【自分用】Longitudinal intravital imaging nerve degeneration and sprouting in the toes of spared nerve injured mice

Han-Yuan Yeh, et al., J Comp Neurol (2021) 3247-3264

【背景】
・慢性損傷ニューロンは自発的な活動により痛みを引き起こすが、隣接する無傷ニューロンも自発的に活動するようになる
・この隣接無傷ニューロンは側枝の発芽を開始させることも示唆されている
・神経損傷後の末梢線維の変性・発芽と疼痛との関連は未解明である
・Nav1.8チャネルは、テトロドトキシン(TTX)耐性電位依存性ナトリウムチャネルであり、60〜80%の小繊維で構成されており、神経障害性疼痛におけるNav1.8の重要な役割を示唆されている
【方法】
・Nav1.8-cre :: tdTomato(Nav1.8-tdTomato)マウス
・Thy1-GFP マウス
・MrgD-GFP マウス
※Thy1プロモーター:ニューロン特異的
※MrgD:Mas関連Gタンパク質共役受容体D、非ペプチド作動性神経特異的
・2光子レーザー顕微鏡により観察(マウスに麻酔をかけ撮影)
・SNIモデルマウス

 まず、それぞれ(Nav1.8-tdTomato、Thy1-GFP)のマウスの標識がなされているかを確認した。
すると両者の標識を確認し、後者の方がサイズが大きかった。
よって後者が大きな一次求心性線維を、前者が小さなものを標識していることが示唆された。

次にこれらのマウスでSNIモデルを作製した。
どちらも同様に機械的アロディニアを発症した。

そして、Nav1.8-tdTomatoマウスを用いてSNIモデルを作製し、つま先を二光子レーザー顕微鏡で観察すると、第五足指では部分的に変性した後発芽し始め回復へ、第三足指では完全に変性した。

第三足指(中指)のつま先はSNI処置により切断される総腓骨神経・脛骨神経に支配されているが、第五足指(小指)は主に無傷の腓腹神経によって支配されている

また、同様にThy-GFPマウスにおいて実験を行ったところ、第五足指では三日以内にほとんどが変性し、第三足指では三日以内に全て変性した。

さらに、同様にMrgD-GFPマウスにおいて実験を行った。GFPによって標識されたこの線維は、痛みの情報を伝える役割がある。
第五足指では、処置後二日以内にわずかに神経叢と終末の減少が見られた。
一方。第三足指では、二日後には完全に変性した。


結果をまとめると、SNI処置後、3日以内に大小の末梢神経が完全に変性し、そのタイミングがアロディニアの開始と並行していた。また、14日以内に第五足指の神経叢、自由神経終末は生き残るものもいて(部分変性)発芽することも分かった。

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