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LAKE CX 403 について(その1)

いやホントLAKEのシューズ良いんだって!

今年の中旬くらいからLAKE  CX332を使い始めました。
コレがすこぶる調子が良く、バイクフィッターとしてもとても成長させて頂くキッカケにもなったなと思っています。

サンクスサイクルラボでは試着販売会も行い、数多くの方に採用していただきとても嬉しかったです。純粋にこのシューズの良さを知っていただけた事に喜びを感じてしまうのです。

LAKEのシューズを2モデルに渡って使う経験って中々ないと思います。
CX332はお店でもトップセラーでもありますし、多くのアンバサダーが使用していて、注目度も高いのがこのシューズです。
それに対してCX 403は使っている人があまりおらず、使用感などのレビューも殆どありません。良い機会ですのでこのシューズの特徴について比較しながら書いていこうと思います。

手前が CX403で奥が CX332

CX403は成型前提のモデル CX332は「成型でより足に合わせられる」モデル

恐らく試着会などではCX332を試し履きされる方が多い筈です。試着会でもしCX 403を履いてみたとしても「何この履きづらいシューズ!」「踵とかめっちゃ痛いやん!」ってなるだけの筈です。
CX332も CX403も熱成形ゾーン(主に踵)が存在します。ただ使ってみた感想ではシューズのアプローチが全く逆であると言えます。

CX332(左)と CX 403(右)では成型できるゾーンと剛性が違います

「CX332はしなやかカンガルー革でフィットを出し、踵などの整形やストレッチャーの使用でよりフィット感を増すことの出来るシューズ」

「CX 403はヒールなどの熱成形を前提で高い剛性を確保し、カンガルー革でフィット感も両立しているシューズ」

どちらも「足にフィットさせる」という目的は同じですがアプローチが異なるのです。
履いた瞬間に「コレはいい!」となるのがCX332で、そこから更に「自分のシューズ」にしていく良さがあります。それに対して CX403は箱から出した状態は未完成品状態であり、オーブンでライダーの足にフィットした踵を成型してあげる必要があります。ある程度シューズの型に左右されるのがCX332であるならば CX403は完全なオーダーメイドであると言えますね。

成型してみて感じたのですがCX332でも「コレだけ成型できるんだから凄い」と思っていましたがCX403は完全に別次元です。踵のホールド感がシューズ選びの重要なファクターになるライダーには最高だと言えます。そしてそのホールド感もシューフィッターが行えば自由に調整出来ます。


CX 403(左)とCX332(右)ではタンの押さえ方が違います

CX 403は足の力をなるべく逃さない!レーシングシューズ CX332はしなやかに足を包むシューズ

写真を見ていただくと両者の違いが分かると思うのですが、タンの押さえ方がCX332と CX403では異なります。オーソドックスな紐靴と似た構造でタンをBOAワイヤーで抑えるのがCX332の特徴で全体的なホールド感は少し弱めです。甲の部分へのアプローチが優しい靴だと言う事もできます。
CX403のタンの押さえ方は、ここ最近のレーシングシューズに良く見られる「アッパーがタンを包み込むようにして抑える」という方式でタンを押さえる箇所の面積はこのタイプの方が多いです。ホールド感を強くするのも容易でもあります。

これは開発した人に聞いた訳ではないので正しくないかもしれませんが。

「CX403はとにかく足に伝わる力を全てペダルに伝えるんだ!」
「その上で最高のフィット感でライダーのストレスも減らしてやろう」

という強い意志をプロダクトのそこかしこに感じるのです。
こうなると「えー、硬いのー?なら足痛くなっちゃいそうだからCX332でいいやー」ってなりそうですよね?

少し重複する部分が出てきますが、高剛性を誇るソールやヒールカップなどに熱成形可能なパーツを組み合わせる事によって、ライダーの足に完璧に合わせています。
その事によって硬さからくるストレスは殆どありません。
カーボンパーツなどによって補強がされて剛性を増していますが、シューズ全体を構成しているのは高品質なカンガルー革なのでしなやかでストレスがありません。
長時間座っても疲れないバケットシートのような感じです。
基本的に変形しないマイクロファイバーやニットのシューズではこうは行きません。フィット感を出そうとすると剛性がなく「ふにゃふにゃした感触」に剛性を出すといきなり硬くなる。。。

カンガルー革を採用したシューズだからこそできる真骨頂でもあります。

最近は軽さと足当たりとコストを考えて接着構造のアッパーを持つシューズが多いのですが、天然皮革を使ったシューズを丁寧なパーツ分割でLAKEは組み立てています。
そして細かい所ですが縫製がとても丁寧。こういった部分も好感が持てますね。

いつ見てもオーブンに靴を入れる時不思議な気持ちになります。

LAKE  CX 403の熱成形は若干コツが要ります。是非お店で受けるのをオススメします。

スズキはアウトドア系の物販会社に居たり、ランニングやその他の業種も経ていて自転車だけに関わってきた訳ではありません。熱成形シューズの成型や、シューズの修正やフィッティングなんかも得意です。
LAKEのシューズはこのCX 403も含めて公式通販から購入する事もできます。必要なおオーブンなどもレンタルする事も出来ます。

ただ手前味噌と言われそうですが書かせてください。

「若干以上のコツが必要だったりするのでLAKEを扱い慣れたお店で買ってください」
「せめて成型だけでもお店でやってください」

通販で買われた方や、他店購入の方も成型はお受けしております。
ただ成型の手順自体はマニュアルを見れば出来ると思います。ただ「成型」の作業は最終の仕上げのフェースなのです。
一番大事なのは「どのモデルを選ぶのか」「どのサイズを選ぶのか」という部分です。
これがとてもシビアです。サイジングの時点で「この部分は成型で合わせられるから」「この部分はストレッチャーで伸ばせるから」「この人はこの部分が当たるのは嫌そうだから」と細かく考えてサイズやモデルの選定をしています。


更にCX403は成型が大前提となっています。そして成型の手順に少しコツがあるのです。「足に靴を合わせる」なのですが「どの手順でどの場所から合わせていくか?」というのがノウハウがあります。
大袈裟と言われてしまいそうですがCX 403に関しては代理店から到着した状態は「 7部組の完成車」に近い状態だと言っていいでしょう。キチンと満足のいく状態に仕上げるのには「ある程度以上の知識と技術」が必要になります。

どんなシューズを選ぶか?今どんな靴を使っていて、どんな風な不満があるのか?
こう言った事を是非聞かせてくださいね。

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