【自分用】脊髄投射ニューロンにおける皮膚感覚の情報はどのようにコードされているのか?
2021.12.11 蜂須賀 淳一 先生
疼痛学会シンポジウムより
Choi et al., Nature, 2020
脊髄投射ニューロンにおける分子マーカーとして1層、2層outerでTacr1、Grp83を見出した。
投射ニューロンのうち43%がTacr1陽性、36%がGrp83陽性、14%がこれらのMerge。おそらくこれらは別々の機能を有しているであろう。
調べると、これらはPBNの中でも異なる領域に投射することが分かった。
また、これらの様々な皮膚刺激に対する応答を調べた。
するとGrp83の方が機械刺激にセンシティブでTacr1の方が熱刺激・化学刺激に対してセンシティブであることが分かった。
次にこれらのニューロンに情報を伝達するインターニューロンについて解析を行った。
すると、CGRP(peptidergic)をオプトで活性化させたときはTacr1のみEPSCが観察された。
同様に確かめていくと、MrgB4(触刺激C-fiber)ではGrp83のみ、MrgD(non-peptidergic)ではどちらも、TrkB(Aβ)ではGrp83のみという結果だった。
では、冷刺激はどうだろうか。
Hachisuka et al., Pain, 2020
投射ニューロンを分類すると、冷刺激特異的に応答するのは約4割。
また、このニューロンではTacr1(NK1R)の発現は少ない。
また、spontaneous EPSCsもほとんどみられない。
次にダイノルフィン神経からの抑制性入力を調べてみると、IPSCは確かにみられるが、他の投射ニューロンと比べると小さい。
投射ニューロンの選択的なマーカーの調査
Roome et al., Cell Rep., 2020、Alsulaiman et al., Sci Rep., 2021
Phox2aは胎生期、周産期に一過性に脊髄プロインジェクションニューロンに発現。➡creマウスを用いて標識できないか?
全てではないが、少なくとも一部のニューロンの標識に成功。これが何かのポプレーションを表しているのかどうかは検討課題。
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