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おれの『憧れの人』 4年 時松航世

日頃より東京学芸大学蹴球部への多大なるご支援と温かいご声援をいただき、誠にありがとうございます。この場をお借りして感謝申し上げます。

今回ブログを担当させていただきます4年B類保健体育専攻の時松航世です。昨日のブログでA=B=CのBという紹介がありましたが、AとCにあたる三重野・久保と似ていると言われても全く嬉しくないです。ごめんなさい。つい本音が出てしまいました。今、笑いながらツッコミを入れている三重野とニヤニヤしている久保が容易に想像できます。『=』の関係なので。

今回のテーマが「おれの〇〇」ということで何を書こうかとても迷いました。いくつかある候補の中から、一番最初に思いついた「おれの憧れの人」について、その思いの丈を綴りたいと思います。面白みもなく、拙い文章ではありますが、興味のある方は最後までお付き合いくださると三重野と久保も喜ぶと思います。


「憧れの人は誰ですか。」

そう聞かれたら迷わずに

「時松正です。」

そう答えるだろう。実の父である。憧れの人に父親を挙げるなんてイタイ奴だ。自分でもわかっている。でも、1ミリも恥ずかしいとは思わない。時松正は凄い人だ。自信を持って言える。

時松正(52歳)現役の競輪選手である。52歳になった今でも自転車を漕ぎ続けている。キングカズかキングタダシか。今もプロのスポーツ選手として活躍している父を心から尊敬している。父のおかげで私は幼い頃から素晴らしい環境で生活することができた。競技は違えど、自分が目指すプロスポーツ選手が一番身近にいたのだ。

幼い頃はよく父の一般道路での練習についていった。長い直線に差し掛かったとき、母が運転する車の後方に取り付けられたゴムチューブを自転車のハンドルに引っかけ、車と同じスピードで自転車を漕ぐ父の姿が目に焼き付いている。今思うと危険すぎる練習である。漫画の世界でしか見ない練習だ。私たちの後方からきた車の運転手の目が飛び出ていないか心配になってしまう。

家にも道場がある。パワーマックスやローラー台があり、父の練習中はリビングまで荒い呼吸が聞こえてくる。サッカーをしている人であれば、自分で自分を追い込むことのキツさ、難しさがよくわかるだろう。個人での練習はさぼろうと思えばいくらでもさぼれるし、一緒に鼓舞し合う仲間がいない分、よりきついはずである。しかし、父が弱音を吐いたところは一度も見たことがない。これは母から聞いた話だが、父はパニック障害だった時期があったが、母にすらそのことを話さずに自分で克服したそうだ。(言っちゃいけないやつだったらごめんなさい)。

今思うと、中高生になったころから父の身体に湿布を貼ることが多くなったように思う。22歳を迎えたばかりの私が疲労が取れにくくなり老いを感じているのだから、父の身体が悲鳴をあげていることは明らかだろう。にもかかわらず、今でも毎日のように鍛え続けている父は化け物である。そんな化け物は、自分で自分を追い込み、練習量も半端ではないが、恐らく同じくらいの時間は身体のケアをしていると思う。「身体」について人一倍気を遣ってきたからこそ52歳を迎えた今も現役でい続けられているのだろう。そんな父から身体の使い方や走り方については昔からアドバイスされてばかりであった。幼く、素直に聞けなかったからこそ、現在チーム1の鈍足になってしまったのだろう。後悔しかありません。

なんだか父との思い出話のようになってしまったが、私の憧れの人は父親ではなく、時松正という競輪選手である。(もちろん父親としても尊敬しています。)

プロのスポーツ選手としてどうあるべきなのか。22年間、時松正という素晴らしい選手を見てきて、今、大学サッカー、そして、サッカー人生が終わろうとしている自分はプロとしてふさわしくない選手だと自分でも感じている。この辺りの思いについては4年間の振り返りとともに卒業ダイアリーに綴ろうと思う。

さて、そんなことを部員ブログに書くなと怒る父親から今にも電話がかかってきそうなので、今回はこの辺で終わりにして早く携帯の電源を切っておこうと思う。この内容を書くかどうか迷ったが、書く決心がついたのは、少しくらいはプロを目指す同期や後輩の刺激になると思ったからである。私は父を身近で見てきたにもかかわらず、父のように本気でトレーニングすることも、身体について本気で考えることもできず、結果としてプロという夢を諦めることになった。このブログを読んで、少しでも多くの人が52歳のおっさんに負けないように頑張ろうと思ってくれたら、私が父に怒られることもないと思うのでよろしくお願いします。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

明日は、今シーズン副主将、そして守護神として最後尾からチームを支えるあの選手です。ミーティングの司会を務めるなど、しっかり者に見えますが、実はアホです。前日の食事を忘れてしまうので週に8回は国分寺の某カレー屋さんに行ってると思います。そんな彼がどんなブログを書くのか楽しみです。

#紫志尊々 #jufa #大学サッカー

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