始まりは文化祭

毎週金曜日の20時から沖縄県のRBCという放送局にてオンエアされているラジオ番組「シンカの学校」に投稿したラジオドラマの話です。どこかに記録しようと思い、ここに書き出した次第です。短いので軽く読めると思います。


始まりは文化祭

文化祭まであと2週間。
実行委員長に選ばれた私こと真栄城美鈴は超多忙だ。展示物や看板の設置、催し物の進行のチェック、配布資料の準備や指示など、やる事は山盛りで恋をする暇もない。
「あー、このまま私の青春は終わるのかなー」と委員会室で呟いていると、実行委員の山里マサトシが入ってきた。
「委員長、大変です!」
「どうしたのマサトシ」
「ライブイベントのゲスト、エイトモップスが出れなくなりました!」
「な、何で?理由は?」
「ドラムがクビになったそうです」
「何それ!そんなの文化祭の後にすれば良いのに!」
エイトモップスは我が校のOBで売れっ子のバンドだ。文化祭の目玉だったのに、出ないとなると代わりを探さないといけない。
「代わりのバンドはいるの?」
「こんな急じゃ探せません。無理です!」
絶望的だった。どうしようかと途方に暮れていると、もう1人の委員であるマリコが入ってきた。
「美鈴、一つ提案なんだけど、私たちでバンドやらない?」
「ええー!無理でしょ!無理無理!」と否定したが、何故かマサトシは乗り気でドラムをやると言い出し、後輩で歌の上手いリホミも連れてきて、マリコはギター、私はベースと即席のバンドが結成されたのだった。
それが、私たちバンドがプロとして活動する始まりだったとは、この時は誰も知らなかった。

終わり

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