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長らく続く80'sリバイバルとa-haの来日

8bit、チップチューンに始まり、80'sっぽいものはここ10年ずっと廃らないで存在している気がする。

レトロと言う表現でかなり裾野まで広がった感がある80'sリバイバル。
アンダーグラウンド、メインストリーム、インディー、メジャー、問わず各所にインスピレーションを与えてきた。
再結成、再評価されたアーティストも沢山致し、僕が10代の頃は10年前のバンドは昔の人(今で言うオワコン)と言う認識で居る人が多かったが、今は邦楽でも往年のバンドが現役で活動出来る場が出来ていて、市場はかなり年齢層が広がった気がする。

さらにはチルウェイブ通過後に発生したVaporwaveと言うジャンルまで生み出した。
80年代のシティポップからサンプリングしてループを作り、それをピッチを下げたり、BPMを下げたり、音をビットクラッシュするとVaporwaveになり、逆にピッチを上げて、BPMを早くするとFuture Funkになるわけだが、こう言った新しい解釈で甦り、若年層にも“歴史”では無く“現代のカルチャー”として広まったと言う所がまた凄い。

そんな中、テイク・オン・ミーでお馴染みのa-haが同曲収録のアルバム『ハンティング・ハイ・アンド・ロウ』の再現ライブで来日するそうだ。

当然ながら世代では無いので当時の事は知らないが、曲は知っている。
ともすれば世界的なヒットとなった『テイク・オン・ミー』の一発屋として後世まで語り継がれる存在だったかもしれないa-haが、こうしてアルバムの再現ライブで30年経った今の日本に来日するとは誰が想像しただろうか?

日本と海外でアーティストの認識、認知度、人気の差がエグい例は多々あるが、これは間違いなく世界的な80年代リバイバルの賜物であろう。

楽曲もさる事ながら、見た目もPrinceライクなThe 1975のボーカリスト、マシュー・ヒーリー。こうしてオマージュと言う形で直接的に影響を語るのではなく、インスピレーションを表現する形に変動してきた2010年以降。
音楽の聴き方も、昔はジャケ買いやそのバンドが影響を受けてきたルーツを紐解く楽しみがあったが、今は解っている前提でそれを楽しめないとまるっきり付いていけない時代になった。

この点では日本はかなり後進国と言わざるを得ない。

未だにパクり論争やオリジナルであると言う幻想に憑りつかれている人が多くいる。文化を理解すると音楽もより面白くなるのに、未だ大手メディアで目にするアーティスト単位でしか追う事が出来ていないのは非常に勿体ないのでは無いかと僕は思う。

ネットで検索すれば今やどんなものでも簡単に調べられる時代になって久しいが、次世代辺りからはきっとそれが当然の環境で生きてきた世代になる。彼ら、彼女らが世に出る頃には世界はまた次の時代へと変わるのだろう。

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