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【ザンリーグ観戦記】意志のある愚形でアガリをもぎ取る【企業リーグ2023グループB#13】

文:億尾ほうこ


自分の聴牌は須らく両面や三面張であってほしいものです
しかし、現実はそう甘くありません
普通に打っていたら、愚形待ちになることがたくさんあります
どうせ愚形になるのであれば、自分で納得のいく形にはしておきたいところ

愚形聴牌での打ち合いが多発した第13戦

そろそろ折り返し地点です


首位をキープしたいライフデザインパートナーからぴーすけ選手

解説席のカジノ部からはぴーちゃんと呼ばれていました
2度目の登板で、初トップを狙います


現状の最下位の池袋リレイズからあーく選手

チーム状況としてはトップが欲しい状態
1戦で最下位脱出は難しいですが、今のうちにボーダー付近に近づいておきたいです


そんな二人に相対するのは健康麻雀にまめよりまきちゃん選手

現在2連勝中
実力未知数のニューフェースから、今やにまめのエース的存在になっています
ここで3連勝になれば企業リーグ前半戦の個人スコア第1位になることでしょう


誰もがトップの欲しい対局のスタートです



単騎に意志を込めて


東一局、親番ぴーすけ選手の選択

🀅が暗刻の手牌です
🀐を切ると、🀘を雀頭にしての🀑🀓🀕両嵌+🀛🀜両面の一向聴
🀑か🀕を切ると🀓🀓🀕(🀑🀓🀓)嵌張対子+🀛🀜両面の一向聴

平面的な受け入れ枚数はほぼ変わらないので、今回のような役ありの形からはポンテンの取れる🀑か🀕を切ることが多いです
しかし、河を見てみると下家のあーく選手の河に🀓が既に2枚切れ
🀘のポンテンこそ取れるものの、受け入れ枚数は少なくなっています

それでも、🀘を2人からポンできると考えると多少の受入れの差はひっくり返してしまえるということで、ぴーすけ選手は打🀑を選択しました
自分の目から🀓が4枚🀑が3枚見えているので🀒受けがかなり優秀ですが、見た目の枚数を重視した選択です

この想定が見事成功

ばっちり🀘をポンして🀚🀝待ちの聴牌です


親のぴーすけ選手が🀘をポンした巡目、南家のあーく選手が聴牌します

完全安牌の🀆を切って🀕🀘の両面待ちリーチ

先ほど🀘ポン打🀕をされて自分の目から4枚見えてしまっていますが、赤5の手牌はリーチせずにはいられません


このリーチに困ったのが仕掛けていた親番ぴーすけ選手

掴んだのは両無筋の🀜

あーく選手の立直は🀓の対子落としの後に安牌🀆切りリーチです
🀕🀘、🀙🀜🀟、🀚🀝🀠、🀛🀞🀡といった両面がかなり想定されます

🀜が両無筋とはいえまだまだ残り筋も複数ありますし自分は両面聴牌です
押しても良さそうですが、ここは打🀓として現物を並べて迂回します

そして見事聴牌復活

フリテンでこそありますが🀚🀛🀝の三面張
ひょっこりツモれることがあるかもしれません

しかし、次巡に持ってきたのは🀙

🀚🀝聴牌で🀜を切らなかったのに、フリテン🀚🀛🀝で🀙を切るのでは話が違います

ぴーすけ選手は🀜のワンチャンスを頼って、無筋🀛を切って🀙単騎としました
この巡目のワンチャンスはあまり当てにはなりませんが、それでもこの🀙🀜は絶対に切らないという強い意志が伝わってきます

打ち手の強い気持ちが伝わるのは見ていても良いものです
そしてそれは、どうやら山にも伝わってしまったようです

あーく選手が🀙を掴み、ぴーすけ選手が發花1で3000点のロンアガリ

親番続行


双碰に意志を込めて


アガリで繋いだ親番で良い手が入ると気分が上がるというもの

3巡目に先制リーチです
辺🀟待ちは一般には悪い待ちですが、自分で🀞を3枚使っており他家が使いにくいので、他家の手を止めさせる効果が普段より高いです

しかし、これでなかなか止まらなかったのが南家のあーく選手

ぴーすけ選手の現物は🀗🀒と2枚できましたが、🀁🀂🀃に続いて役牌🀅もプッシュ
字牌は全て押していく構えです

この押しが上手くいき急所の🀖を引き入れて一向聴

ここで🀛を切ると🀞🀡+🀐🀓🀖+🀚🀕の両面三面張の完全一向聴
🀔を切ると🀙🀜+🀞🀡🀚🀕の両面両面の完全一向聴

強気に行くなら打🀛、安全度重視なら打🀔といったところです

あーく選手の選択はそのどちらでもない打🀑

🀔切りと比較して、🀔という赤ドラを使えるという点で強力なのですが、安全ではない牌を切って狭い一向聴に受けているという点では弱いです
独特のバランス感覚で手牌を進めていきます

そして13巡目には追いつきます

🀚切ると🀙🀜の両面聴牌ですが、🀙が河に3枚見えでちょっと弱くなってしまっています

あーく選手の選択はここから🀛切りリーチ

🀚🀘の双碰待ちに受けます
見た目枚数は4枚で見た目5枚の両面待ちより薄いですし、平和の1飜が消えてしまいます
赤🀔を残してまで欲しかった1飜でしたが、ここは🀚🀘に感触があったのか双碰での待ち取りです


ぴーすけ選手の辺張とあーく選手の双碰対決

と思われましたが、こっそり割り込んできたのが西家のまきちゃん選手

🀝🀠待ちのメンチン聴牌です
(123+5567+778899と分けると見やすい)

2軒立直相手ですし🀆が2切れで白ぽっちがかなり山に生きていそうなのでオープンリーチでぶつけるのかとも思いましたが、オリも視野に入れたダマテンです

あーく選手が白ぽっちをツモって決着

リーチツモ赤表花2で跳満1枚のツモアガリ

3000点の放銃なぞ1局で取り返してトップ浮上です


何度だって双碰


東二局、親番あーく選手は🀅を1枚スルーしてこの一向聴

🀅を鳴く前は赤🀝がなかったので、🀅を鳴くと3000点かよくて6000くらいにしかなりません
親番で大きく加点したいということもあっての1スルーでした
そして絶好の🀝引き

🀚と🀘と🀅との対子の選択です

🀅の対子のメリットはもちろん打点です
また、1枚切られたとはいえ他家からの切られやすさが数牌とは段違いで和了しやすくもあります
🀚のメリットは今後の手牌変化です
🀚を手元に残しておくことで、🀛引きでの両面変化をとらえやすくなります
🀘のメリットは🀚と比較して双碰待ちになった時の上がりやすさです
どれにもメリットがあるので難しいところではあります

あーく選手は最終形の強さを重視して打🀚としました
先ほどの進行といい双碰待ちに重きを置いているようです

双碰を重視している選択がこの牌姿

ここでも打🀚とせず打🀐
🀚の使い道が皆無なのに対して、🀐は残しておくと🀔引きで嵌🀗の一通聴牌ができるようになります
特に🀘が2枚ぱらぱら切られてしまった場合は双碰にできないため、そういった場面で嵌張にとれる選択肢を残しておくというのも大切なことです

幸い、双碰の枚数が少なくなる前に狙い通りの双碰立直

🀘と🀅の双碰待ちです

親の先制リーチは強力

西家ぴーすけ選手の手が止まります

あーく選手のリーチに対して安牌がありません

無筋は切らないとして、中筋の🀜か字牌の🀄の対子落としかといったところでしょうか

ぴーすけ選手の選択はそのどちらでもなく打🀛

一体🀛が通る根拠とは何か

それはあーく選手の手出しにありました

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