【自分用】GRPRニューロンの分子内メカニズム

GRPR/PI3Kγ: Partners in Central Transmission of Itch
Paula et al., J. Neurosci., 2015

  • Fig. 1
    GRPは培養DRGニューロンへのCa流入を誘導した。また、その応答性は他の掻痒物質をかけた時よりも大きいものであった。
    さらに、そのGRP応答ニューロンは大部分が小径であり、そのすべてがカプサイシン感受性であった。このことはTRPV1+DRGニューロンに機能的なGRPRが存在することと一致する。
    そこで、GRP応答ニューロンからカレントクランプで記録すると、GRPをかけた際に脱分極を示した。

  • Fig. 2
    RCあるいはPD176252(いずれもGRPRアンタゴニスト)を用いて、GRPRニューロンのGRP応答の特異性を評価した。
    もちろんGRP応答はRCによりブロックされたが、カプサイシン応答およびKCl応答(脱分極剤、K+が細胞外にでなくなるため)はブロックされなかった。

  • Fig. 3, 4
    フローサイトメトリーで様々なMAPキナーゼの活性化を評価した。GRPを処理した群ではAktリン酸化が増加したが、p38、ERK1/2のリン酸化には影響を与えなかった。これらのデータはPIK3Kγ/Akt経路を介していることを示唆する。
    また、PIK3Kγ選択的阻害薬は濃度依存的にGRP誘導pAkt発現を抑制した。
    この仮説をより確かめるため、HEK239を用いてウエスタンブロットを行うと、GRPRトランスフェクト細胞でpAkt/Aktタンパク質発現レベルが有意に増加した。

  • Fig. 5
    最後に行動レベルでPIK3Kγ選択的阻害薬の評価を行った。
    GRPのi.t.による掻き動作はPIK3Kγ選択的阻害薬の経口投与によりブロックされた。また、AEWモデルを作製し同様に評価を行うと、これも掻き動作を抑制した。


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