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金曜日のライオン〜あの歌詞がフッと浮かんだことで、すごく大事な一曲になりました(TK Friday#53より)

ここは小室哲哉の音楽世界を直接感じることのできる場所[TETSUYA KOMURO STUDIO]

2021年7月2日にオープンしたTETSUYA KOMURO STUDIOも2年目を迎え、オープン当初から続いている毎週金曜日21時からの限定ライブ配信"TK Friday"も、すでに50回を超えました。

プライベートスタジオからの音楽トークからNFTやメタバース、そしてもちろん生演奏まで小室さんの過去・今・未来が垣間見える、そんな生配信になっています。

このnoteでは、そんな"TK Friday"のほんの一部ですが切り出して、まだご覧になったことのない皆さんにもお伝えできたらいいな、と思っています。

金曜日のライオン - TM NETWORK(1984年4月21日リリース)

最初のnoteは2022年7月15日配信、TK Friday #53でお話されたTM NETWORKの記念すべきデビューシングル「金曜日のライオン」です。

アルバム『RAINBOW RAINBOW』と同時発売という、異例の待遇を受けたTM NETWORKへの期待度が伺える作品でした。

TMのデビューのきっかけとなった、フレッシュサウンズコンテストでグランプリを獲った曲は「1974」だったんですね。僕は「1974」をデビュー・シングルにしたかったんですが、TMの生みの親である、エピック・ソニーのプロデューサー・小坂洋二さんが「金曜日のライオン」の方が良いと。

今思うと、恐らくですけど、デビュー・シングルでいきなり売れると思っていなかったのかな?と笑。助走の意味合いもあったのかなと思うんですよね。これは確認したわけではないですけどね笑。(小室哲哉)

「金曜日のライオン」というタイトルの名付け親は小坂さんだったんですね!この曲の作詞は小室さんなのですが、歌詞はアフリカ(エジプトとか地中海側??)が舞台になっているそうな。

僕は作詞家としての力量は、当時はまだ全然認められていなかったので、小坂さんから「てっちゃん、まだ早い。今回はプロの作詞家に書いてもらおうよ」ということで、銀色夏生さんにお願いしたんです。

短編小説も素晴らしいし、異彩を放っていたんですけど、作詞もやられていて、特に大澤誉志幸さんの「そして僕は途方に暮れる」は代表作の一つじゃないでしょうか。その曲はかっこいい曲でもあったし、同じエピック・ソニーのアーティストということで憧れもありましたね。

その銀色夏生さんにお願いをしたのですが、丁寧にお手紙をいただいたんです、"この曲には歌詞を書けません"と。理由は分からないんですけどね。そういうわけで、小坂さんから「てっちゃん書きなさい」と言われて書くことになりました。

1982年にリリースされたTOTOの「アフリカ」が大ヒットしていたので、もしかしてそこからインスピレーションを受けたのかな?と思いますね。(小室哲哉)

そして、このときの作詞経験が、その後の小室さんの作詞家としての礎になったそう。

歌詞の後半に"生きる為のルールだから"というフレーズがあるんですけど、この一節はキャッチコピーにもなりうるなと思ったんです。"別れることは怖くない〜生きる為のルールだから"という流れなんですけど、これって生き物にとって生死という普遍的な事柄ですよね。

ひとりの女性なのかイメージしただけなんですけど、その人と別れてしまう、その2人のことでもあるし、アフリカの動物たちみたいなこともあるし、全世界の人々のことでもあるし、こういう、誰しもに当てはまるフレーズを繋ぎ合わせていけば歌詞になるんだと。

この曲に関しては、色々な大事なポイントがあるんですけど、あの歌詞がフッと浮かんで作れたことは、自分のなかですごく大事な一曲になりました。その後、僕が90年代に歌詞をたくさん書いたときに、すごく役に立ったとおもう出来事ですね。だから、銀色夏生さんがあのときに断っていなかったら、僕も作詞家として歌詞を量産することはなかったと思いますよ笑。(小室哲哉)

楽曲を振り返って、小室さんが特徴的と挙げたのは、イントロから登場するBmのキーボード・リフ。

先程話に挙がった大澤誉志幸「そして僕は途方に暮れる」や、TOTO「アフリカ」など、当時はシンセのリフが印象的に使われていたが、小室さんいわく、何かの曲に影響されたわけではなく、自然に生まれたそう。

また、 “Together Together〜”の歌詞が出てくるDメロのメロディ・ラインについては「セルジオ・メンデス「サンホセへの道」からインスピレーションを受けた」と配信では話されてますが、ディオンヌ・ワーウィック「I Say a Little Prayer」かもです。アレサ・フランクリンによるカバーも有名です。

イントロで象の鳴き声をイメージしたサウンドが入っていますが、あれはYAMAHA DX7でどうにか作れないかな?と試行錯誤してできたんです。ベンドを使って、2時間くらいその音作りに費やしていたかもしれませんね笑(小室哲哉)

以上、金曜日のライオンでした!TETSUYA KOMURO STUDIOでは、このお話回のアーカイブもご覧いただけます!ライブ配信は毎週金曜日21時からです♪ 

Infomation

■小室哲哉の音楽世界を直接感じることのできる場所TETSUYA KOMURO STUDIOがオープン!このSTUDIOは小室哲哉とみなさんが 一緒に創る特別な場所です♪

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