【ザンリーグ観戦記】社長同士の対決は、己の運の奪い合い【企業リーグ2023グループA#6】

文：億尾ほうこ

グループAは令和の虎の企業が集まっています
そして、社長がチームの一員となっている企業もあります

ということは、卓上での社長対決が勃発することだってあるのです

いざ、激突

東家に令和の虎、岩井良明社長

背番号をアピールして入場
初戦ではチョンボをしてしまいましたが、この2戦目は大丈夫でしょうか

南家にNEW GENERATION GROUP、桑田龍征社長

桑田社長初登場
本来出場予定だった選手が来れなくなってしまったらしいので、急遽代打で社長自らの参戦です

漁夫の利を狙うのが西家に座るドラゴン細井、松本涼選手

二人纏めて持って帰ってしまおうといった闘志を感じます

東一局は一巡目から怪しげな雰囲気が立ち上ります

花牌が変えた運命

南家に座る桑田選手

なんと花牌2枚を抜かず、打🀇とします
ツモを2巡スキップしているようなもので、かなりの損になってしまいますね

そして西家の松本選手の手牌がこちら

第一ツモで🀁
そして花牌を抜いて

🀠を持ってきます
松本選手の手牌ではあまり使えない牌ですね
松本選手は打🀅

次巡、花牌を思い出した桑田選手が嶺上から持ってきたのは

🀠と🀕でした

つまり、桑田選手が1巡目から花牌を2枚抜いていた場合には🀠2枚が手元に転がり込んで🀟🀟🀠🀠🀡🀡と一気に一盃口の面子が完成していたことになります
この面子を作り損ねてしまった桑田選手は、大きく運を削がれることになってしまいそうです

そして、本来松本選手に持っていかれる筈だったこの🀕は

ちょうど松本選手の有効牌でした
現実には松本選手は🀠を引いており、🀙を持ってきたここでは浮き牌となっている打🀠

次巡更に🀙を重ねます

🀕さえあればまた違った形になっていることでしょう
ここでは打🀖として混一に向かいます

ドラ受け両面を落とすことはめったにありませんが、今回は七対子の一向聴に自然にとれることと、進行次第ではポンによって速度アップできることから、かなり混一に行きたい手牌となっています

そしてすぐに赤🀝を引いてきます

筒子と字牌だけの一向聴
🀕さえあれば索子で面子ができていたので、本来であればここでリーチを打てていたことでしょう

しかし、現実はそうではありません

それでもそんなことを知る由もない松本選手
東家の岩井選手から出た🀁をすぐさまポン

親の現物🀙と字牌の🀀というとても優れた双碰待ち
形は違えど、最速で聴牌を果たしずれた運命を元に戻していきます

ただ、そんな縒れた聴牌ではこの人を止めることはできません

東家の岩井選手が🀞を暗刻にして打🀜で🀓🀖の両面待ちリーチ

花牌を抜き忘れた桑田選手と、その煽りを受けてしまった松本選手
そんな二人を咎めるような強烈なリーチです

混一の松本選手と親立直の岩井選手との捲り合いになり

松本選手は岩井選手のあたり牌🀓を掴まされます

この🀓は非常に危険ではありますが、止まるわけもなく

岩井選手、リーチ一盃口赤2表2の跳満のロンアガリ

リーチ勝負になっていたらどうなっていたかわかりませんが、この世界線では岩井選手が勢いづいていきます

続く一本場では

4巡目リーチを一発ツモ
加点こそ満貫ですが、チップ1枚オールを徴収していきます

河が指し示す豪運

東一局の二本場
岩井選手またもや先制聴牌です

解説席が盛り上がっているテロップに隠れかけていますが、しれっと七対子の聴牌

🀓を持ったところで何を切るか
🀙を切ると🀑待ちの七対子、🀑切っても🀙待ちの七対子です
もちろん🀙切った方が枚数が多いのですが、🀑を切ると七対子の聴牌兼四暗刻二向聴と見ることもできます

岩井選手の選択は

🀙を縦置き

手替わりもあまりなく🀑の場況も悪くないので先制リーチを打ってツモりにいく選択もありそうですが、ここはダマテンとしました

この🀙切りの後に岩井選手の河がどうやらおかしなことになります

🀙🀒🀕と河に並んでいますね
つまり、四暗刻を聴牌していた世界があったかもしれないのです

🀑単騎の七対子に取るのが当然だとは思うのですが、その上で役満をちらつかせてくるその豪運には恐れ入るばかりです

そんな岩井社長のダマテンに追いついたのは、南家の桑田選手

🀔を切ると🀝🀠の両面待ちです
🀆が暗刻なので役はありますが、打点が物足りないのでリーチをするでしょう

と思いきや

打🀞
なんと聴牌とらずです

東家は3巡目に🀟切りで西家は3巡目に🀠切りです
さらに自分の目から🀟が3枚見えています
こんなに場況のいい🀝🀠を外してしまいました

ニュージェネレーショングループの選手たちは、赤ドラを切るのを嫌う傾向にあります
おそらく、赤🀔が出ていく聴牌形は拒否したのでしょう

そしてこの聴牌外しの次の巡目には聴牌復活

🀟引きでの復活です
この聴牌形であれば🀓を切ることで赤🀔を使い切ることができますね
赤を使い切る意識がうまくかみ合いました

しかし、先ほど🀞切りで観衆の予想を外してきた桑田選手
ここでも予想外の一手を繰り出します

打🀔でリーチ

結局🀔切るんかい

ただ、これによって待ちは🀙🀜🀟🀓の4種待ちです
見た目8枚なので、待ちの残り枚数としてはかなりいいですね

この選択は果たしてどう出るか

🀝🀠を先に持ってくるのか、🀒🀕を持ってくるのか、🀙🀜🀓でアガることができるのか

しかし、桑田選手のツモ番を待たずに岩井選手が🀑を持ってきます

ツモ七対子花2の満貫ツモアガリ

いったいどこまで連荘するのでしょうか

鳴きで変わる流れ

続く三本場でもまたおかしなことが起こります

岩井選手が1巡目からポン

🀡ポンして打🀕です
1枚目から鳴いて積極的に攻めていきます

しかし、この🀡ポンしたあとのアガリ役はいったい何でしょうか

役が無ければ攻めることはできません

手牌があまりにもバラバラな時にはポンして他家に対応させるといった戦術も有効になりますが、岩井選手の1巡目の手牌は
🀑🀓🀕🀖🀘🀜🀜🀟🀟🀡🀡🀆🀁
1段目が終わるころには一向聴くらいになっていそうな手牌です

なにはともあれ、このポンによって岩井社長に乗っていた流れが移ってしまいます

お隣の桑田社長が5巡目に聴牌

🀆切ってダマテン
赤が4枚あって🀙🀜両面と言う大チャンス手なのですが、役なしです
リーチしないとロンできません

それに気づいたようで、次巡ツモ切りリーチ

この速さの両面待ちがアガれないわけもなく、2巡後にツモ

リーチツモ赤4の跳満ツモアガリ
これによって岩井選手の親番を蹴って、流れと共に自分に親を引き寄せてきます

どうやらこの勢いというものは完全に桑田選手に移ったようです

計算された首の皮

東二局、桑田選手の親番で3巡目聴牌

とりあえず🀙は切るとしてリーチかダマか

ダマテンでも🀆ならアガることができますし、🀓🀕🀖🀘引きで両面以上の良い待ちに変化させることができます
リーチをすると🀔でもロンができるようになります

ここでの桑田選手の選択は

🀙切りダマ

このダマテンは状況に即したダマテンと言えるでしょう

リーチには打点が上がるというメリットがありますが、逆にダマテンは打点が上がらないというメリットがあります

打点が上がらないなんて、一体何がいいんでしょうか？