[Breaking NEWS]Jujuスーパーフォーミュラデビュー

2024年1月19日。Jujuこと野田樹潤がTGM Grand Prixチームからレビューすることが発表されました。
日本の自動車レースの最高峰であるスーパーフォーミュラ(以下SF)に、日本人女性が参戦するのは史上初のことです。

こちらはご本人のブログ。

ITMediaねとらぼ(IT系ネットニュースサイト)でも取り上げられました。

・Jujuはどんなドライバー?

Jujuは、2006年生まれで、現時点で17歳。2月2日生まれなので、今年の開幕までに18歳になります。
父は元F1ドライバーの野田英樹。
4歳からレーシングカートでレースデビュー。2020年に14歳でデンマークのF4選手権に参戦、22年には女性ドライバーによる自動車レースWシリーズにも参戦。
23年には旧型F3マシンを使用したイタリアF2000トロフィーやユーロフォーミュラオープンに参戦し、女性ドライバー史上初優勝を遂げています。
そして、12月のスーパーフォーミュラ合同テストにも参加。
初めてのSFマシン、ほぼ未経験の鈴鹿サーキットでトップから約2秒落ちという好タイムを出し、関係者からも高評価を得て、今回の参戦に繋がりました。

まずSFに女性ドライバーが参戦することが異例のことです。
近年ではヨーロッパのF2に参戦していたコロンビア人のタチアナ・カルデロンがSFに参戦しましたが、コロナ禍での参戦ということもありシーズン通してのフル参戦とはなりませんでした。
その前となると、1997年のアイルランド人のサーラ・カヴァナ(2戦のみ)、さらにその前となると1980年代まで遡ります。

そして、男女関係なく18歳でのデビューは史上最年少デビューとなります。
SFの2つ下のクラスであるF4は「限定Aライセンス」が必要で、カート等で優秀な成績を残していれば16歳でデビューすることも可能ですが、F3(現在はSFライツ、もしくはフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ)に参戦するにはF4等のレースで年間ランキング3位以内に入る必要があります。
近年では日本国内に居て18歳でいきなりF3デビューすることも珍しく、F4からF3を経て、SFデビューするのが一般的です。
1つのカテゴリーを1年目で結果を出して順調にステップアップしたとしてもSFに上がる頃には19か20歳になっているのです。
F1ドライバーの角田裕毅もF4を2年、そこから海外に行ってF3、F2を1年ずつでステップアップして20歳(5月生まれなので21歳になる年)でF1ドライバーになっています。
Jujuは14歳から海外に出ることで、18歳までにF4、F3マシンを経験し(更には、BOSSGPという旧式のF1マシンを使用したレースにも参加)経験を積み重ねてきました。

Jujuのプロフィールはこちら。
Official http://juju-driver.com/
WikiPedia https://ja.wikipedia.org/wiki/野田樹潤

・Jujuはどこまで活躍できるのか?!

正直分かりません。誰もわからないでしょう。ご本人や関係者さえ。
全く前例がありませんので。
一番懸念されるのは、ドライビングスキルよりもフィジカル面だと思います。
レースに詳しくない方はイメージ湧かないかもしれませんが、レーシングカーの運転は腕力と心肺能力が要求されます。
SFはパワステが付いていますがタイヤのグリップが高くダウンフォースも大きいので市販車とは比べ物にならない腕力が必要になります。
また、F1では5G以上(5G=重力の5倍。体重50kgであれば250kgの力がかかる)の横Gがかかります。F1に匹敵すると言われるSFマシンでもそれに近いGがかかると思われますので、ヘルメットを被った頭を支える首の筋力が要求されますし、強力なGにより血液ごと引っ張られるのでそれに耐える心肺機能が要求されます。
しかし、12月のテストではトップタイムから2秒落ち(通常の予選ではトップー最下位の差が1.5秒くらい。初走行と思えば驚異的と言って良いタイムだと思います)というタイムを記録し、1日当たりの走行距離も約80周を走りきりました(1レースは35周)。
期待せずにはいられない走りだったと思いますし、だからこそ、チーム側も、マネジメントを行っている父の野田英樹氏もGoサインを出し、今回の参戦に至ったのだと思います。

いきなり上位で優勝を争うのは難しいかもしれませんが、なにせまだ18歳。SFを3年やってもまだ20歳です。
前述のフィジカル面でも、そして周囲のドライバーの能力がこれまでと違いますので彼らから学ぶことも多々あるでしょう。
成長の余地はたっぷりあると思いますので、今後には期待したい所です。

女性ドライバーが、ここから更にステップアップしようと思った時、前例の無いことですから色々なことがあるとは思いますが、ウェブサイトにも書かれている本人のモットー「負けても諦めない」を信条に頑張って欲しいと思います。

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