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富士登山にみるこころとからだの成長

幼少年期の運動発達の師と仰いでいる池田裕恵先生と久しぶりにメールでやりとりをした。先生との出会いは数年前の「幼少年体育指導士認定講座」がきっかけである。年に数回行われるこの講座も夏前の開催は中止になり、夏以降も予断を許さない事態となっている。何か一緒にできることはないかと相談を受けたので思案することにした。

さて、今回はその池田先生の著書「5歳児、みんなで富士山に登る」を紹介したいと思う。「卒園記念に5歳児クラスが富士山の頂上まで登る」この話を初めて聞かされた時には本当に驚いた。大人でもリタイアするほど厳しい登山を毎年全員がクリアしているというのだ。準備段階での苦労や登山途中でのハプニング等、子どもと共有する体験から保育者、保護者も成長する。こころが育つとは?からだが育つとは?自然に触れて育つとは?どういうことなのか実体験を通してわかりやすく記されている。子どもに対する大人の関わり方について見つめ直すいい機会だ。活動の概要は動画にまとまってるので参考まで。


現在、子どもの運動スポーツ指導の現場は草刈り場状態である。今回の非常事態宣言を受け、今後スクールやアカデミー事業者には新たな形式が求められる。今まで大人側からの偏った視点で運動やスポーツを捉える傾向があったことを反省したい。子ども自身が自分のからだや健康、運動への関心をもち、それらの大切さに気付くための働きかけが大事である。手洗い、うがい、歯磨きから始まり、ケガや事故の予防まで子どもたちの自立を見通した関わり方を考えなおしてみたいと思うようになった。若木保育園でのカリキュラム構造はとても興味深く、皆さんにとっても今後の活動のヒントになるのではないかと思いこの本を紹介した。

どんなに優れた保育者でも保育活動でも、自然に勝ることはできない。自然は、最も優れた保育者である。富士登山は、いわゆる「登山」が目的ではない。「生き延びる」ための身体の活動である。2004年、若木保育園園長の金子義男さんの言葉だ。2020年、人間は自然から何を学ぶのだろうか。

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