今年のBMSTでの新記録(1)
まずこの記録を見てみるもさ。
Category II - Group B3 - Division C - Type V - Cyl. 2 - over 2000cc to 2500cc
となっているもさね。
しかし。Micah MCCLOSKEY氏のFaceBookに掲載されている画像を紹介するとカテゴリー2(2輪駆動)には見えないもさ。
思わず目を凝らして「この2つの前輪に駆動系が?」と観察したくなるもさ。
しかし別の部分に目を凝らせば答えは書いてあるもさ。
具体的にはテールの「JIMS」と書かれた青い広告の下に目を凝らすと
マクロスキー氏のマシンは明らかに
カテゴリーI(単輪駆動)
グループB3(トライク)
ディビジョンC(ストリームライナー)
2500ccの2気筒
もさ。
なぜかエンジン種別が書いてないもさが、エントリーシート(下記)
の「Type」欄に「過給」と書いているはずもさね。
公式サイトでは今年からの分類「ストリームライナーでも火花点火過給エンジンはタイプ2」ではなく「タイプ5」になっているもさ。
これもそのうちに修正されると思うもさ。
カテゴリーつまり駆動輪数の誤記の原因は、モサには判らないもさ。
マクロスキー氏が「カテゴリー」欄に「2」と誤記したのか、FIMの人が「グループB3つまりトライクなんだからカテゴリー2だろう」と思い込んだのかは知らないもさ。
さておき、このマシンはFIMにおける「ストリームライナー」の定義を示すもさ。
見てのとおりタイヤ3本のうち2本は露出しているもさが、ライダーは完全にストリームラインの内部にあるもさね。
これがストリームライナーの定義もさ。
レギュレーションブックにも「ライダーを完全に覆うストリームラインフェアリングを備える」(大意)をストリームライナーの定義としているもさね。
しかし、もちろん前輪や前輪サスペンションもフェアリングで覆った方が「空気抵抗は」確実に減るもさ。
マクロスキー氏がそうしなかったのは整備性やコース縁の見切りのしやすさを重視したのかどうかは知らないもさ。
さて近年の固定脚式の軽飛行機には、古い設計の引き込み脚軽飛行機と同じエンジンでより速いものがあるもさね。
そういった機体が備えるホイールパンツとサスペンションスパッツを履かせれば記録がもっと伸びると思うもさ。
確実に整備が面倒になるもさが。
マクロスキー氏のマシンが搭載しているのは2500ccの過給エンジンもさ、300km/h超えの記録を期待したいもさね。
なお、2輪(およびサイドカー)のストリームライナーの場合はライダーの頭部を囲むフェアリングの上に燃料シャットスイッチ、点火系シャットスイッチを装備することが義務付けもさがトライクでは側面配置でも車検通る様子もさね。
それはそうと、マクロスキー氏のマシンのフロントにはブレーキが見当たらないことに気づかれた人もいると思うもさ。
ストリームライナーのホイールブレーキは1系統備える義務はあるもさが、メインブレーキはパラシュートもさ。
外から見えないもさがリアホイールにブレーキがあり、パラシュートがフェアリング内部に装備されていれば良いもさ。
もうひとつ、マクロスキー氏の"ファイブボール・レーシングトライク"には特徴的な点があるもさ。
ストリームラインサーフェスの殆どが「可展面」つまり曲げ加工だけで作れる曲面(ガウス曲率ゼロの面)で作られていることもさね。
飛行機で言うとBf109とかエアロスバルFA200とかパイパーPA28とか、そして極めて意外なことにノースアメリカンP-51などが「絞り加工や伸ばし加工なし、単に曲げるだけ」で形成できる曲面で胴体を作っているもさ。
P-51は何十もの「さまざまな頂角と半径の円錐面から切り出した面」の組み合わせで、一見するとストレッチプレスが要りそうなあの胴体形状を作っているもさ。
これはコストと精度で有利もさ。
「設計どおりに作る」と言う単品制作の困難を事前に解消できるもさね。
もちろん、どうやって作るか気にせずに絞りや伸ばしを要する曲面で作る方が空気抵抗を「風洞模型やCFDでは」減らしやすいもさ。
しかし、風洞模型やCFDモデルの形状を正確に反映することに苦労するもさね。
次の記事は……電動(タイプ7パワーソース)150kg級パーシャルストリームライナーで従来の記録157.625km/hを一挙に289.750km/hまで更新したLouis-Marie BLONDEL(ルイス・マリー・ブロンデル)氏のマシンについて記事を書いてみたいもさ。
が、気の迷いを生じて空力の話をしたり、空力の話から流れて現在挑戦者決定レース中のアメリカスカップヨットレースの話をしたりするかもしれないもさね。
期待しないでお待ちいただきたいもさ。
例によって、最後の行だけ有料もさ。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?