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【ザンリーグ観戦記】三人麻雀は多面張が勝負を決める!【企業リーグ2023グループA#2】

文:億尾ほうこ

大荒れとなった開幕戦から1週間
企業リーグAグループの2戦目が公開されました


予想不可能な企業リーグの対局ですが、今回はいったいどうなってしまうんでしょうか?

ハラハラしながら見守っていきます


東家に座るのはNEW GENERATION GROUPより伊吹選手

fishを釣りあげてやるとのパフォーマンス
大きく出ます


南家は予想屋マスターよりもも選手

雀荘店員らしく、真っ当な打ち筋に期待が持てます


そして西家はドラゴン細井より福田ゆうすけ選手

雀荘オーナーとの噂ですので、こちらも麻雀には相当慣れていることでしょう


実力未知数の伊吹選手を雀荘実戦派のもも選手と福田選手が囲いこむ構図となっています

釣られるのは果たして誰か


東二局 驚異の五面張


東一局ではもも選手の字牌単騎七対子に刺さってしまった伊吹選手ですが、打ち筋を1局見た限りさほど不安はなさそうです

放銃を挽回せんと、東二局ではチャンス手に恵まれます


🀆を暗槓して、嶺上から赤🀝にくっつく🀞引き
ドラの🀑も3枚使える形で打点も形も申し分ありません

そして、すんなりと引いてきたのは自身のカンによって増えた新ドラ🀟

最もうれしいツモを引き寄せました

伊吹選手は理牌読み対策で逆理牌をしているので、ちょっと見づらいですが索子が5面張の形になっており非常に強力です

強力すぎるので、一旦ここで読者の皆様と一緒に索子の形をおさらいしておきましょう
(※三麻強者は次のスクショまで読み飛ばしてください)

筒子は順子が完成しているので、索子だけ抜き出してみると下の画像のようになります

ここから🀗を切ると下の画像の形になります

多面張に慣れている方にしてみれば有名ですぐにわかる形ですが、そうでない方にとってはかなり難解な形です
暗刻と順子が合体してこんがらがってしまいますよね

こんがらがった時にすぐに使える小技を簡単に紹介します
「いっぱいある牌は『対子』と『暗刻』にそれぞれ分解する」という方法です

まず、今回の索子でいっぱいある🀑を「対子」として分解してみます

🀑を対子としてみる

分解されて残った部分が🀑🀒🀓🀔🀕の形です
こうやって見ると🀐🀓🀖待ちの3種類待ち、三面張の形になりますね
(三面張にピンとこない方はこの残りを更に分解してみましょう
🀑🀒+🀓🀔🀕や🀑🀒🀓+🀔🀕と分けると両面+順子が見えてきますね)

次にいっぱいある🀑を「暗刻」として分解してみます

🀑を暗刻としてみる

分解されて残った部分が🀒🀓🀔🀕の形です
こうやって見ると🀒🀕待ちのノベタンの形になります
(ノベタンにピンとこない方はこの残りを更に分解してみましょう
🀒+🀓🀔🀕や🀒🀓🀔+🀕と分けると単騎+順子が見えてきますね)

この対子と暗刻に分解する方法で見つけた待ちを全て合わせた
🀐🀓🀖🀒🀕の5種類待ちです


では、もう一度手牌に戻りましょう

5種類待ちは麻雀の多面張の中でも最強格です

立直することで立直白表4赤2の倍満が確定
待ちが広いので一発ツモにも期待できますし、槓ドラがあるので裏ドラにも期待できます
何が何でも🀗切って立直といきたいところです

🀕を縦置きしてしまいました

これでは折角のチャンス手が台無しです

🀕を切ってしまっては怒られも発生してしまうというもので、🀕を切った次のツモはなんと

本来一発ツモでアガれていたはずの🀒でした


伊吹選手も🀒を持ってきて自分のミスに気付いたのかこの表情


この隙を見逃さなかったのが親番もも選手

伊吹選手に追いついての聴牌を果たします

🀂を切ると🀞と🀄の双碰待ちです
しかし、この🀞はドラ表示牌で1枚見えており全員が使えそうでロンもツモも出来なさそうです
🀄は1枚切られているのでロンできそうですがツモはあまり期待できません

ここは🀄の出あがりを狙ってのダマテンとしました

このダマテンは🀄を拾うだけではないメリットがありますね
まず、筒子のうれしい手替わりも2種あります
🀝引きで🀙🀜🀟待ちの高目一気通貫の三面張
🀙引きでは嵌🀝待ちの一気通貫になります
🀙引きはさほど良い手替わりではありませんが、🀝引きの三面張はぜひとも狙いたいところ


このダマテンは、先にアガリ牌をツモります

🀄をツモって、ツモ中表1花1の親の満貫ツモアガリとなりました

🀂を切る際に迷いがなかったことも含めて、とても技術を感じるアガリです


東二局 普通の三面張


連荘した親番のもも選手が字牌処理に苦心している中、手牌が真っ先に育っていたのは伊吹選手


嵌張の🀔をすっぽり引き入れて一向聴

この一向聴は悩ましいところです
伊吹選手は1枚目の🀄を鳴いていないので🀄は既に1枚切れ
見た目の枚数が少ない🀄を切って筒子の一気通貫を狙う手もありますが、ここから打🀡

🀟が二度受けになってしまっているので、この辺🀟の受けはとても弱くなっています
また、2枚目の🀄が出た際にはポンテンが取れるようになりますので、ここは裏目のない辺張落としが良いでしょう

この狙いが見事に成功します

自力で🀄を暗刻にしました

先ほどは多面張を間違えてアガリ逃しをしてしまった伊吹選手
同じミスは繰り返していられません


ビシっと🀠切って立直しました

この三面張は成就するのでしょうか


巡目が進む中で、七対子の聴牌を入れていた福田選手が🀟を掴みます

そして河に放たれた🀟


立直中赤2裏1の満貫1枚のロンアガリ

チップ1枚もついた素晴らしいアガリとなりました



東三局 リャンカンリャンメン


親が福田選手に移る中でも、手牌の勢いは衰えない伊吹選手

🀒をツモってきます

索子がリャンカンリャンメンというちょっと複雑でそれ故にちょっと有名な形になっています

これも索子を分解しながら受入れを見ていきましょう
(※三麻強者は読み飛ばしてください)

今の索子の形は順番に並べると画像のようになります

🀔🀕🀖を分解すると以下の形

🀕🀘受けのリャンメンができていますね
ぱっと見不要に見える🀒ですが、🀕🀖🀗で分解していきます

すると、🀓🀕受けのリャンカンができていることがわかりますね
なので、この🀒を残すことで🀓の受入れが増えるというカラクリです



伊吹選手、しっかりと🀄を切ってリャンカンリャンメンに受けました

ただ、今局の本題は次の形です

この形から何を切るか
伊吹選手はツモ切って打🀗としました

これは状況によって🀒を切るか🀗を切るか変わってくる非常に難しい手牌です
よく何切る問題になってたりもしますね

どちらを切っても大きな影響はなく実況でもどっちでもよさそうとはされていました
🀗切りにもメリットがあるのですが、実は今回のケースでは🀒を切った方が良いです

🀗切りと🀒切りのメリットをそれぞれ比較してみましょう


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