【短編】鍵は肌身離さず。【今日は何の日 : 0705 セコムの日】
「しまった、やらかしたぁ……」
私は、家の玄関の前で途方に暮れた。
うちの家の鍵は、数週間前からお母さんの発案でオートロックになったのだ。
理由は、もちろん私だ。
キチンとしているお兄ちゃんはそんなことはないのだが、私はよく、家の鍵をかけずに家を出てしまう。そして、家に帰ってきたときも、ほとんど鍵をかけることもしないのだ。
これまでは幸い、それで何かが盗まれたりなどはなかったし、家にいるときに知らない誰かが家に勝手に入ってくるということもなかったが、何かがあってか