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タイ語Q&A~タイソングで、รัก rak が rang に聞こえるのはなぜ?

รัก rak (愛する)という言葉は、
タイソングの定番です。

タイソングの歌詞には、必ずと言っていいほど、รัก rak (愛する)という単語が登場します。


今回は、この「rak ラック」が、どういうわけか「rang ラン」に聞こえる、というお話。

Q:rak が rang に聞こえる?


質問です。
この「พระเอกจำลอง」の曲で、ラストの「แค่ได้รักเธอ」のところ、
「ラック」が「ラーン」と聞こえます。
動画の1:45、3:01、4:03あたりです。

これは「ラック」を「ラーン」と発音しているのでしょうか?
私の聞き間違いかもしれませんが、どうしても気になってしまいます。


A:タイソングでは「末子音」をそのように歌うことがある


すごく良い質問ですね!

これはもう、「応用編」を通り越して、
かなり、専門的な内容の質問だと思います。


「rak」が「rang」に聞こえる、という現象についてですが・・・

これは、まず、
「歌」に限った話です。


日常会話でもそうなる、
というわけではなく、

あくまでも、タイソングの場合に限り、「rak」が「rang」のように聞こえることがある、

ということです。 


特に、Getsunovaはクセのある歌い方をすることが多く・・・

タイ語の歌詞の発音が、タイ文字のつづりと一致していないことがよくあります。


 以上を踏まえたうえで、今回の「rak ⇒ rang」の現象を一言で言うと、、

「末子音」の音符を、伸ばして歌うケースです


「末子音を伸ばす」というのが、ポイントです。


実際に、歌ってみると分かりますが、、

「末子音」って、伸ばしにくいと思いませんか?

[ rak ]の[ ra ]を伸ばすだけなら、わりと簡単です。

その場合は、「らーー」と言えばいいだけだからです。


でも、、

「[ rak ]の[ k ]を、長く伸ばして歌ってください」

と言われたら、どうでしょう。

らーッッック??
らックーー??

たぶん、ほとんどの人は、
歌えないんじゃないでしょうか。


末子音というのは、「音をそこで切る」という性質なので、

末子音を伸ばす、というのが、
そもそもあり得ないことなのです。


でも、、

歌の場合は、音符やアレンジがありますから、

そうなると、末子音の音符であっても、
長く伸ばして歌わないといけません。


では、どうすればいいのか。


タイソングではこういうとき、

k ⇒ ng
t ⇒ n
p ⇒ m

みたいな歌い方をして、
長い音符を表すことがあります。


つまり、rak ラックであれば、

「らーーックーー」が
「らーーッんーー」になる

ということです。


どうでしょう。

「らーックーー」よりも、
「らーッんーー」のほうが、

後ろを伸ばしやすいと思いませんか?


なので、
冒頭のGetsunovaの曲も、

แค่ได้รักเธอ
ケェダィ らーーーッん トァー

みたいに聞こえる、
というわけです。


ただし、この場合、、

我々日本人の耳には、
「rang」に聞こえますが、

タイの人は、「タイソングでは、こういう発声になることがある」ということを、なんとなく肌で分かっているので、

タイ人の耳には、ちゃんと「rak(愛する)」と聞こえています。


รัก rak 以外では…?

rak以外にも、たとえば、
「sut スゥト (最も)」
という単語があります。


sut スゥト(最も)も、タイソングの歌詞によく登場しますが、

これも、先ほどと同じ理由で、

長い音符のときは、
tがnに変わります。


なので、sut スゥトを伸ばす場合は、

 「スゥーーット」
⇒「スゥーーッン」

と、聞こえます。


以上をまとめると、、

タイソングで、

● rak ラック⇒ rang ラン
● sut スット⇒ sun スン

みたいに聞こえるのは、

末子音のある言葉を、長く伸ばして歌うための工夫&アレンジ

ということです。


また、逆に、、

この法則を知っておくと、

みなさんがタイソングを歌う時にも、
オリジナルの歌手の歌い方を真似て、

「rak ⇒ rang」のアレンジで歌うことも可能になります。


実際のところ、

これを完璧に歌うことができれば、
かなりネイティブっぽいと思います。

「rak ⇒ rang」の歌い方を、
ぜひ、参考にしてみてください。


以上、よろしくお願いします!!



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