病院にかつぎこまれて「重度腰椎椎間板ヘルニア」という病名をもらったその日のこと①
思い出すと今でも過呼吸を起こしそうになるチリチリ
まるっと一日横になっていてもちっとも痛みが減らず、痛みで眠ることすらできないまま朝を迎えた7月9日。
これはタダゴトではない!
これまでのぎっくり腰と様子が違う!
マッサージや鍼灸ではとても痛みを取り除くことができそうにもない!
初めてそう確信した。
急遽、夫に仕事を休んでもらい、車で病院に運んでもらった。文字通り「行った」ではなく「運んでもらった」というのが正しいくらい、自分では何もできない状況だった。
どんな痛みだったか思い出そうとしても、今となっては思い出すことすら頭が拒否しているのだけれど、思い出すストレスで過呼吸にならない程度にじわりと思い出してみている。
ちなみに、沢井製薬さんのサイトによると、
「痛みが長引くと痛みの記憶が脳に刻まれ、それが体にも心にも悪影響を及ぼす」と書かれている。
幸い、割とすぐに痛みを止める治療に取りかかれた私でさえ、“あの痛み”は思い出すのが怖いトラウマになっているのだ。ほんと、痛みって脳を支配するんだ・・・・。
実は、腰はちっとも痛くなかった
この日、”悪さ”している本丸は腰だとわかっているのに、実は腰はちっとも痛くなかった。痛いのは右下半身全部。本当に全部で、腰から下、お尻も太ももも、ふくらはぎも、足首も、足の甲も、足の指も全部。痛みの種類は、“チリチリ”・・・。針でさすようなチクチクではなくて、(あぶられたことはないけれど)火であぶられるようなチリチリ。その痛みが、ほんのちょっと、5ミリ位体を動かすだけで、神経の線にそって下半身全体に一瞬で広がる。そういうイメージ、一瞬なんだって、ほんと。5ミリ動かすだけで、そのたびにチリチリ火あぶり状態。
これ、いわゆる坐骨神経痛というもので、主治医には「医学的に「坐骨神経痛」という病名はなく、主にお尻の辺りから太ももの裏側、足の先にかけて現れる鋭い痛みやしびれなどの症状の総称なのです」と教えてもらったのだけれど、それについてはまたおいおい。
痛みで眉間にシワが寄り、半泣き。
いてててててててて・・・という自分の声すら全身に響いて、それがまたチリチリを引き起こす。
チリチリが怖くて全身がこわばる。こわばって体の動かし方がわからなくなる、そして、いつもと違う動きをちょっとでもしようものなら、またそれそれがチリチリを引き起こす。
ぎゃーーーーーー・・・もう完敗・・・・。
動かしても痛くないのは首だけ。やっと病院へ運ばれる
家着から着替えることもままならず、そのまま、1歩20センチのよちよちで玄関へ。靴も履けないから、3センチくらい足を持ち上げて、夫にサンダルを足に引っ掛けてもらって、なんとか家の外へ。
しかし、ここからが難関だった・・・我が家のクルマ、スポーツカーだったのだ。
スポーツカーの低くて深いシートはもはや拷問。
座っているだけでチリチリ、ぎゃー、
アクセルでチリチリ、ぎゃー、
ブレーキでチリチリ、ぎゃー、
意を決して体の向きを変えて痛みをのがそう、せーの!チリチリ、ぎゃー、
別のことを考えて気を紛らわそうと、窓から外をみるために首を動かすのが本当に限界。
耐えること30分。夫の安全運転で無事病院到着。
やっとついた・・・・クルマから降りられない私に、駐車場の整理係のおじさんがすぐにクルマの脇まで車椅子を持ってきてくれたのでした・・・・。
腰痛や膝痛で有名なこの病院。タクシーや救急車で運び込まれる人も多いから、私のような人も多いのだろう。
チリチリ、ぎゃー、と叫びながら、クルマから引きずり出され、車椅子に生まれて始めて乗りうつったその瞬間、車椅子は神の乗り物だと知った。
やっと、たどり着いた病院。これでこの痛みから開放されるのだと思うと、それだけで泣きそうだった。というかマジでしくしく泣いた。
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