらばら
和了のための4面子1対子には1面子足りていないので、新しくブロックを生み出さないといけません

🀙🀗🀃🀆の中で最も面子を作りやすいのは🀗ですね
🀗はドラ🀖引きの両面は言わずもがなですが、🀕引いて索子がつながってきた場合などにも面子候補として使いやすい牌です
これを切ってしまうと後々フリテンリスクもあるので、かなり切ってはいけない部類の牌です

筒子が伸びれば結果的に関係ないのですが、一体どうなることやら


視点変わって南家のワケベ選手

先ほどシバター選手に切られたばかりの🀗を重ねて5対子目ができました

5対子あるということで、七対子も狙えるようになります

面子手との天秤にかけて打🀛とすることが多そうですが、ここは打🀓としてより内側の牌を切ることを選びます

この🀛残しが見事にハマって次巡に🀛ツモ

これで最速聴牌
問題は🀔と🀝のどちらで待つかです

自分の河に🀑があるので、後々🀗が通れば🀔を中筋待ちにできます
しかし、自分の目から🀗は3枚見えなので🀔の筋ひっかけには期待できません
では、山に居そうな方を選びましょう

他家の捨て牌を見ると、シバター選手が早い段階で🀗を切っています
🀗を切っているプレイヤーはその内側の筋である🀔を持っている可能性が若干上がります
🀗のくっつきが不要ということは、🀔周辺のブロックを持っている🀖を受け入れられる形になっていることが多めです

となると、少なくとも1枚は持たれていそうな🀔よりも情報の全くない🀝の方がまだマシでしょう

ということでワケベ選手は

🀔を切って🀝単騎リーチ

気になる一発ツモは

今切ったばかりの赤🀔

こんな痛い裏目があっていいのでしょうか

シバター選手の🀗切りがなくとも🀝単騎になっていたかもしれませんが、後筋効率を優先して🀔単騎にしていた世界があったかもしれません

たった1枚の切り順ですがこの1枚が大きく世界を変えていきます

ワケベ選手がなかなかツモれないまま、シバター選手が追いつきます

🀠切っての🀛🀞待ちのリーチ

ワケベ選手のアガリ牌の🀝はもうありませんので、このめくり合いの結果はもう見えています

ワケベ選手がシバター選手に放銃
しかも一発です

リーチ一発断么赤3で跳満1枚のロンアガリ


序盤の些細な一枚が、こうも大きな上下を齎すのですね


しかし、ワケベ選手は実戦派
こんな刺さり方なんて数えきれないほどしているでしょう

ドラ暗刻と清一色


東三局では撮れ高を感じさせる手牌になります

🀜を重ねて七対子の一向聴
それと同時に四暗刻の二向聴です
しかも暗刻になっている🀗はドラの牌

🀗切っての七対子なんて狙わずに打🀀として面子手を逃しません

この🀓残しが活きます

🀔引いて打🀕
これで四暗刻こそなくなりますが、ドラ5の面子手一向聴

親番で点数を取り返すチャンスです


一方、東一局ではワケベ選手に一撃を浴びせたシバター選手の手牌がこちら

何を切るのが良いのでしょうか

この手牌はシバター選手がうっすらと切れ目を入れている通りに見ると
🀐🀑🀒+🀑🀒+🀒🀓🀔+🀖🀘+🀝🀟+🀇🀇
のような形をしています
こう見ると🀖🀘による嵌🀗と🀝🀟による嵌🀞の単純な嵌張同士の比較に見えるのですが

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