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遥卒業するってよ

遥です。いつもありがとうございます。
橙幻郷に来たのは2017年の秋なので、3年半が経ちました。
とてもあっという間な3年を過ぎ、最近は少し緩やかに時が流れていた気がします。

2017年の夏頃、橙幻郷で店長をしませんかとご連絡をいただきました。

メイド喫茶マニアだった私は橙幻郷が良いお店だと知っていたので、恐れ多いですが力になれるならと入社を決めました。

それから、「良いお店」であり続けることの難しさをすごく実感しました。

「良いお店」だと思ってくれてる人の期待を裏切らないように毎日「良いお店」でいる、それだけのことだけど本当に険しかった。
橙幻郷のメイドはとても頑張っているしたくさん気を配っていて可愛くておしゃれで、ご飯もお菓子も仕込み、レジも掃除もやるすごい女の子ばっかりです。

それでも毎日「良いお店」でいるのはとても難しい。
何もわからない状態で入社しまず仕事を覚え、その後は際限なく降りかかる小さな課題をひとつひとつ取り組んでいたら毎日があっという間に過ぎ去っていきました。

最初は店長なんて柄ではないポジションが居心地悪過ぎた私でしたが、色々な経験をさせていただき多くの自信をつけさせていただきました。

何でもない自分にこの環境を与えてくれたみどりさん、この場所を繋いでくれた詩音さん、一緒にたくさんの難題に挑んだメイドさんたち、
新しく引き継いでくれるメイドさんたち、そして全てを見守って楽しんでくれたお客様のおかげです。
本当に感謝しかありません。

はじめから自分には分不相応な「橙幻郷の店長」という場所を正しい人に渡して辞めたいとずっと考えていました。
2年間くらい全力で働いて、店長をやりたい人に綺麗に整えた場所を渡してスムーズに辞めたい。
しかし実際のところ分不相応とは?私は店長になったから店長になりました。
誰から見ても完璧な店長にはなれないけど、店長というポジションが自分を変えていきました。


橙幻郷に入るまではいくつもアルバイトしながらたまに個人で美術展を企画したりして生きていました。

作ることも観ることも批評を読むのも好きで、どこにでも1人で出掛けてふらふらしてるのが好きでした。
アルバイトでは尊敬できる年上の女性にかこまれながら下っ端として動き回っているのが好きでした。

そんな時に突然メイドのリーダーになって、女の子たちと日々コミュニケーションをとり一緒に働く毎日になって、自分の性格もだいぶ変わった気がします。
橙幻郷はたたら場みたいです。(ジブリ作品で何が好きと聞かれたら、前は「千と千尋の神隠し」だったけど今は「もののけ姫」です。エボシ様が好き)

考えてみたら私の人生にもう2度とこんなことはないのかもしれない。

得意なことと苦手なことに分けたら、たくさんの人とまめにコミュニケーションをとりながら働くことはきっと苦手な方に入るのではないかな。
毎日が早すぎて全員とちゃんと話せてるわけじゃなくてよくわかんないことたくさんあるけどメイドみんなのこと好きだよ。
働いている人にとってもここが日常系アニメみたいな優しい世界であってほしい。

辞めることをずっとずっと意識して働いていた私でしたが、具体的にいつ辞めようと決めるのは本当にちょっとしたきっかけでした。

いろんなことを心配していましたが、退職の準備をしながらこれなら辞めても大丈夫だと思えました。
決めてしまえば気持ちは自然と次に向かっていきます。

店長はひまりちゃんに引き継ぎ、そして発表は少し後ですがもうひとつ良いお知らせがあります。
ひまりちゃんの良いところはたくさんありますが、優しくてみんなに配慮ができる人なのでこれからも橙幻郷は大丈夫です。

人が変われば変化はあります。
それは誰かの居場所を奪ってしまうようなことにもなるのかもしれません。
私がやってきたことも、誰かにとっては好ましくないこともたくさんあったと振り返るけれど、
橙幻郷はずっと「良いお店だね」って言われていてほしい。
私が店長としていた期間もそんな橙幻郷のひと時代になっていたら嬉しいです。

これからの橙幻郷も、あなたにとって良いお店であり続けてくれるだろうと思っています。

2020年の3月、今振り返ればあの月が節目になってしまって、4月から今までずっと「緊急事態」が続いています。
1年以上も緊急事態なんて混乱してくるよね。
以前の虎の巻で泳いでいく店作りはもう続けられないから、少しずつ考え方を切り替えて新しい価値をお見せする方法をずっと探ってきました。
何か実現したいもののために頑張るのは楽しかった。

いつだったか夕陽ちゃんが「今の橙幻郷は最強」と言ってくれたことがあって、こっそり設定した目標のために色々がんばってきたので、最強まで辿り着けたならとても嬉しかったよ。
もちろんみんなの力なんだけど関われたことが嬉しかったです。
私が作りたいと思っていたものは、ひとまず達成された瞬間もあったと信じています。
でも緊急事態にうやむやになってしまって、強い理想が今は見えなくなってしまいました。


秋葉原は毎日がとても早いです。
メイドカフェの日々はひたすら一回性の連続で総評する事なんてできないから失くなった後にふとどこかで思い出したいな。

本当は、この事態が終わったら戻ってきてくれるかもしれない人たちを変わらないテンションで待っていたかったんだけど待てなくてごめんなさい。
特に最近は人も戻り始めたし、せめてオリンピックが終わるまで待てばよかったのかもなんだけど待てなかった・・。

しばらくはぼんやりしようと思います。

こんな自分をメイドとして、店長として、受けいれてくれてありがとうございました。

貴重な時間を一緒に過ごせて本当に幸せでした。
メイドさんと働くのは楽しいので、皆さんにおすすめしたいです。

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2021.6.21
橙幻郷店長 七菜未遥

2021.8.21卒業イベント

2021.8.31最終お給仕

2021.7.18 ひまり生誕&店長交代イベント

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