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【ザンリーグ観戦記】あらゆる武器を使いこなして笑う王【企業リーグ2023グループA#17】

文:億尾ほうこ

先日の16回戦では新川綾乃選手の大トップで借金返済目前となったSuneight
第17回戦の注目ポイントはチームのエースYやま選手がここで完済できるかになるでしょう


ザンリーグのリーグ戦タイトル「ザン王」を冠するSuneightのYやま選手、東家に座ります

そそくさと入場
自然体です

それに対するは令和の虎からめがねくん選手

後半戦も虎ポーズでばっちり入場を決めてきました
攻撃型に擬態したバランス型の麻雀で令和の虎チームの首位奪還を狙います


そして予想屋マスターからcoco選手

占い師の独特の感性を活かすことはできるのでしょうか


闘牌の開始です



倍満ハンマー


東一局、激し目の仕掛けをしていったのが西家のcoco選手

まずは自風の🀂をポン
このポン自体はいたって普通ですが、ここから打🀞とします

索子の混一のブロックが🀐🀒+🀒🀓+🀖🀗+🀃🀃と見ると足りています
積極的に混一へと向かいました

また、赤5のある麻雀において🀛と🀞がある場合には赤🀝を使いやすいように🀞を手元に残しておくのがセオリーですが、ここで残しておく🀛は親のYやま選手の現物の牌になっています
混一進行を強く見ているが故に残す牌も安全度を優先しています


この残した🀛に🀚がくっついたことで方針変更で躱し手として鳴いていく方針に切り替えます

ここから🀒をポン
🀒をポンすることで両面ふたつの一向聴に構えることができます
いざという時の安全も🀃2枚で最低限保障されているので安定感のある仕掛けです


ただ、ここで打🀐としてしまうのはかなり危険です
🀓の役割が非常に薄い上に危険度が🀐と🀓では大差です
🀓はダブドラ🀔で搭子振り替えができるようになりますが、🀒は既に3枚使っているだけでなく既にある🀖🀗搭子と🀕が2度受けになっているので搭子の価値が低すぎます
そのため結局切ることになりますね

🀐は南家の現物であるだけではなく、🀒のワンチャンスにもなりますので一向聴の浮き牌で安牌候補感覚で持っておくのに良い牌です


この浮き牌は大勢には影響しなかったものの、coco選手の果敢な仕掛けは空振りに終わります

親のYやま選手がリーチして

リーチツモダブ東赤2表1花1で倍満のツモアガリ

親倍で躱し手を押し潰します



嵌張スナイパー


一本場で仕掛けたのはめがねくん選手

自風の🀁をポンして速攻をしかけためがねくん選手は以下の手牌でブロック選択を迫られます

索子も筒子も場況不明

ここは自分の打点都合を最優先で打🀛としました

🀝を対子で残しておくことで、🀝を刻子で使えた際の打点上昇がありますし、🀟を残しておけば🀞引きでもドラ🀟を使っての面子が作れます
3対子形にしておくことで🀅🀝引きという最大打点が狙えます


この残したドラ🀟に🀠をくっつけて3対子形が解消されました
🀕を払って両面双碰の一向聴に変化します


そこに走らせまいとする親番連荘中のYやま選手

🀙🀙🀛🀝🀡🀡🀐🀒…の形から打🀙
🀝切っても受入れ枚数は同じですが、この方が赤を使える受入れが多いです
また、それだけでなく🀝を残しておくことでツモ🀞による好形変化が残ります

🀙を切ったYやま選手の続くツモは赤🀝

ここでのYやま選手の選択は驚きの打🀡

効率の上では両嵌に取る打🀝か2対子形に受ける打🀙の二択です
どちらを切っても4枚ロスですが、ここで打🀡とすると🀜🀝🀡の平面8枚ロスです

この打🀡は河を見ると合点がいきます

副露している南家めがねくん選手の切り順が🀛→🀕→🀘で索子の上を厚めに持って🀛を切ったことがわかるので、かなり嵌🀚がねらい目になっています
待ちになった際に聴牌しているめがねくん選手から打ちとることができそう
同時にcoco選手も🀚を1枚切っていることからこれもまた🀚がねらい目です
とすると🀚受けは外せませんね
そうすると🀝が第一候補になるのですが、嵌🀚を最終形に見据えるとすると河には🀝が連打されることになります
🀝2枚切りの構想はいまひとついただけませんね
そうなると🀡切りにたどり着きます
🀜の受入れロスは痛いですが、果たしてこれがどう転がるか


嵌🀑を引き入れて狙い澄ました嵌🀚リーチ

そして驚きなのはこの時めがねくん選手は🀝と🀅の双碰待ち聴牌をしていました
🀡切りのところで🀝を切っていたならば今頃🀝で放銃です


coco選手から一発でとらえて、リーチ一発赤3花2で跳満1枚のロンアガリ

王道の手組ではありませんが、この手順こそがザン王たる所以なのでしょう



落とし穴

倍満跳満の連続アガリで点数は10万点に届くのではといったところ

そうはさせまいと南家めがねくん選手が積極的に役牌を仕掛けて先制聴牌

ドラこそ赤2枚しかありませんが、coco選手がトビ圏内になってしまっている今、自分が和了して親番を持ってくるしかありません
聴牌がとてもえらい場面です

高速の3巡目聴牌で勝負あったかと思われましたが、5巡目のYやま選手の手牌がこちら

なんと🀜単騎で七対子の聴牌をしています
🀜単騎は待ちが悪すぎるので、ここはダマテン
良い単騎待ちであったり、ドラへの手替わりを待ちます
ドラ単騎にすると跳満になるためcoco選手からの直撃でトビ終了が狙えます

持ってくる🀓は良い待ちではないのでツモ切り


めがねくん選手がこれをしっかりと捕まえて東赤2で4000は6000のロンアガリ
打点はいまひとつですが、トップ目のYやま選手に直撃しての親番はトップまでの道筋が見えてきます


対子シールド


めがねくん選手の親番、ここはなんとしても連荘してトップを取り返したいところです
点数状況次第では東二局トばしトップ終了も狙える立ち位置

積極的に仕掛けてアガリに向かいます

🀀をポンして打🀅
捨て牌は大人しいですが、かなり混一が狙える手格好
このまま一気に高打点が狙えそうです

とぶわけにはいかないcoco選手も必死で食らいつきます

🀆を仕掛けて打🀅

元々🀐🀑+🀑🀒🀓+🀔🀖+🀞🀟🀠+🀆🀆だったので🀒🀕の一向聴だったのですが、一向聴から一向聴へのポンをしていきました
このポンによって受入れは🀒🀕の2種から🀐🀑🀒🀓🀔🀕🀖🀗🀘の索子9種受けへと変化します

向聴数の進まない鳴きには気づきにくいことも多いのですが、このポンができるというのは練習の成果が見て取れます


さて、めがねくん選手とcoco選手が鳴いてアガリに向かう中、トップ目のYやま選手は何をしていたかと言うと

なんとドラ辺張搭子をぶっ壊していました

3巡目に、ドラの、搭子を、壊して、います

一体何してるんでしょうか?
隣切った?

平面的に意味の分からない打牌があった時は、立体的に卓の状況も含めて考えると答えが見えてきます

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