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『I love...』 4年 三重野大

日頃より東京学芸大学蹴球部への温かい応援とご支援ありがとうございます。この場をお借りして、感謝申し上げます。
そして、今季降格という結果に終わってしまったこと大変申し訳ございません。
来年必ず後輩たちが学芸を関東リーグへと戻してくれるので、今後ともご支援、応援よろしくお願いいたします。


こんにちは。今シーズン副主将を務めさせていただきました。
A類社会、四年の三重野大です。
卒論をひと段落させ、添削が来るのにおびえている日々を送っています。
そして、期限後のダイアリー提出となってしまい、健太すまない。

とき。素敵な紹介ありがとう!
何をもってみんなが「人間じゃないだろ」と言ってきたのかはわかりませんが、
ちゃんとホモサピエンスです。
ちょっと目が小さく、鼻が低く、歯茎スマイルなだけです。
って誰がブサイクや。

冗談はこの辺にして、ダイアリーを書いていこうと思います。
毎年楽しみにしていた四年生の素直な思いにふれることができるダイアリーを自分が書く番となってしまいました。
時の経つ速さと自分の語彙力のなさに嘆きながらもかくかくしかじかなので、
ありのままの自分で、等身大三重野大で書いていこうと思います。


拙い文章ですが、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

_______________

「お前ん中のジャイアント・キリングを起こせ」

僕のサッカーのバイブルである「GIANT KILLING」での有名なセリフだ。
コンプレックスを持ち続け、それでもそんな自分から変わりたいと強く想う、椿大介に対して、達海猛がかけた言葉だ。


僕の中に、「弱い自分」という最大の敵がいる。
「自信を持てない自分」という最大の敵がいる。
この自分に打つ勝つことこそ、僕の中のジャイアントキリングであり、何度も起こそうとしてきた。

身長が低く、足も遅く、リフティングも大してできない。アップの二重とびですらできない。小学校時代の自分。
足の遅さは変わらず、他人にベクトルが向きやすくなっていた。そして、サッカーを言い訳に勉強との両立を怠っていた中学校の自分。
サッカーでは、上手くいかないことが多く、日に日に自信を失っていた。中学校とは逆で、勉強を言い訳にしながら、サッカーをしていた高校の自分。

幾度となく、周りとの差や理想の自分と現実との差に劣等感やコンプレックスを抱き、悩んできた。
それでも、なぜか諦めるということはなく、
毎度変えたい、変わりたいと思う気持ちは尽きず、
変わろうと自分なりに取り組んでいた。


ここからが大学です。

公募推薦A類国語落ち、前期A類社会落ち
後期A類社会、、、合格
危うく三連敗しかけたが
なんとか後期滑り込みで合格し、晴れて東京学芸大学に入学することが出来た。

大学でもサッカーを続けることを前提に、準備してきたけど、国立で強いと有名で、
名だたる名前の高校やユースを目にし、少しの期待と大きな不安を抱えて、蹴球部に入った。

(1年)
コロナの影響をもろに受け、7月から部活動が再開した。
途中活動が止まることも何度かあったが、

「サッカーが出来る」

ただ、それだけでうれしかったし、楽しかった。
一方で、何度かアイリーグのベンチに入ったものの、周りの同期が出場時間を伸ばしていく中、二分しか出場できなかったことが悔しかった。
ここでまた劣等感を抱き、そんな自分に嫌気がさしていた。
それでもサッカーは楽しかったし、日々成長できている感覚はあった。


(2年)
シーズン前に運よくトップチームに上がることが出来た。
でも、そこに待っていたのは、明らかな周りとの実力差だった。

練習で、必ず自分のところでボールが、流れが止まる。
自分の実力のなさに絶望し、ボールを受けるのが怖い。
周りとの差に劣等感を抱き、自分のネガティブさに嫌気を、コンプレックスを抱き、
間もなくしてBに落ちた。

ただ、そんな時に唯一救いだったのが、服部コーチがBの監督をしていたことだった。
服部コーチのもとでの日々は学びの連続で、刺激的だった。
徹底した基礎技術の練習はもちろん、立ち位置、体の向き、スペースの認知などサッカーを原理原則から捉え、考えてプレーすることが増えた。

また、自分の苦手なプレーでミスして、気落ちする自分に対して、

「苦手なところを出さないようにしつつ、得意な部分で勝負しろ」

と常に伝えてくれ、プレーへの考え方、ミスへの考え方が大きく変わった。

後期はアイリーグにすべてスタメンで出ることが出来、確かな成長と少しの自信をつけることができたシーズンだった。


(3年)
このシーズンも最初はトップチームだった。
しかし、新入生と入れ替わる形で、Bに降格した。
自信をもってやっていた中で、この時は素直に受け入れられない部分があった。

ただ、去年のBの四年生が良い雰囲気でチームを動かしてくれていたため、
サッカーが楽しい。このチームで勝ちたい。
と純粋な気持ちでサッカーに打ち込むことが出来た。

3年ながら、キャプテンマークを巻かせていただき、自覚と責任をもって、大好きなこのチームが勝つために行動した。
柴田コーチやBのみんなのおかげで、このシーズンのアイリーグは、5ゴールをとり、
数字としても、感覚としても上手くいったなと思った。

しかし、シーズン終盤のトップの練習試合の早稲田戦やスタメンで出た天皇杯予選の明治学院戦では、
一つ一つの技術、強度、スピードに圧倒され、
現実を知った。
確かな手ごたえと自信を持つことが出来たものの、へし折られる形となった。

でも、まだうまくなれる成長できると強く想わせてくれ、次のシーズンへと意気込んだ。


(4年)
苦しかった。これが本音。

最初の4節までは、ベンチに入ることが出来ていたし、念願の関東リーグに出場した。
素直に嬉しかった。
ピッチの上でのヒリヒリとした緊迫感。熱い応援。
これまでに感じたことのない感覚で、純粋に魅了された。

しかし、その後、肉離れをし、人生初となる長期離脱となってしまった。
ケガをした時は、焦りや不安もあったが、必ず一回り成長して戻ってこようと決心した。
ケガ中もアミノ杯こそいいところまで行ったが、チームは思うように結果を出すことが出来ず、苦しんでいた。

早く戻って、勝利に貢献したい。
自分の手で勝利を手繰り寄せたい。
そう強く想い、リハビリに取り組んだ。

復帰したときはサッカーがより一層楽しく感じた。
プレーがうまくいっても、ミスをしても、プレーして悩めることは幸せだと
人生で初めてのケガから感じ、学んだ。


でも、そんな気分もつかの間。現実を突きつけられることになる。
何週も続くメンバー外の日々。結局4節以降はすべてメンバー外。
けが人や体調不良が続出した時すら、プレーできる人で自分一人だけメンバー外になる日もあった。

そして、とうとう紅白戦ですら本来のポジションであるボランチで使われることはなくなり、サブのサブとして、経験したことのないサイドバックやセンターバックをするようになった。

表では、持ち前の声や明るさで雰囲気づくりをし、粘りっけで泥臭く、必死にプレーした。

正直きつかった。

副主将であるはずの自分がチームの勝利に素直に喜べないこと。
頭ではわかっていても、心がついてこないこと。
あるべき自分と現実の自分との乖離に。

こうせいやりんたろうに「最近元気なくね」と勘づかれることはよくあったが、
副主将としての立場や元気、明るさが取り柄の自分に、
そんなネガティブな自分でいることを自分自身が認めたくなかったから、
「そんなことないっしょ」とニコニコして、はぐらかしていた。

父に毎週LINEで「メンバー外です。」と送るのもつらかった。
家族に電話しては、自分の弱音、本音を吐き、慰められているのも情けなかった。
それでも父も母も「気持ちはよくわかる。頑張れ」と最後まで支えてくれた。

辛く、苦しく、悔しい1年だった。
期待に応えられない自分への嫌悪感
周囲への劣等感
去年の自分への劣等感

それでも、

現実の自分を変えようと、変わりたいと強く願った
もがいた

ピッチでは、とにかく声をだし、周りを鼓舞することはもちろん、自分自身も鼓舞した。
チームが苦しい時だからこそ、笑顔と明るさは忘れないように心がけた。
服部コーチからの言葉を思い出し、自分の武器をどう出すか改めて考え直した。
DFラインにいつでも入れるように、大慶と練習後もひたすら一対一をした。たか(3年)にお願いし、一から身体動作をトレーニングした。

弱い自分、目を背けたい現実から脱却したい。
変わりたいと強く願った。


だって、

「サッカーが好きだから」


サッカーが好きだから、もっとうまくなりたい、強くなりたいと思える。
喜びも、悲しみも、なんとも言い表せない句読点のない思いも、
どんな感情もパワーに変えてくれる。


尽きることのない劣等感やコンプレックスを
「変わりたいという強い願いや想い」に変換し、
原動力としてくれた。


「サッカーが好き」
ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でもない。
何が好きとか、どこが好きとかうまく言葉にはできないが、これ以上の理由はいらない。
この感情に気づくことはできたのは、自分の人生にとって大きな財産だし、
これからも心の柱となるだろう。


そして、「出会った人たちの存在」が大きな刺激となり、
もっともっとと自分をたぎらせてくれた。

人思いで、優しく、熱い思いをもった学芸大学蹴球部のみんな。
特に同期の存在は心の大きな支えだった。
現実から目を背けず、目標を立て、みんなで励まし合った。
プレーで引っ張るやつ。声で引っ張るやつ。姿勢で引っ張るやつ。
みんなそれぞれの特徴で、色でチームを支えていた。
本当に頼もしかったし、みんなの同期でよかったと心の底から思える。
もちろん、これまで背中で見せてくれた先輩方や
生意気で、かわいい、個性豊かな後輩のみんなの存在も大きかった。

加えて、
それぞれの道で、奮闘する小中高のチームメイト。
愛あるご指導をしてくださった指導者の方々。学校の先生方。
家族、友人などなど、数え切れないほどの人たちが
僕を支えてきてくれ、今も支えてくれている。


幸運なことに、自分はこれまで人との出会いに本当に恵まれてきた。
その人たちとの出会いが、存在が、言葉が僕を後押しし、
まだやれるぞ、このままでは終わらせないぞ
と奮い立たせる。

一人じゃ何一つ気づけなかっただろう。
こんなに鮮やかな色彩にあふれた世界に。
こんなにも多様な感情であふれ、思いを、自分を動かしてくれる世界に。

これからも人との出会いを大切にし、
いつかは皆さんのような
人にポジティブな影響を与えられるかっこいい人になりたいです。


来年からは大学院へと進みますが
まだまだ選手としてサッカーを続けます

何度転んでも、どれだけ苦しくても
きっとまた立ち上がれるはずだ。
もっと成長できるはずだ。


だって、サッカーが好きだから

そして、起こせ。俺の中のジャイアントキリングを。

_____________
家族へ
いつも試合の映像や紅白戦の映像を送っては、アドバイスをしてくれ、サッカーだけじゃなく、人としてどうあるべきなのか大切なことを伝え続けてくれたパパ。僕の中で、最高のパパであり、最高のサッカーの指導者です。
サッカーの試合を見に来ては、誰よりも応援してくれ、リアクションがオーバーすぎるママ。仕事が忙しい中でも、嫌な顔せず、送り迎えしてくれてありがとう。ママがいなければここまで続けれなかったし、プレーで喜ばせることが何よりのモチベーションでした。
ねえねと妹。自分のサッカーのせいで、いろんなところで我慢をしてくれてありがとう。会うたびパワーもらえるし、最高のきょうだいだなとつくづく思う。
これから大学サッカーへ挑む妹よ。濃密で、何にも代えられない四年間を過ごしてください。自分からつかみにいく姿勢を大切にね。心から応援します。ただ、勉強はちゃんとしろよ。
家族には書きたいことがありすぎるし、書きながら涙腺が崩壊しそうなので、ここらへんで割愛させてもらいます。また帰省したらたくさん話そうね。
本当にありがとう。これからもよろしくね。

スタッフの方々。
下手くそな自分でしたが、皆様のご指導のおかげで少しは成長できたと自分自身でも実感しています。特にBにいる期間が長かった自分は、柴田コーチ、服部コーチには感謝してもしきれません。
柴田コーチ
一年生の時から、お世話になりました。技術的な指導はもちろん、勝負に臨むメンタリティやこだわりを学ばせていただきました。また、三年時には、アイリーグでキャプテンに指名していただき、より一層の責任やピッチ内外での振る舞いを考えるようになり、貴重な経験をさせていただきました。そして、いつも選手と同じ熱で、戦ってくれる姿が心強かったです。ありがとうございました。
服部コーチ
「苦手なところを出さないようにしつつ、得意な部分で勝負しろ」
二年時に言われ続けた言葉です。自分と向き合い、どう武器で戦うのか、自分の生きる道は何なのかということを考えるようになりました。技術的に劣る自分に対して、良さを伝えてくれ、それをどう活かすのか指導していただいたこと、本当に助かりました。三年時は、カテゴリーが違っても、気にかけ続けてくれたこともすごくうれしかったです。本当にありがとうございました。


先輩方
人として尊敬できる方が多く、かっこいい背中をひたすらに追い続けました。
すぐ調子に乗ってダル絡みをしてしまう自分でしたが、温かく受け入れ、愛情をもって接し、たくさんいじってくれたこと本当にうれしかったです。
ありがとうございました。

後輩へ
先輩として頼りになる姿を見せることが出来たかはわかりませんが、ピッチ内外でたくさん絡んでくれてありがとう。いじりすぎな、(もはや悪口(該当者:長澤))と思うときもありましたが、それくらい親しみを持ってくれたことが嬉しかったです。みんなの活躍を心から期待しているし、応援してる。
はると、たか、らだ、おたべ、しゅうたとかは特に期待しています。
前川は、謙虚に、自分にベクトルを向けることを忘れないように。期待してるよ。

最後に同期へ
副主将という立場に選んでくれたのにもかかわらず、支えてもらってばかりでごめん。
本当に仲間思いで、優しく、温かいみんなと同期だったことが幸せです。
勇気をもって本音をぶつけられる人。どんな時でもあきらめず、努力し続ける人。立場が変わっても、言葉で、行動で、チームへの愛を伝える人。巧みな絡みで人をまとめ、結束を強める人。チームのために自己犠牲を厭わない人。当たり前に当たり前のことが出来る人。
みんな本当にかっこよくて、尊敬できる人で、憧れです。
またサッカーしよう。
学年会しよう。とりあえず一杯目はカシオレでお願いします。

ファミリーのみんな
ファミリーと言い始めたのは僕ですね。
なんだかんだみんなこの呼び名を気に入ってるの、俺は知ってるよ。
ダサさの中に、アガペーや温もり、肉匠坂井、キャッスルが詰まってるよな。
どんなにつらい時でも、悩んだ時でもそこにいけば、安心できる。
そんな居場所を作ってくれてありがとう。
来年もみんなの誕生日祝おう。
とりあえずリコで最弱王決めましょう。

他にも感謝を述べたい方々はたくさんいますが、お時間ということで割愛させていただきます。
四年間とても素晴らしい人たちに恵まれ、濃密な時間を過ごすことが出来ました。
次のステージでも、勉強に励みつつ、大好きなサッカーを楽しんでいきたいと思います。

長く拙い文章でしたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
_____________

次は、りんたろう!
言わずと知れたストイックマン。
あまりのストイックさとクモみたいな手足の長さにたまに引いていました。(いい意味でね)サッカーに対する姿勢や足の先まで真面目なりんたろう。単位に苦しめられていたりんたろう。人のデーツをすぐにもらおうとするがめついりんたろう。
リーグを通して、苦しかったことがあると思うけど、それでも愚直に努力し続ける姿勢、チームに対して働きかける姿勢がいつも目に映り、チームも個人としても刺激を受けてたよ。
そして、ティアモ加入おめでとう!自分のことのようにうれしいよ。
りんちゃん!Ti amo.
JFLでシュートを止めまくり、いつもの「キーパー!」を聞きたいです。
言われなくてもスーパー!な文章は書いてると思うので、乞うご期待!

#紫志尊々 #jufa #大学サッカー

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