緑の塔(ポエム)

森の奥に聳え立つ
休息をもたらす緑の塔
そこに私は登る
高さは8メートルくらい
螺旋階段でくるくる登っていく
石でできた塔の外側には
草がびっしりと絡みつき
遠目からは緑の巨筒にも見える
青空が白雲を飲み込み尽くすような
チャイ・ラテを飲み干した午後の空き時間
等に
私は緑の塔に登る

塔の上には屋根がなく木椅子が一つ
置いてあるだけ 
森の緑の雲海の上に突き出た形で
遠くの山々を見渡すこともできる

やがて風がふんわり集まってきて
私はそのまま上空へ飛ばされる
すっかり高く舞い上がり
森全体を見下ろして
その先の街の広がりも確認できて
まるで熱気球から見る世界
イーグルたちが同じ風に乗って
私の横に並んだ
何もおそれることはない
ただ風に身を任せれば万事良い中で
ふいに
くるんと体を一回りすると
一気に落下して
地上スレスレのところで
いつも急に現れる
八人の天使がパッとハンモックを広げて
キャッチしてくれるため
私はいったん反動で宙返りして
東欧の巧みな体操選手さながら
すっと大地の上に降り立つ
そうするともうすっかり
元気になっている
万事がうまく運び出す

明日は平日の仕事
さあいこうか
また元気がほしくなったら
緑の塔に登ればいいのだから
チャイ・ラテを飲んだ午後に


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