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愛国童話「ウヨ太郎」1

Twitter有志によるリレー形式の物語です。

昔、昔あるところにネトウヨのお爺さんとお婆さんがヘイトばかりしていました。お爺さんは排外デモへお婆さんは懲戒請求をしていました。

二人は「この村は侵略されている!」と勝手な妄想を膨らましていました。
お爺さんは「我が愛村がこんなにやばくなってきたのは民族党政権のせいに違いない!あいつらを征伐しよう!」と壊れたレコードのように繰返し始めました。

でも、同じ事を何度も繰り返すので村民はまた飽きてきて関心がなくなってきました。
お爺さんはついに奥の手Jアラート攻撃を、お婆さんは「中村が攻めてくる〜」攻撃を始めました。

「中村が攻めてくるぞ!」
「何とかしなくては!」
「よし、こんな時こそ米村が守ってくれるさ」
「んだんだ、オラ達その為に年貢さ払ってるしな」
米村「えっ!?助けないよ」

おじいさんはしかたなく、米村から据え付け型の大きな鉄砲を買いました。また、ドローンが発着できる船を作って、家の周りを取り囲む湖に浮かべました。
「家に飛んで来る矢を落とすためだ」
とお爺さんは言い張りましたが、どちらも隣村までも攻撃できる武器であることは明らかでした。

米村の言い値で鉄砲やドローンを買ったので、お爺さんたちの家には食べるものがほとんどなくなりました。
さすがにお婆さんが文句を言うと、お爺さんは
「そったらこと言っても中村と北村が攻めてくるからしかたないべっ!」
と言ってお婆さんを殴りました。

お婆さんが「嘘ばっかりこくでねえっ!誰も攻めて来んでねえか!」と言うので、お爺さんは一計を案じて、夜お婆さんが寝ている隙に、自分で家の屋根に石をぶつけて壊しました。
朝、お婆さんが起きて家を見て驚きました。
「お爺さんや、えれえこった!屋根に穴が空いとる!」

お爺さんはすかさず用意していたセリフを言いました。
「ちきしょう、これは不逞中村と北村のしわざに違いない!戦じゃっ!」
お爺さんは庭に据え付けた鉄砲をぶっ放し、湖に浮かべた船から、爆弾を抱えたドローンを隣村へ飛ばしました。

着弾した湖岸から、すさまじい火柱が上がりました。
湖岸の村々では、突然の攻撃に驚いた人たちが大騒ぎをしています。
「誰のしわざだ?」
「あの離れ小島の一軒家の偏屈爺さんのしわざだ」
「けしからん、反撃だ」
血気にはやる若者たちを、長老達がなだめました。
「まあまあそう慌てなさんな」
長老達は続けました。
「あの偏屈爺さんはずいぶん昔にも同じことをして、最終敵にはコテンパンにやられたんだが、コケの一念で粘りおるので戦をすると面倒なんじゃ。なに、わしらにいい考えがある。あの島では食べ物も薪もまかなえんのじゃ。対岸から運んでる食べ物と薪を止めてやれば向こうから降参して来るじゃろう。どうじゃ、このやりかたなら手間がかからんじゃろ、ヒッヒッヒ」
村の衆はなるほどと納得して、その日からお爺さんたちの島へ運ぶ食べ物も薪も全てストップしました。

ちょうどその頃、九州の方から1匹のブタが流れてきました。
ブタの首からぶら下がった名札には「まこと」と書いてありましたが、
お爺さんとお婆さんは無視して「ウヨ太郎」と名付けました。
「ウヨ太郎」と名付けられたブタはお爺さん、お婆さんにデマとヘイトを毎日聞かされ大きくなりました。

大きくなった「ウヨ太郎」(ちなみにウヨ太郎は野原を駆け巡り、食べ物を得てます。)を見て、日々の食事にも困っていたお爺さん達は涎を垂らしながらもう少し大きくなったら食べてやろうと思ってました。

ある日、せっせと懲戒請求の書類を送っているお婆さんの所へ裁判所から訴状が届きました。
ところがお婆さんは老眼の上に大量の懲戒請求書を書きすぎて目が弱っていました。それで訴状が読めなかったので飼っていたヤギさんに食べさせました。
そこへカウンターにボコボコにされたお爺さんが泣きながら帰って来ました。

「お爺さん、どうしたの?今、痛みをやわらげる薬をあげるからね」そう言ってお婆さんはポケットから大麻を取り出しました。
極太ジョイントの煙をくゆらせながらお爺さんはひらめきました。
「そうじゃ!ウヨ太郎あの反日どもやっつけてこい!」
お婆さんも賛同「ワシが作ったこの愛国饅頭を持って行くがいい」

ウヨ太郎は愛国饅頭を腰にくくりつけて、ヤギに乗って出かけました。
このヤギはお婆さんの所に届いた大量の訴状を食べていたので胃もたれしていました。その上お婆さんの大麻畑の大麻もかじっていました。

イイ感じのヤギに乗ったウヨ太郎が北関東のある村を通りかかった時、一人の絵描きの女が近づいてきました。
「ウヨ太郎さん私の絵を見てください」見るとデッサンも構図も色彩もめちゃくちゃな差別的でおぞましい絵でした。

絵描き女はアルコール依存症でした。
ピコーンとなったら絵を描くのです。ウヨ太郎が女の絵を手にとって見ていたら、ヤギさんがいきなりその絵をムシャムシャ食べてしまいました。
ヤギに食べられてしまいましたが、通常とは異なるセンスを持っているので女の絵がとても気に入ったウヨ太郎は愛国饅頭を一つ1万円で売り付け女をお供に連れていくことにしました。

ヘイト絵描き女を引き連れたウヨ太郎は九州のある村にたどり着きました。するとメガネの小男が近づいてきました。
「ウヨ太郎さん私は残酷で有名な男、きっとお役に立ちますよ!」
ウヨ太郎は残酷男にも愛国饅頭を1万円で売りつけお供することを許しました。

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