アニメ「ゲッターロボアーク」が面白かったのに胸を撫で下ろせない自分

先日、ゲッターロボアークがいよいよ放送開始した。当然、史上最速のAT-Xで見た。
漫画版ゲッターのアニメを生きている内に、しかも20代の内に見れるとは!製作発表を聞いたときは狂喜のあまり転げ回ったものだ。
制作陣もほぼ全員、漫画時代から妄想していたものとドンピシャだった。ソシャゲなら限定SSレアを無料チケットで全部引いたような嬉しさだ。

学生時代にゲッター線を浴びて以来約5年。
OVA三部作で物足りなくなった私は原作漫画版の存在を知り、アマゾンで中古を探し、さらには秋葉原まで駆り出てサーガ版を全巻揃えた。

さて、肝心のアニメ版第一話は良かった。
石川キャラが原作まんま動いている。コンビニ愛と石川愛に溢れたアニオリシーン。一部を除いて漫画版に忠実なモブキャラの顔。
原作を映像作品としてうまくアレンジした一話だった。

作画作画言ってる連中も多いが、ぶっちゃけ平常運転だ。
『真(チェンジ!)ゲッターロボ』以降のダイナミックロボ作品はだいたいあのくらいだ。そもそもロボットプロレスに余計な繊細さはいらない。

視聴後、興奮のあまりリア友やネットの友達に言うのだ。「ゲッターすげえ良かった!みんな見てくれ!」
その言葉をまるで私自身にも言い聞かせるように。

そう、今回の出来に全く不満は無かったのに、むしろ大手を振って喜びたいのに、なにか引っかかっている自分がいたのだ。

おそらく自分の中でアークをあまりに神格化しすぎている故にハードルがあまりに高くなっていたのだろう。
原作の尺、早乙女博士やタイールの登場予定を見れば、原作に何らかの補完シーンが加わるのは明らかだった。

今回のアニオリシーンはケンイシカワ遊園地と言うべき素晴らしいものだった。漫画版『號』にあたるわずかな回想シーンも鳥肌が立った。
だが、次回も同じ調子で続くのか?
昭和の王道ロボアニメを意識しすぎてダークな原作の作風を壊さないだろうか?
バンダイのエゴ丸出しなオリジナル設定で白けさせないだろうか?

アークの商品化を急ぐあまり一文字號たちの活躍は削除されないか?
原作『アーク』に出てきたゲッター號型機体とかちゃんと出してくれるのか?
(超合金が発表されたりしてるし権利的にはOKだとは思うが…。)

原作を舐め回すように見たファンだからこそ、重箱の隅まで気になってしまうのだ。
当然、モブの顔も全員チェックした。そしてほぼ全て再現されていたので安心した。OPの群衆の顔がいい加減だったので地味に心配だった部分だ。

まあでもいろいろ不安はあれど「アークって今やってるアニメでしょ?」って他の人が言ってくれるのを聞く度に思わず誇らしくなってしまう。
今まで隠れた名作に甘んじてきたアークがこうして純度の高い形で多くの人に知られるようになったのだから。

石川賢の残り香が多くの人に広がり始めたこの世界線に生まれたことに、ひとまず感謝しよう。

2021/07/12追記:號ちゃんと出てました。神作確定。

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