【自分用】Targeted inhibition of EPAS1−driven IL-31 production by a small-molecule compound

Yasuhisa K et al., J Allergy Clin Immunol. (2021)


本研究では、スクリーニングによりIL-31の発現を抑制する新たな化合物が見いだされた。

末梢におけるIL-31は、
・ヘルパーT細胞により放出される
EPAS1(転写因子)が核内移行しSP1と複合体を形成し、IL-31を転写する
DOCK8欠損マウスにおいてIL-31は増加し掻き動作を誘発する


EPAS1-IL31経路を標的にスクリーニングをかけたところ、IPHBAと命名したものがTcellの生存性を損なうことなく、DOCK8欠損マウスTcellにおけるIL-31の発現を抑制した。(他のサイトカインの発現に影響を与えることもなかった)

また、IL31誘発性掻痒モデルマウス(Tcell移植)にIPHBAをp.o.すると100 mg/kgで掻き動作が抑制された。

次に、クロマチン免疫沈降法を用い、IPHBAはEPAS1とSP1の会合を抑制することでIL-31放出を抑制していることが示唆された。

最後に、ヒトAD患者のTcellを用いIPHBAの評価を行った。
すると濃度依存的にIL-31の産生を抑制した。


実験的にはそこまで大掛かりなものでもないのにこの雑誌に投稿できたのは、おそらくスクリーニングから実際にヒト組織でも確かめられたというところに有用な点があったからであろう。

だが、p.o.させた実験では用量がすこし多く、確かに組織ではヒトでも有用そうというのは確かめられたのだが、現実性があるのかと言われるとそこはまた違うのかなという印象を受けた。

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