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Vittoria CORSA PRO インプレッション
春のクラシックシーズンあたりから話題になっていたVittriaの新タイヤ「CORSA PRO」が入って来たので実際スズキが使ってみました。
ヴィットリアと言えばもうオールドファンからしたら「クレメン派かヴィットリア派か」で論争が起こるくらいのビッグネームです。
その昔から「レースといえばコルサ!」「コルサCX」「コルサEVO」とにかく「コルサ!」「コルサ!」な訳です。
で、そもそも「コルサって何やねん」という話なのですがイタリア語で「疾走」「競争」を意味する言葉になります。「競争用やで!」「めっちゃ走るんや!」と言う事ですね。
ヴィットリアのラインナップを見ると「コルサ」と銘打たれた製品は「コルサ」「コルサ・コントロール」「コルサ・スピード」「コルサNX」となるのですが全て「レース用」として設計がされています。
昨今話題の「NX」はケーシングをナイロンにして、オープンチューブラーという構造を使わない事で耐久性を高めた製品です。これもレッキとしたレーシングタイヤです。
オープンチューブラーとは布製のケーシングにタイヤのトレッドを接着して貼り合わせる方法です。イタリアンブランドのレーシングタイヤにとって、アイデンティティとも言える製法で頑なに守られてきました。
ケーシングの糸の太さを変える事でタイヤのしなやかさを出しやすく、以前のチューブラーでは「セタ」(絹)が使われていた程です(憧れたんだよなぁ、、、セタ・エキストラ)
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CORSA+ PRO 名前だけでテンション上がりますね
そうです。オタクだからです。
割とウザめな前フリをしたのはオタクだから。。。なのですが、ヴィットリアからするとかなり革新的な変化があったから。
それは「オープンチューブラーではなくて加硫製法に変わった」のです。
正確には「コットンケーシングを使った加硫製法のタイヤになった」と言う事。
加硫製法とは「タイヤのケーシングとトレッド面に熱をかけて金型に入れて圧を掛ける」という工程の事で本来なら熱に弱いコットンでは取り入れづらい製法です。
それをあえて取り入れたのは「軽量化」「空力性能の向上」を手に入れたかったからでしょう。またチューブレスタイヤとして使うには加硫製法のタイヤの方が安定しているという理由もありますね。
「今までのコルサと全く系譜の違うタイヤ」になったと言えます。
コレはテンション上がっちゃう訳ですよ。
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とりあえず重量を測ってみます。
あれ?カタログスペックの295gよりも軽い!誤差8gとかあるけど(笑
この辺は「イタリアだからなー、軽いからええか」と笑って許すのが、正しい振る舞いです。
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さて、一部界隈から絶大な人気のある「みんな大好きGP5000 STR」と比較してみましょう。カタログスペックの280gに対して290。。。うん!ドイツの技術は世界一ぃぃぃぃ!でも無いんかな。うんうん。まぁ誤差誤差!ヨーロッパ人なんてこんなもんです。
タイヤの性能は重量や、ローリングインピーダンスなどのスペックだけで決められないのは事実。ただオープンチューブラー方式のTLRだとシーラントを多く必要としましたが、同じ加硫製法のタイヤですからシーラント量も大差ないと思われます。
わずかな差ですが、これは割と本気で牙城を崩しに来ていますね。価格帯もほぼ同じですからね。
個人的にロード用チューブレスタイヤではGP5000シリーズが安定しているのでお気に入りだったりします。クリンチャーにラテックス仕様も使ってます。
ヴィットリアに関してもコルサもコルサコントロールも愛用してきているので、今回のテストはとても楽しみです。
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今回は話題のMAKUHAL施工も併用しました。
そうです。オタクだから話題のものは全て試したいんです。ちなみに個人的にはMAKUHALに関しては「ふんわりとした否定派」でした(笑)一般的に言う「食わず嫌い」ですね。
工程で言うと「一手間というか四手間くらい多いな」という印象です。
あとは「新品への施工がマスト」という事ですね。
組み付けの手順などで言うと皆が懸念する「ビードアップ」ですが一発で決まります。ケーシングの脇からジワジワ漏れてくるという事もなく「あらヴィットリアなのに良いじゃない」と思いました。
で、走ってみてどうでしたか?(インプレッション)
その辺のチョイ乗りからスタートして、大体200キロ位は使ったと思います。
空気圧に関してはヴィットリアのコルサコントロールTLRの時と同じ5Bar前後です。
最初の印象は「あれ?なんかコルサらしくないな」でした。
誤解されそうな書き方をすると「コルサ・ネクストのフィーリングを超絶良くした感じ」です。
次に転がりに関して言うと「従来品とは比較にならない位転がる」です。
これが一番最初に頭に浮かんだワードです。以前のコルサと同じようなフィーリングを
「みんな大好きGP5000」との比較ですが
似た構造のタイヤですが「チューブレスタイヤ特有の振動減衰感(サスペンションみたいな感じ)」はGP 5000に軍配が上がります。転がりの軽さとグリップ感はコルサが好みにあいます。レーシングタイヤとして「どっちが頼りになる?」という観点で言うと「コルサ・プロ」だなと感じました。
1番の理由は「グリップ感がわかりやすい」と言う点に尽きます。以前のコルサ最大の欠点は「グリップ感は良いけどなんか重い」だったのですが、そこを修正してきた上でグリップフィールの分かりやすさは「やっぱりコルサ」と言う感じです。
この「⚪︎⚪︎らしさ」ってとても大切な性能で、メーカーによってはモデル毎にガラッと性格が変わってしまったりするものです。一貫して「らしさ」を保っていられるのが一流なのだと感じました。
やっぱりサイドケーシングがパラコードのベージュなのが「レースバイク」らしくて良いんですよ。
はい。結局見た目の好みが一番だと言う事のようで(笑
気になる方は是非スズキに聞いてみてくださいね。