タイ語Q&A~タイソングで、รัก rak が rang に聞こえるのはなぜ?
รัก rak (愛する)という言葉は、
タイソングの定番です。
タイソングの歌詞には、必ずと言っていいほど、รัก rak (愛する)という単語が登場します。
今回は、この「rak ラック」が、どういうわけか「rang ラン」に聞こえる、というお話。
Q:rak が rang に聞こえる?
A:タイソングでは「末子音」をそのように歌うことがある
すごく良い質問ですね!
これはもう、「応用編」を通り越して、
かなり、専門的な内容の質問だと思います。
「rak」が「rang」に聞こえる、という現象についてですが・・・
これは、まず、
「歌」に限った話です。
日常会話でもそうなる、
というわけではなく、
ということです。
特に、Getsunovaはクセのある歌い方をすることが多く・・・
タイ語の歌詞の発音が、タイ文字のつづりと一致していないことがよくあります。
以上を踏まえたうえで、今回の「rak ⇒ rang」の現象を一言で言うと、、
「末子音」の音符を、伸ばして歌うケースです
「末子音を伸ばす」というのが、ポイントです。
実際に、歌ってみると分かりますが、、
「末子音」って、伸ばしにくいと思いませんか?
[ rak ]の[ ra ]を伸ばすだけなら、わりと簡単です。
その場合は、「らーー」と言えばいいだけだからです。
でも、、
「[ rak ]の[ k ]を、長く伸ばして歌ってください」
と言われたら、どうでしょう。
たぶん、ほとんどの人は、
歌えないんじゃないでしょうか。
末子音というのは、「音をそこで切る」という性質なので、
末子音を伸ばす、というのが、
そもそもあり得ないことなのです。
でも、、
歌の場合は、音符やアレンジがありますから、
そうなると、末子音の音符であっても、
長く伸ばして歌わないといけません。
では、どうすればいいのか。
タイソングではこういうとき、
みたいな歌い方をして、
長い音符を表すことがあります。
つまり、rak ラックであれば、
ということです。
どうでしょう。
「らーックーー」よりも、
「らーッんーー」のほうが、
後ろを伸ばしやすいと思いませんか?
なので、
冒頭のGetsunovaの曲も、
みたいに聞こえる、
というわけです。
ただし、この場合、、
我々日本人の耳には、
「rang」に聞こえますが、
タイの人は、「タイソングでは、こういう発声になることがある」ということを、なんとなく肌で分かっているので、
タイ人の耳には、ちゃんと「rak(愛する)」と聞こえています。
รัก rak 以外では…?
rak以外にも、たとえば、
「sut スゥト (最も)」
という単語があります。
sut スゥト(最も)も、タイソングの歌詞によく登場しますが、
これも、先ほどと同じ理由で、
長い音符のときは、
tがnに変わります。
なので、sut スゥトを伸ばす場合は、
と、聞こえます。
以上をまとめると、、
タイソングで、
みたいに聞こえるのは、
「末子音のある言葉を、長く伸ばして歌うための工夫&アレンジ」
ということです。
また、逆に、、
この法則を知っておくと、
みなさんがタイソングを歌う時にも、
オリジナルの歌手の歌い方を真似て、
「rak ⇒ rang」のアレンジで歌うことも可能になります。
実際のところ、
これを完璧に歌うことができれば、
かなりネイティブっぽいと思います。
「rak ⇒ rang」の歌い方を、
ぜひ、参考にしてみてください。
以上、よろしくお願いします!!
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