GCPクラウドストレージの解明:マルチパートアップロードvs並列複合アップロード

GCPクラウドストレージのオプションをナビゲートすることは、特に大きなファイルをアップロードする際には困難な課題となることがあります。この文脈で重要な手法がマルチパートアップロード(Multipart Upload)と並列複合アップロード(Parallel Composite Uploads)です。この記事では、これら二つの手法の違いについて詳しく説明し、効率とコスト効果を最大化するための意思決定に役立つ情報を提供します。

比較表

  • マルチパートアップロード - 大きなファイルを小さなセグメントに分割し、各パートを順番にアップロードする方法です。

  • 並列複合アップロード - この方法は、大きなファイルを小さなチャンクに分割し、すべてのパーツを同時にアップロードするものです。

並列複合アップロードを使用すると、ファイルは最大32のセクションに分割され、これらのセクションは一時的なオブジェクトへと同時にアップロードされます。一時的なオブジェクトから最終的なオブジェクトを再構成した後、これらの一時的なオブジェクトは削除されます。

コストへの理解

GCPクラウドストレージにおけるデータアップロードのコストは、ファイルサイズ、アップロードのパート数、アップロードの時間など、さまざまな要素によって影響を受けます。

  1. ファイルサイズ:5GB以下のファイルについては、マルチパートアップロードと並列複合アップロード のコストは同等です。しかし、5GBを超えるファイルを取り扱う場合、必要なAPIコール数が増えるため、マルチパートアップロードの方がわずかに高くなる傾向があります。

  2. APIコール:マルチパートアップロードは、各パートごとに個別のAPIコールを必要とし、これには少額の料金が発生し、結果として全体のコストが増加します。一方、パラレルコンポジットアップロードでは、複数のファイルパートを同時にアップロードすることでAPIコール数を最小限に抑え、結果としてコストを低減します。

  3. アップロード時間:アップロードにかかる時間(多くの場合、インターネットの速度に影響を受ける)は、マルチパートアップロードと並列複合アップロード の全体的なコストに大きな影響を与えます。アップロード時間が長いほど、ファイルはGCPの一時ストレージに長く保管され、これには追加のストレージコストが発生します。

アナロジー

この違いを理解するための一つの方法として、大きなファイルのアップロードをパズルに例えることができます。マルチパートアップロードは、一度に一つのパズルのピースをアップロードし、それらを最終的なイメージに組み合わせるようなものです。一方、並列複合アップロードは、パズルを最大32のチャンクに分割し、それらを一時的なオブジェクトに並行してアップロードし、一時的なオブジェクトを使用して最終的なイメージを再作成し、その後、一時的なオブジェクトを削除するようなものです。

選択方法

  1. 5GB未満のファイルでインターネットが速い場合:どちらの方法でも問題ありませんが、並列複合アップロードの方が少し早いかもしれません。

  2. 5GB未満のファイルでインターネットが遅い場合:マルチパートアップロードを選びます。並列複合アップロードはマルチパートアップロードよりも多くのリソースを必要とし、スピードの違いは大きくありません。

  3. 5GB以上のファイルでインターネットが速い場合:並列複合アップロードを選びます。これにより、マルチパートアップロードよりも早くファイルをアップロードできます。

  4. 5GB以上のファイルでインターネットが遅い場合:マルチパートアップロードを選びます。並列複合アップロードはマルチパートアップロードよりも多くのリソースを必要とし、スピードの違いは大きくありません。

インターネットのアップロード速度のベンチマーク/しきい値は、Cloud Storageにアップロードするデータのサイズによって異なります。5GB未満のファイルの場合、アップロード速度が10 Mbpsで高速と見なされます。5GB以上のファイルの場合、アップロード速度が50 Mbpsで高速と見なされます。

以下は、異なるサイズのファイルをアップロードするために必要なインターネットのアップロード速度の詳細な内訳です。

  • ファイルサイズ < 5GB: 10 Mbps

  • ファイルサイズ 5GB - 100GB: 50 Mbps

これらは一般的なガイドラインであり、実際のアップロード速度はインターネット接続の特定の条件によって異なる場合があります。たとえば、リモートからアップロードする場合やピーク時のトラフィック時間帯にアップロードする場合、アップロード速度が遅くなる可能性があります。

結論

両方の方法には長所と短所があります。ネットワークとディスクの速度、MD5ハッシュの必要性、早期削除料金の可能性などを考慮に入れることが重要です。結局のところ、どの方法が最適かは、具体的なニーズと要件によるところが大きいでしょう。

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