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『UNIQU3 VOICES!!!』イベ感想──印税収入があっても推しには働いてほしい

 最高。

 同期で揃って登場した(元)#ユニ募の三人だけど、三人それぞれがまったく違う道筋を通ってスターダムを上がってきて、それで今あらためてユニットとして活動する意義が問われるのがほんとうに鋭いところを突いた展開だと思う。一緒にやる意味なんていらなかった昔とは違って、今は三人ともユニット以外での活動が当然にあって、だからこそ積極的にユニットでやる意味が必要になってくる。
 そして、そこから「#UNICUSは三人じゃなきゃダメだよね」という結論が導き出される。才能も実力もあるけど欠けたところもたくさんある三人が、三人でやるからこそ輝ける。その結論を出すためには、ふだんはドライなあかりとあきらの奥底の激情を引き出していくコミュ4話は必要不可欠だった。このふたりはある程度追い込まれないとそういうこと言ってくれなさそうだし……(だいぶショック療法ではあるが……)。

 デレマスで何度も出てくる構図として「変えていくもの」と「変えちゃいけないもの」の対比があると思う。そもそもシンデレラは容姿や衣装が変わっても、内面や靴のサイズは変わらないという話だし、アイドルもアイドルになった前と後で変えていくものと変えてはいけないものがある。
 それに加えてデレマスの最大の強みは190色のヴァリエーションで、その豊かな個性がもうひとつ重要なテーマになっている。
 #UNICUSのメンバーもそれぞれの個性を曲げずにステージに立っている一方で、人間的にはどんどん成長していっていて、それがすごく嬉しかった。変わってないけど変わっていくんだよなあ。10th記念アニメでも昔と今のあかりの対比があったけど、時間の重みのありがたさが感じられるのはほんとうに嬉しい。
 サマーサイダーもそういう路線だったけど、こういう感じでまとめていってくれるのなら今後もいろいろと期待してしまう。

 細かい話について雑記。
・夢見りあむがずっとアイドルに対して真剣なのが良かった。安部菜々さんもそうだけどアングラから登ってきたアイドル特有の芯のブレなさみたいなのを感じた。りあむにとっては自分が辞めることよりも仲間が(というより推しが)辞めてしまうことのほうがよっぽどやなんだろうな。個人的にもりあむに感情移入してしまって、自分の熱意が周囲から浮いていて、周りのみんながあっさり辞めちゃうみたいなことって現実でもけっこうよくあるだけに、妄想のあかりとあきらの台詞を読んでりあむと同じくらいショックを受けてしまった。
・悩みごとにぶつかったときの三人の行動がそれぞれ、
  あかり→ユニットメンバーに相談
  あきら→ユニット以外に相談(P、フレちゃん)
  りあむ→黙ってる
なのも三人の性格が出てて良い。しかも三人とも仲間に気を使った結果、そうなってるんだよな。
・ユニット曲はとにかく良くてなんもいうことなしなんだけど、あえていうと個性を強調したマイクリレー形式を取ったのは大正解だった。オタクはマイクリレー大好きだからよォ……。短い小節の中にもコミュの内容がたくさん盛り込まれていて、かれらが自分たちで考えて書いて歌っているんだなと思うとかなり味わいがある。


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