StarTrek: Picard #10の感想など

※ネタバレ含むことになると思います

 シーズン1の最終話は大感動で終わりましたね!最高でした。

 やっぱりナリッサは生きてましたね。どうやってあの数のボーグを…しかしセブン・オブ・ナインとの一騎打ちは分が悪かったようです。隠しナイフも捨てられて素手格闘となれば、日夜実戦に挑んでいるセブン・オブ・ナインには誰も勝てません。そしてセブンはブルーの仇を討ってくれました!胸が空きましたよ。

 ナレクは落ちこぼれのコンプレックスから、姉に反抗的な態度を取っていたんですね…姉から受け取った爆弾を抱えて向かった先はアンドロイド村、ではなくリオスの船。詐欺師よろしくリオスとラフィ、無邪気なエルノアを口説いて、人類生存のためと通信装置の爆破作戦に協力させました。彼は生き残りましたが、エピローグに出番なかったですよね?あったのかな。もう一度見返します。

 リオスは爆弾をサッカーボールに忍ばせて村に持ち込むことに成功するものの、ソージにパス。ソージは上空に放り投げてなんの意味もなく爆発…。これってリオスがナレクの裏をかいたってことなんですかね。それともソージが上手だっただけ…?最終的にジュラティと結ばれたのは意外でした。

 オルタン・スン博士は、復元したサーガの視覚メモリを見て、スートラの企てに気が付きました。あくまで人類に与せずマッド・サイエンティストのままでしたが、浅ましい人間そのものに成り果てたスートラを許せなかったとは皮肉なものです。

 やはりジュラティ博士はピカード救出のためにスパイ活動をしてくれました。なかなか堂に入ったスパイぶり(笑)コッペリアに残ってオルタン・スン博士のアシスタントにでもなるかと思っていましたが、リオスの船に戻りましたね。これも意外。

 ピカードはジュラティ博士に救出され、リオスのいない船を自ら操縦する一連のシーンがとても良かったです。あの余裕の無さ、おしゃべりなジュラティ博士との掛け合いに、TNGで単独休暇を過ごすつもりがトラブルに巻き込まれるピカードを思い起こします。

 そしてライカー!臨時艦隊長として、宇宙艦隊が正式にピカード、そしてコッペリアの人々をロミュランの手から護るために来てくれました!オウ准将との掛け合いは往年のライカーと変わらない威風堂々たるもので、とても胸アツでしたね。9話でピカードが行ったファーストコンタクトがここで効いてくるのはいい展開でした。そしてロミュラン撤退後のピカードとライカーの会話は痺れました。ピカードが愉しんでいる(比喩)のにピザなんて焼いてる場合じゃない、なんて、いかにもライカーらしい言葉です。

 ソージは爆弾も上手いこと処理して装置を起動、ポータルを開けてしまいましたが、文字通りピカードが命を差し出すことで思い留まってくれました。ピカードの言葉に込められた、人間の限りある命の価値、人工生命だろうと生命として敬意を払う人間がいるということ、ロミュラン人であろうと分かり合えることを信じるという、とても大きな進歩があの短い時間の中にあったように思います。そして最後はリオスの船に乗船してくれました。

 視聴者の多くが、ピカードが倒れた後にどうなるかは分かっていたと思います。これもジュラティ博士のお膳立てあってのことでしたね。
…なんて思っていたら、1話冒頭に似たデータとの邂逅から、まさかの夢オチ!?という展開に肝を冷やしました!
保存されていたデータの意識とつながっていたんですね。きっと、有機ベースの人工生命体に精神転写するだけではダメで、データの意識を使って覚醒させる必要があったのでしょう。しかし、そこでデータが意識だけの存在になった今でも人間でありたいと願っていることが分かりました。このあたりでもう涙が止まりませんでした。そしてラストの「発進!」でもう嗚咽。大感動のシーズン1でした。シーズン2が待ち遠しいです。

シリーズ1を見終えて感じたこと

 スタートレック:ピカードに対して、この最終話を見るまでは次のようなテーマのシリーズなんだろうなと思っていました。

・データの再来であるソージがメンバーに加わること
・ジャッド・バッシュの企みを暴いて連邦から追い出すこと
・ピカードが正式に復帰すること

しかし、実際にはもっと深くて広いテーマがありました。"愛"、そして"分かり合うこと"、です。スター・トレックの根本的なテーマとも言えますが、このシリーズにもしっかり据えてあることに全く気づけていませんでした。スター・トレックを使って現代SFドラマを作っただけなんだろうと。

 とんでもない。人類と人工生命、連邦とロミュラン、ピカードと連邦、ピカードとクルー、様々な関係に愛を以って分かり合うことの大切さ、限りある時間をどのように使うか。命とは。誓いとは。敬意とは。わずか10話の中にとても深いテーマが散りばめられていて、それが、限りある命が設定された人工生命体として復活したピカードに収斂するという結末。素晴らしいじゃないですか。これは紛れもなくスター・トレックのプライム・タイムラインの物語ですよ。完全に本編でした。

 繰り返しになりますが、シーズン2が待ち遠しいです!

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