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人間五十年?

 「人間五十年」って聞いたことありますか?
 よく織田信長を題材にしたドラマや映画で、信長が舞っているやつです。
 これは伝統芸能である「幸若舞」の演目で『敦盛』の一部分です。

「人間五十年 下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり」

 戦国時代は平均寿命が五十年に満たなかったといわれています。
 「下天」とは仏教用語で、簡単に言うと天上界の最下層。
 その下天の一昼夜にあたるのが、人間界の五十年。
 つまり、

「最下層ですら一日が人間の一生分の時間である天上界と比べれは、人間の一生は夢か幻のようなもの」

 と、人生の儚さを唄ったものです。

 私が始めてこの一文に触れた時は、ほんとうに「儚さ」しか感じられなくて、「そんなもんの為に頑張ったってしょうがないじゃん!」って思ったのですが、

「儚い人生だからこそ、悔いの無いよう、大切に生きる」

 と、いう前向きソングなのです。

 実際、この唄を好んで舞っていた信長さんは、猛烈に天下統一を目指し、現在の日本の基礎を築いたワケで、鬼のような所業も伝えられていますが、基本メチャクチャ前向きに生きた人なのです。

 現在では、人生100年時代といわれていますが、下天でいうところの2日です。
 つまり50歳になっても、下天の1日が丸々残っているわけです。
 人生のちょうど半分。
 人間五十年時代でいうところの、25歳!!
 えっ? 25歳!?
 若っ!?
 私、今49歳だけど、もしかしてものすごく若いんじゃない!?

 ちなみに信長さん25歳は、桶狭間の戦い前のぺーぺーです。
 でもここから先の24年の間に天下統一の一歩手前まで成し遂げるのだから、まだ50年も残っている私は、世界を統一できるのかもしれない。

 そう考えると、平和な日本で、医療の発達した現代に生まれたことは、本当に幸せなことですね。
 こんなに人生の学びを得ても、まだ道半ば、、、

 人生100年時代、これからの50年を悔いなく生きようと思います。

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